今年のKIDCは

表現力のある出場者が

何人か、出場してました。



私ともう1人の日本人審査員は

機微まで感じとれる

同じ人に

点数を高く付けたのですが



外国人審査員は

その人ではなく

別の人に高い点数をつけてました。



なので、表彰式で

一位だと思っていたその子が

そうではなかった時に



もう1人の日本人審査員と私は

「えー、なんでー!?」って

なったんです。



動きのコントロールだけを

見ているのではなく



表現の世界感を感じとれた度が高いのは

私が評価した子だと思う。



評価は

表現、音楽、振付、衣装

舞台スペースの使い方などで

総合的に点数を付けるんですが



私は

ちゃんと

世界観を感じとれる状態かどうか?



その部分を

より細かく表現できてる(感じとれている)ことが

「舞踊家の、才能」として

一番大切な部分だと思っています。



動きは

目に見えてわかりやすい部分なので

練習を

頑張ればいいのだが



それだけでは

作品表現をする舞踊家としては

(その発想のままだと)


動けなくなってきたら

(踊る意味がないので)

辞めてしまいます。



作品表現力は

集中力と同時に

「イメージの語彙力」

が必要なんです。



だから

そこにこだわりがある人が

本当は

(長く続けられる舞踊家としての)


才能がある人だと思っています。



もちろん

そういう表現が

良い

ということではないが



好みの質に

違いを感じました。



欧米人や、欧米の表現をする

世界で

評価されたい場合



彼らが感じとりやすい

表現の方向

というものはあって



そこは理解しておいて損はない。



例えば、

日本舞踊的、現代舞踊的なセンスで

「茜色の空」

を表現しても



それを

「Red Sunset」

みたいに英語で言い切れる人の方が

評価されやすい。



茜色の空

の中に含まれる

「おだやかに夕暮れる時間」

などは


「受け取りにくいイメージ」

となるわけです。



世界、欧米に合わせるならば

日本的なセンスだけではだめで


英語にしてもわかるように

表現を変換する



意思は強く
明確な意味

を持たせる



でないと

ダンスとは認識されにくい

と思う。




大きな会場でも

明確にわかる、


動きの強さ、明確さ



「私」を主軸にした

気持ちの強さ、明確さ


そこが一番見えていることが

大事なのかもね。



歌声に例えたらわかりやすいんだが


遠くまで聞こえる声で

明確な音程を発している体



その音楽にのせた動きを

明確に客席までダイレクトに届かせる


と明確な意思


そこを一番見て


おー、良いダンサーだね!

と言っているのだと思う。



常にハッキリした動きと

自身の主張の強さを求めている



表向きには

「それぞれのストーリー」

と言うが


ハッキリとした自分の声を

客席まで届かせるようなもののことを言っていて



主張の強くないものは

わからないと思う



ストーリーも表現も

意味のないものと化します。



客席の方に

明確に主張するように
(でも意味での説明にはならないように)


大きくコミュニケーションをとりつつ


動きも床などに入らず(下を向かず)😆

ゆるまず

ナヨナヨせず



音楽にのせて

コントロールされた強い動きを

主張するように、見せればいい。



私は

演者が見ている世界観の

広がりを見ていて

そこの感度が明確に働いているなら



動きが小さくても

弱い表現も


感覚が綺麗だなと感じたら

評価する



なぜなら

身体能力の高さよりも

表現のセンスがあることの方が


長い目で見たときに、

可能性があるからです。



身体能力の高さが才能なら


舞台芸術とは

演出(それを作る人)のセンスが

すべてになる。



言われた通りに動ける体

変わりが沢山いる体


そういう

「戦士みたいなイメージ」から

いつまでも抜け出せないだろう。



ダンサーの評価を

スポーツ的その部分だけに

したくない。



でもそういう視点は

今回審査員をしていて

日本人的な見方なのかも?

と思いました。



好みの違い

という言葉で片付けてしまうのは

簡単なんですが



今後も遭遇する問題だし


今後

コンクールに出場する人には

必要な知識。



コンクールに出場するなら、

大きな舞台に立つなら、

欧米人に見せるなら、



遠くまで届く体の強さ

明確さのあるハッキリした表現が

必要。



その絶対値を上げる

体のトレーニングや

動きのトレーニングは

大切なんです。



俺も、そこは

けっこうある方なんですがね



ジャンル内で

そこで評価され


カッコいい動きでしかないベテランを

見飽きているので😆


そこで評価していなかった。



最近

表現(イメージ)の幅を広げる

勉強をしていて



絶対値を上げるような

動きのトレーニングは

サボり気味だったが



遠くの人にまで伝える

体、動きの基礎は


それはそれで

やっぱり

トレーニングしとかなきゃねー。



広い舞台で行われる

コンクールダンスの評価はまず



大きく強く明確な声がだせて


舞台(客席までのスペース)を


埋められる強くて明確な体。



中身はその後か😆