月下獨酌(四首)其二  
(唐) 李白

花 間 一 壼 酒  獨 酌 無 相 親
舉 杯 邀 明 月  對 影 成 三 人
月 既 不 解 飲  影 徒 隨 我 身
暫 伴 月 將 影  行 樂 須 及 春
我 歌 月 徘 徊  我 舞 影 零 亂
醒 時 同 交 歡  醉 後 各 分 散
永 結 無 情 遊  相 期 邈 雲 漢


「月下独酌(四首) 其の二」

花間一壼の酒、
独酌相い親しむこと無し。
杯を挙げて明月を邀え、
影に対いて三人を成す。
月は既に飲むを解せず、
影の徒は我が身に随う。
暫く月の将に影ささんとするに伴いて、
行楽 須らく春に及ぶべし。
我は歌いて月は徘徊し、
我は舞いて影は零乱たり。
醒むる時 同に交歓し、
酔後 各々分散す。
永く無情の遊を結び、
相い期して雲漢に邈かなり。


「月明かりの下で一人お酒を飲んでいる光景を漢詩に詠みました。(そうして詠んだ四首のうちの、二首目です)」

お酒をひと壺持って花の間に座り、
誰も親しい友達がいない状況で、一人でお酒を飲んでいました。
酒のさかずきを持ち上げて、満月が昇ってくるのを迎えて、
自分の影と向かい合って、月と、私と、私の影の三人になっておりました。
月はもうすでに酒を飲む気持ちというものを理解しなくなっており、
私の影は私の仲間となって、私の身に従っている状態でした。
しばらくは明るい月が私を照らして影を作って、
私の仲間となってくれていました。
外へ出かけて楽しむには春になったときが一番良いと思います。
私が歌うときには、月はあちこちをさまようようであり、
私が舞うときには、私の影が乱れ散らばるような、
そんな楽しいひとときでした。
この長い、本来、心のない月との楽しい遊びをしめくくる頃には、
月とお互いに来年もともに楽しもうという約束をして、
月がはるか遠くの天の川の上にかかっていました。


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