side-R
不安だけが増殖していく。
今のドラマの撮影の影響もあるのかもしれない。
この撮影のおかげで二人の物理的なキョリは縮んだかもしれないが・・・・心のキョリは遠のいてはいないか?
公表してないから貴島みたいにあからさまにアピールしてくる男があとをたたない。
それだけでもいっぱいいっぱいなのに。
彼女がすぐ手に届く場所にいる。
彼女の心も身体も。
付き合いだしたばかりのころと事情だって違う。
そろそろ結婚だって・・・そう思っていた矢先、彼女は口にする。
敦賀蓮、ではなく、久遠ヒズリの居場所。
おそらくアメリカからのオファーが多くなってきた頃だったと記憶する。
俺のことを誰よりも知る彼女だから、だからこそ俺を両親の元へ帰そうとする。
もちろんそれでも俺はかまわない。彼女がそばにいてくれるならどこだっていいんだ。
・・・そう、彼女がそばにいてくれるなら。
だけど彼女がともについてきてくれる可能性はどのくらいだろうか?
大事な人はつくれない、と言ったことがあった。
けれど、こちらにきて何年過ぎた?
その間に俺にはどれだけ大切な人ができただろう。
アメリカでのデビューだって既にしていて、『久遠』としてではないが充分に満足できる結果を残しつつある。
正直場所はどこだっていいんだ。
日本にいてでも活動はいくらでもできる。
・・・それを言っても彼女は納得してはくれない。
彼女の頑なさを知っているからこそこれ以上議論を重ねるのはどうかと思う。
ドラマの撮影はそんな俺を逆なでするような内容が多く、最後はハッピーエンドにまとまるが、それまでの過程がひどすぎる。
そんなドラマの撮影は佳境を迎える。
彼女が襲われて、キスされるシーンだ。
そんな彼女を助けるわけだが・・・その時に貴島を殴るフリをするが・・・フリですむかどうか正直自信がない。
そのシーンの当日。社さんに楽屋で言われた。
「蓮」
「なんです?」
「殺人だけは犯すなよ?」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・」
どうもこの人には俺の内面のことがばれている気がする。
続く
ちょっと暗めの蓮さん。
ちょっとここでしばらく間をあけます。ごめんなさいseiさん!
ストックがなくなったの(ノ∀`)
あと入れようと思っていたスキャンダルを忘れていたのでそれをいれてちょっと練り直したいのでお時間ください。タブン一週間ぐらい。
その間は久々に小ネタとシリーズ物を復活させます~
今日は眠いので!
早めのUPになりました。