探しモノは、なんですか
「いってらっしゃい!おみやげ買ってきてね!」
「いい子にしてたらね?いってきます」
お母さんは、今日は少し遠くにおでかけみたい
わたしは、一人でお留守番
「う~ん、何をしようかな?」
ここにある本は、
ほとんどお母さんに読んでもらっちゃった
う~ん・・・
「なんだか眠くなってきちゃった」
「お母さんが帰って来るまで、お昼寝しようかなぁ」
ぐっすり眠ったみたい
お母さんと、春巻きを作る夢を見たよ
お腹が鳴ってわたしは、目を覚ました
「もう暗いのに、お母さんまだ帰ってきてない・・」
いつもならおいしいご飯の匂いがして
一緒にお箸並べる時間だよ?
「お母さん、遅いよう・・」
凄く心配になって、私は家を飛び出した
「近くまで来てるかもしれない・・っ」
見つからない、見つからない
音も、色も、香りも、見つからない
「お母さん、どこに行っちゃったの?」
「わたし、いい子にしるよ?」
「早く帰ってきてよ!」
夜は嫌いだよ、暗いのは怖いよ
「大丈夫、お母さんがついてるでしょう?」
お母さん、
お母さん
お母さんどこにいるの?
お母さんのいない家には
暖かさを見つけることができなくて
お母さんとの記憶ですら
夢だったように思えます
でも、お母さんからもらった手紙は今でも枕元にあって
いつでもわたしを見守ってくれているようです
鬼の守る監獄で
あなたはあっち
わたしはこっち
「もうそっちに戻れないの?
私、大変なことしちゃったの?」
夢で聞いたあなたの言葉は
本当にあなたの気持ちだったと思います
もう戻れないなら
わたしがそっちへ行きたい
楽しいこと、嬉しいこと、好きなこと、
全部全部差し出して
そっちに行けるなら、今すぐに