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プロティノスの全著作(ギリシア語)を

弟子のポルピュリオスが301年に編集したものです。


全著作を54篇の論文とみなしまして、

主題の関連する9篇を1組としまして

エンネアス」(九つ組)と呼び(エンネアは9を意味します)、

全体を6つのエンネアスで構成しました。


「エンネアデス」は名詞「エンネアス」の複数形です。


元来は書名ではなかったかもしれませんが、

9世紀頃にはすでに書名とされていました。


第一エンネアスは倫理学的な論文を、

第二、三は自然学的・宇宙論的論文を収め、

この3エンネアスを第1巻としました。


第四エンネアスは魂についての、

第五はヌース(知性)に関する論文を収め、

この2エンネアスを第2巻としました。


第六エンネアスはイデア(実有)と一者に関する論文を収め、

これを第3巻としました。


かくして本書は3巻6エンネアス54篇から成ります。


ただし近代では『プロティノス全集』

と題して出版されることもあります。


またその際、論文の配列を<エンネアデスの順>でなく

<執筆順>に改める版もあります。


なおプロティノスの著作活動は、

ポルピュリオスによって次の3期に区分されました。


①254-263年、21篇

②263-268年、24篇

③268-270年、9篇






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