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「ふーーーーーーーーーーー」
私は一人暮らしをしているマンションに帰るなり盛大にため息をついた。
社さんがわざわざあんな素敵なカフェに誘ってまで聞きたかったことはキョーコのスケジュールのことだった。
『キョーコのスケジュールですか?』
『うん、できるだけ抑えてはあるんだけど・・・どうも隠してるっぽくって・・・ブリッジロックの子たちと番組出てるよね?一体なにに出てるのか知ってる?』
(・・・・ってやっぱりアレよね?でもすっごい口止め、されてるのよねぇ)
『・・・・・・・・・・申しわけないんですけどお答えできません』
『・・・それは知ってるけど言えない、っていうこと?』
『そうとっていただいてかまいません』
『・・・どうしても?』
『・・・・・・・・・・・・・・ど、どうしてもです』
社さん、そんな訴えるような目で見ないでください。
その顔は反則です。
社さんに拝み倒されたけどぐっとこらえた。
ただ、ヒントだけあげることにした。
『彼らとの仕事は毎週なんです』
『え?毎週?』
『それ以上は言えません』
社さんならそれで充分わかってしまうと思ったから。
『私、これで失礼します』
『あ、ちょっと琴南さん、』
お金を出そうとした手は社さんの手で阻まれた。
『・・・・・・・・でも、』
『誘ったのはこっちだから。せめてこのくらいはおごらせて』
『それなら次は私が絶対に出しますよ?』
『それは・・・・・琴南さんが誘ってくれる、と受け取っていい?』
ぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!
そこまで思い返して私は悲鳴を上げながら顔が真っ赤になるのを感じた。
続く
ものすごーーーくひっそりと・・・