10/3(木)の夜に仕事終わりで出国して、10/7(月)の夜に帰国しまして。

実質2泊4日の弾丸でしたが、パリまで行ってまいりました。

 

海外競馬観戦も初めてでしたし、個人でのヨーロッパ旅行も10年以上ぶりだったので、まぁいろいろトラブったり手こずったりいたしましたが。無事に帰ってきて昨日から普通に仕事してますんで、なかなか忙しく詳細の旅の話まで書くには至らずで。

とりあえず写真だけでもあげておこうかと。

 

金曜の朝に着いたばかりのシャンゼリゼ通りからの凱旋門

 

そして日曜日の朝のロンシャン競馬場

 

11:00に入場するまでは時折強く雨も降ったのですが、午後からは曇りながらも晴れ間も結構見れたりして。

 

4R凱旋門賞の発走は現地時間の16:08でした。

本馬場入場も花道が凄く観客に近く。

 

②ヴァルトガイスト

 

⑤ブラストワンピース

 

⑥フィエールマン

 

 

そして⑧エネイブル

 

 

ゴール前の写真

 

エネイブル差されたと思いながら観つつ。

 

後ろの方でなかなかブラストワンピースが来なかったので心配でした。

最後歩いていて、フィエールマンは更にその後で歩いてました。

 

引き上げ

 

 

 

 

そしてヴェルトガイストは勝者の凱旋でなかなか帰ってこず。

 

いろいろな競馬評論家さんが見解を述べてますし、日本馬に携わったホースマンもいろいろ考えはあるでしょうけど。

まずは日本から遠征した3頭は本当に頑張ったと思います。そして、前目で勝負したブラストとフィエールマンは最後ボロボロになるまで死力を尽くしてくれました。特にブラストはフォルスストレートでエネイブルにガチで勝負挑みましたんで、ただ1周してきた訳ではないので11着という結果でも何も言うことはありません。

確かに力負けといえばそれまでなのですが、ここからは個人の意見です。

 

観客席のスタンド前の部分は、芝生になっていて少し歩いた感じでは路盤も固めで水分もあまり感じませんでした。なのでこれなら日本馬大丈夫じゃないかと思ってましたが、帰国してから豊Jの土曜日のコメントでかなり重いという話も聞きました。そして、日曜日の実際のレースを1Rのマルセルブーサックと2Rのグランクリテリウムを見て、2歳馬の競馬にしても1600mで1分42~44秒かかってまして。3Rの古馬の2000mでも2分20秒かかってる馬場でした。もちろんペースはあるにしても、相当タフな馬場だったのは間違いなく。

その馬場状態で凱旋門賞の2400mにあたって、古馬は59.5kg・古馬牝馬は58kgを背負って、レースペースが1000m63秒くらいで勝ち時計が2分32秒弱ですから、内容としては極限にタフさを要求されてます。なので1・2着馬に関しては、特に前で勝負したエネイブルは驚愕レベルの肉体的にも精神的にもタフネスを備えてます。

ブラストワンピースが目黒記念で59kgで最後沈んだのはコンディションが仕上がりきってなかったのもありますが、斤量背負ってた分がかなりあると思います。当たり前ですが、日本のやや重とか重馬場くらいのグリップの良い芝で、57kg背負って1000m通過63秒くらいの競馬と、この厳しく脚を取られる馬場で59.5kg背負って1000m通過が63秒くらいの競馬では、道中のスタミナロスが全く別次元で。

だからその点を踏まえた上で、凱旋門賞で勝ち負けするためにどういうトレーニングをしなきゃいけないか?またそれに耐えうる馬をどうやって見極めて遠征させるかをしない限りは、この先もこういう結果になる可能性は非常に高いですね。もちろん馬場の硬い年もあるでしょうから、そういう年には日本で活躍する馬がそのまま通用する可能性もありますが。

 

ニューマーケットで調整したことは別に間違いではなかったですし、今回のブラストの輸送してからの調教量としてはかなり攻めた量をこなしていたと思います。

ただ芝のアップダウンのあるコースで2・3回追い切った方が良かったのと、一番の問題は普段から重量の重い62kgくらいある助手さんを乗せて毎日毎日重さに慣れさせることが必要だったかなと。それも有馬記念を勝って、フランス遠征を考えたところから、天栄でも美浦でも負担重量への対策を半年以上かけて、そしてその重量を背負った状態でウッドコースでテンから14-13秒くらいでラップを持ったまま踏み続ける体力を養うトレーニングをやるべきで。人間のアスリートでもそうですが、陸上競技でも水泳でも球技でも、実戦の舞台を想定してそれと同等もしくはそれ以上に過酷な状況を設定してトレーニングすることで、本番行って高い確率で成績を残せますんで、言葉の通じない馬に対して課すのは難しいのは百も承知ですが、それが出来ないと凱旋門賞やキングジョージで勝つのは難しいと思います。

日本のかっちかちの超高速馬場で、60kgの斤量背負わせて一線級の馬達に競馬させれば、おそらく故障する馬がかなり出るでしょうから現実的には無理ですし。上記のようなやり方だと日本のGⅠレースを勝つためにする日々のトレーニングとは、かなり違うベクトルのトレーニングが長い期間必要になるので、例えばクラブ馬だったら出資会員は、その犠牲を全くもって納得しないでしょう。だからこれだけ日本馬が挑戦しても跳ね返されるレースですし、オルフェーヴル以来のここ数年は掲示板に載ることすらできない結果に終わってます。もちろんオルフェーヴルってのは、圧倒的に特異でスペシャルな馬です。

 

目の前で見たエネイブルのトモは本当に凄まじく馬体が恰好良く、かつ馬場に出てくるときもとにかく集中できていて落ち着いていて。もちろん血統的なものもあるのでしょうが、日本のホースマンはこういう馬を造れるように日々努力しないときっといけないなと。そして本当に凱旋門賞を勝つ気なら、日本でのレースで得られる賞金を犠牲にして、半年以上凱旋門賞用のトレーニングメニューをこなさなきゃキツいなと。そしてそれに耐えられる資質の馬でなきゃダメだなと。それはもちろんブリーダーズカップクラシックにしても、ドバイワールドカップにしても、キングジョージやチャンピオンステークスにしても勝ちにいくにはそれに必要なトレーニングを編み出して・こなして・耐えられなければダメですね。

改めてそんなことを、ポルトマイヨール駅に向かう帰りのバスの中で思っておりました。

 

 

肉体的にも金銭的にもかなりの浪費をいたしましたが、この舞台に連れてきてくれたブラストワンピース及び関係者の方々には本当に感謝ですし、こんな機会がなければ一生接することのない世界に触れられたのは人生の宝ですね。またいつか出資馬が海外遠征出来ることがあれば最高ではありますが、そうでなくてもまたどこか海外の競馬場で観戦できたら良いなと思う旅でもありました。一口をやっていて良かったと思いますし、これからも日本の多くの馬に海を渡って大きな舞台に挑んでもらいたいですね。まぁ死ぬ前までには、日本馬の凱旋門賞制覇を観たいですし、ノーザンFを先頭に日本のホースマン達ならやってくれると信じたいですね。