ももがICUに入って10日が過ぎました。
鎮静剤と呼吸器でなんとか状態を保てていたのですが、ICUに入った翌日18日の夜に大きな肺高血圧のクライシスをおこしました。
面会の時間が終わり部屋にもどり、私と交代で夫がお風呂へ向かって、ちょっと休もうとソファに座った瞬間携帯が鳴りました。
小児科病棟からでした。
「ももちゃんのサチュレーションが上がらないそうです。すぐICUへお願いします!」
入浴中の夫を呼ぶようにお願いし、五階から三階へ走りました。
もものベッドへ行くと小児ICUのK先生と担当医が必死にバギングしていました。素人目に見ても胸が全くあがっていません。サチュレーションは40~60台からあがらず顔は紫色。
これはあかん、ほんまにあかん
あまりの事に手が震えて冷汗がでてきました。ももの手を握り呪文のようにがんばれがんばれと声をかけましたが、やはり胸もサチュレーションもあがりません。
バギングしているK先生が「サチュレーションが上がらない状態がかなり長く続いています。このままサチュレーションがあがらなければ心臓がもたず心拍が下がり救命できないかもしれません。なのでご両親に連絡させてもらいました。」と状態を教えてくれました。
主治医も到着しバギングを交代しますがやはりサチュレーションはあがりません。
夫もICUに到着し少し離れて見守っていますが、厳しい様子に夫は呆然。
私は先生と反対側で手を握り声をかけ見守りました。主治医が圧を調整しながら懸命にバギング。しかしやはり酸素は入らずジャクソンが膨らみすぎてパンパンです。
そして、意を決したように主治医がかなりの圧をかけて数回バギングすると…
少し胸があがった!
それを機にバギングが急に軽くなり酸素が入るようになりました。サチュレーションも少しずつあがり、なんとかバギングから呼吸器に戻すことができました。
状態が戻った後すぐに先生達のカンファレンスが行われ、筋弛緩剤を使う事が決まりました。
筋弛緩剤を使うと全く動かなくなるため体動による状態悪化はふせげますが、排痰や咳ができなくなり痰がたまり余計に状態が悪化する可能性があると説明がありました。
先生一同緊張の中筋弛緩剤投与。すぐに自発呼吸がなくなりバギングしながら呼吸器を調整。付け替えるとなんとか上手く呼吸器に乗ることができ状態も落ち着きました。
呼吸器の設定はかなり高く、ピーク圧35、peep11、酸素は100%…いつ気胸になってもおかしくない状態。でもなんとか落ち着いてくれました。
ほっとしすぎて倒れそうでした…助かってよかった、戻ってきてくれてよかった本当にそれだけでした。
翌朝ICUへ行くと既に先生陣が揃っておりNOが開始になっていました。
夜中何回かクライシスを起こしNOが始まったみたいです。流量は20ppm最大量。今回アイノベント(NOを流す機械)は新生児ではないので使用できないため工業用一酸化窒素を初使用しています。
NOをはじめてから状態は徐々に落ち着き、何回かクライシスを起こしバギングをする場面はあったものの、現在はかなり大胆な体位交換もできるようになり少し呼吸器の設定も下がっています。
今は各種鎮静剤、筋弛緩剤、NO、高い設定の呼吸器と使えるものをすべて使ってなんとか安定している状態でまだまだ安心できませんが、とにかくまずは筋弛緩剤を離脱するところからチャレンジしていきます。
肺の状態は悪いですが心臓や腸等他の臓器はすごく強い子です。
今回の呼吸状態で心拍が下がらなかったのはすごいことだと先生からも褒められました!
だから少し時間がかかりそうですが、必ずまた笑顔でお家に帰ります。ゆっくり無理せずいきたいと思います!
クリスマスに主治医サンタからプレゼントが届きました
朝ICUへ入ったらもものベッドの頭にそっと見守るみたいに置かれてて思わず笑顔になりました。
いつもセンス抜群の優しい主治医です