「Qアノン」政界へも影響拡大 2020年10月12日(月)掲載

(Qアノンとは)インターネット上で『Q』と名乗る人物を信じる人たちです。

『Q』が主張しているのは、“ディープ・ステート=闇の政府”の存在です。
一部のエリートからなるその“ディープ・ステート”が、アメリカの政界やメディアを支配し、国民をおとしめようとしていて、トランプ大統領はその陰謀を阻止する救世主であるという現実離れした主張です。
ところが、今、SNSなどを通じてこの主張の支持者が急速に増えていると言います。

 

「エリートによる支配」に強い敵対心を抱く「Qアノン」。
こうした考え方はトランプ大統領の世界観にも通じるものがあると、渡辺さんは指摘します。

渡辺教授
「トランプ大統領自身も、もともと政治の世界と関係のないビジネスの世界から来た方で、言ってみれば、“アウトサイダー”です。
前回の大統領選挙の時も、民主党、そして共和党も含めて、インサイダー(エリート層)が、ワシントンをこんなひどい街にした、アメリカを、こんなみじめな国にしてしまったということを、いろいろな例を挙げて訴えたわけです。
『Qアノン』の人たちの世界観とトランプ大統領が持っている世界観は、かなりシンクロする部分があるのです。」

 

Qアノンについては、ネット上の都市伝説ぐらいなもので、そのうち飽きられると思っており私はあまり興味はなかったのです。

そのQアノンへ関心を持つきっかけは、”陰謀論を推奨し、米国で最も抑圧されているのは白人男性だと主張するマージョリー・テイラー・グリーン”氏が米下院予備選に当選したというニュースを9月に見たときからです。

 

テイラーグリーン氏の主張はなんともめちゃくちゃなものですが、オルトライトと言われる米国の過激な新興右翼の主張と重なる部分もあり、またインターネット・ミームつまり噂話を根拠とした陰謀論を支持して連邦議会へ食い込む一歩手前まで、政治的基盤が出来つつあることに衝撃を受けたのでした。

 

 

こちらの記事を読むと、有権者の1%前後程度にしかまだQアノングループは存在しておらず、大半はQアノンを認知しても投票行動には直接結びついていないようです。なので、そんなに2020年米国大統領選に影響はなさそうな気がするのですが、どうなんでしょうか。

 

Qアノンは、宗教やマルチプレイヤーのロールプレイングゲーム(RPG)と比べられることがある。信奉者が事実とは反することを信じている点が宗教のようで、陰謀論が支持者によってネットで拡散されていくさまがオンラインRPGに似ているというのだ。 ワイヤード記事より

大統領選は米国人には巨大なお祭り騒ぎだそうなので、一種のゲーム感覚で楽しんでいるのかもしれず、なにも変わることがない政治への意義申立の拒否感情を、Qアノンはすくい上げているのかもしれません。それが、ワシントンのエリート達がアメリカを惨めな国にしてしまったという素朴な愛国感情を同時に刺激しているようにも見えます。

 

もうひとつ重要なことは、こうした陰謀論が実生活にも影響を及ぼす可能性がある点だ。Qアノンを支持すると回答した人の40パーセントは、そのことで家族や友人との関係に悪影響が生じていると答えている。メディアで報じられるような事件は起こさなくても、全米で数百万人が同じような悩みを抱えている計算になる。 ワイヤード記事より

米国の愛国感情は、ステイトつまり州への帰属意識からなる土地や歴史に根ざした素朴な愛国と、移民の国といわれるユニティつまり共同体感覚からなる進歩的な愛国とがあり、それがここ最近の米国内で明確に対立しているように私なんかは見えます。

 

よく言われるように、新自由主義が浸透した米国では、中産階級の没落が著しく他者を思いやる余裕がなくなりギスギスしている米国の内情が大統領選のような世界的なイベントで可視化されている面もあるよな、と思います。

 

私自身は、米国に愛着どころか嫌悪しかないです。が、ハリウッド映画や80年代POPミュージックの文化的な影響下にあるため米国発の文化や流行にはどうしても目がゆくのです。

 

トランプさんが大統領になってから、米国の良く無い面が見えやすくなっていて米国発の文化からの親離れが、進みそうです。だれが次期大統領になっても米国の威信没落は止まらないのではないでしょうか。

 

 

その他リンク

 

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