結婚式を控え、


衣装合わせやドレスを着るための首のイボ取り、


新居の掃除や買い物、結婚式の打ち合わせ、


結婚前の親族旅行など、忙しくしていたころ、


しこりの検査に行く日がやってきました。




その日は実家から母とともに街へ出て、


母は妹と待ち合わせをして買い物、


私は病院へ行ってから結婚式のメイク&ヘアのリハーサル、


そして夜は友人との飲み会と予定がぎっしり詰まっていました。




母と車で病院へ向かう途中、「母の知り合いが子宮がんになったこと、


告知された後、病院からどうやって帰ったか分からなかったらしい」という話をしながら、とても気軽な気持で向かいました。




ちょっと遅れがちに病院に到着しまずは受付。


そしてエレベーターで病院へ。


前回と同じく着替えて待つように言われます。


検査着に着替えて髪を結び、汗をシートでふきふき。 そして待合室で待ちます。




待合室では、乳房の自己検診のやり方のビデオが流れていて、


私以外の女性も何人か待っていました。




結構な待ち時間の間、女性誌に載っていた短期間で結果の出る二の腕体操の記事などを読みながら、今もっぱら興味のあるダイエットについて必死に勉強。




診察が終わったら、このページ写真に撮って帰って、家で毎日やろうなんて意気込んでいました。




そしていよいよマンモグラフィの部屋へ。


前回と変わらず女性の技師さんで、手慣れた感じで左右のおっぱいを上下水平と斜めから計4回撮影しました。




痛みも大したことなく、あっという間に終了。


外に出て先生の診察をさらに待ちます。




この病院でたくさん検査する人がいるはずだけど、


その中の一体どれだけの人が乳がんと言われるんだろう…


そんなことを自己検診のビデオを見てぼんやりと考えながら待ちます。




そしていよいよ診察に。


特に緊張もせず、早く結果を聞いて帰りたい気持ちが大きかった私。


この後はメイクのリハーサルが待ってるし、お昼ご飯も食べたいし…、そんな気持ちでした。




診察室に入ると、先ほど撮ったマンモグラフィーの画像が張られていました。




前回と同じように挨拶をされ、先生の前に座った私。




前回と今回の画像を診ながら、


「前回も乳腺症とお伝えしましたが、1年前の画像と変っていませんし、大丈夫ですよ」と先生。




その言葉に私は「じゃぁ、このしこりはなんなんですかねぇ」と返してみました。


この大きなしこりの正体を知りたいと思いました。




乳腺線維症とか、何かあるんじゃないかと思ったのです。




先生は、「超音波でも診てみましょうね」とベッドへ促されます。


そこでまた素早い触診をした後、ゼリーをつけ、超音波の機会を私の左おっぱいにあてていきます。




超音波の画像はモニターで診えるようにこちらに向いています。


先生の超音波を持つ手が、ずっと気になっていたしこりにふれた瞬間、


真っ黒のかたまりが見えました。




瞬間、「何これ!何かある!」とやな予感がしました。




それは素人目に診ても不吉な印象を与える黒い物体でした。




先生は、「前はこんなのなかったですよね」と念を押すように私に問いかけ、


私はよく分からないまま「えぇ、はぁ」と答えていました。




そしてすぐ、「しこしがあるから細胞を取って調べましょう」と言いました。




その後、先生は念入りにそのしこりのあたりを診たり、


右の胸を診たり、「右にもしこりがありますが、こっちは大丈夫そうですね」と言ったりしています。




私の頭の中は「細胞取るってどうやって?」と思いながら、


先生の「細胞取って調べますから」との声に、「もう細胞取ったんですか?」と尋ねました。


超音波をしながら自然に撮れるものなのかなぁと思っていたら、「胸に注射を指して取ります」と。


なんですと!?胸に注射を指す!?


あまりに衝撃的なその言葉に、心に鎧をつけて、なされるがままに。




「嫌です、怖いです」なんて言えない雰囲気。


そして先生が超音波でしこりをみながら注射をさしてきました。


チクリとした痛みを感じたくらいでそんなに痛くありませんでしたが、


しこりの周りをシュポシュポ取って、最後に超音波の画像の黒いところに針が言った瞬間、激痛が走りました。




思わず「いったいっ」と声が。


ようやく終わったと思ったら、ガシャンと何かを落とした音がしました。1えっ、まさか今取ったやつを落とした!?と思っていたら、「もう1回しますね~」と。


思わず、「えぇ~」と言ってしまいました。




次、また同じような痛みがきたら耐えられない…、


泣きそうになりながら、すごい覚悟をしたけど、2回目はチクリとした刺す痛みだけで終わりました。




この2回の細胞診は、落としたからもう1本取ったのか、それとも2本分取るんだったのかはいまだに不明。




「終わりましたよ」に起き上がってみると、床に血がついていました。明らかに私の落としたよね…。




服を着て椅子に座りなおした私に、先生は「乳管の中を伝わる、珍しい乳がんの疑いがあります」と告げました。




「しこりは硬いですし、形もガタガタしています。良性のしこりであればこんな形にはなりません」というようなことを言っていました。




でもそのあと、付け加えるように「乳腺症ということもあります」と言いました。




「この細胞検査では分からないこともあるので、そうなるともっと太い針で組織を取る検査をしなくてはいけません」とも。




先生の話を聞きながら、なんか大変なことになってないかと、なんだが手が震えてきました。




検査の結果は29日に分かるとのこと。


その日の予約を伝えられ診察室を出ました。




なんだか、すでに、「乳がんです」と言われたような気分。




二の腕体操の雑誌の写真を取る気にもなりません。




着替えて帰るときに、乳がん患者であろう女性が付き添ってくれました。




「細胞を取られたけれど、乳がんじゃないこともありますよね」と確認して少し安心しました。




でも、なんで細胞取ったの、念のため?、なんか乳がんですって言われた気持ちがするなぁと思いながら、会計を済ませ、泣きそうになりながら病院を出ました。




早速、母に電話。


母がショックを受けないよう、言葉を選びながら、


「なんかしこりがあるみたいだから、細胞調べるって細胞を取られたよ~」と努めて明るく伝えました。




胸がいっぱいです。


私はなんか頭をガツンと殴られたような衝撃を感じていましたが、


母はまさかそんなわけないと思っていたようで、


「あらそうなんね~」と意外とあっさりした感じでした。




本当はこの後のすべての予定をキャンセルしたい気分でしたが、


キャンセルするくらい大変なことが起こったと感じていましたが、


母に伝え、母の反応を感じて、なんだか大丈夫な気がしてきて、


そんなまさか乳がんなんてことないよね~と、


ありえないわと気持ちを切り替え、急いでメイクリハーサルへ行きました。




途中、お昼を食べる時間がなかったのでスーパーで野菜ジュースを買い、


カラカラになった喉をうるおし、向かいました。




そこで、私はすっかり花嫁モードになり、じっくり何時間もメイクとヘアのリハーサルを行ったのでした。




リハーサルが終わり、再度母へ電話。


母と妹に会って話したい。そう思って家で待ち合わせることに。


でも妹は時間がないとかで帰り、母も説明を聞いて帰っていきました。




私は帰ってから、インターネットでどういう場合に細胞を調べる判断になるのか、


細胞を調べられた人のうち、本当に乳がんと言われる人はどのくらいいるのか、


細胞を調べられてもなんでもないことがあるのか…などを調べました。




そこで、細胞を調べても乳がんじゃない人もいること、


細胞の検査の結果は5段階で評価されることなどの知識を得ました。




その後、予定どおり友人との読み会に。


豚しゃぶを食べながら結婚のお祝いをしてもらいました。




ビールを飲んでいいのかためらいましたが、飲まないのも変だしと一杯だけ飲みました。




本当は飲みたい気分ではなく、帰って乳がんのことを調べたい気持ちでいっぱいでした。




周りが妊娠・出産の話をする中、私は一人今日調べた細胞診について思いを巡らせていました。




最後、カフェでお茶までして帰宅。




そうして長い一日は終わりました。





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<追記 2014年10月6日>

下の写真は、この日先生からもらった紙です。
「乳がんの可能性」、しっかり書いてありますね。
でもその下の「乳腺症のこともあります」を信じていました。

でも今思えば、「乳がんだと思うけど、もしかしたら乳腺症のこともあるよ」そんな意味ですよねぇ…。



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