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さて、今回の記事は、五濁(ごじょく)について書きます。




今日も中村元著の「佛教語大辞典」から引用させて頂きましょうね。




【五濁】



悪世における五種のけがれ。


劫濁・見濁・煩悩濁・衆生濁・命濁の五つをいう。


五つのけがれ。 五つの濁り。


末世における五種の避けがたいけがれ。


けがれた世相における五つの特徴をいう。




① 劫濁


時代の濁り。 時代は濁り、戦争や疫病飢餓などが多くなること。


時代的な環境社会のけがれ。




② 見濁


思想の乱れ。 思想が悪化すること。


よこしまな思想がはびこること。




③ 煩悩濁


煩悩のはびこること。


貪り・怒り・迷い(癡)などの煩悩の燃えさかる人間のあさましいすがた。


悪徳がはびこること。




④ 衆生濁


衆生の果報が衰え、心が鈍く、身体弱く、苦しみの多くなったすがた。


人間の資質が低下すること。




⑤ 命濁


衆生の寿命が次第に短くなること。


最後には十歳までになる。




この五濁は、初めから盛んではなくて、希薄な状態から漸次熾烈になるといわれ、


これを五濁増という。






このように書いてありました。



五濁悪世(ごじょくあくせ)」という風に言ったりしますね。





仏教では、釈迦がこの世を去ってから56億7千万年後に


弥勒菩薩がこの世に現れるまでのあいだを無仏の時代と言うのです。


末法の世なのです。


この世の娑婆世界は五濁悪世ということになっているのです。