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夜の街に繰り出し、一杯ひっかけた。



いい気分でぶらぶら歩いていると、いきなり後ろから女の声がした。



「死ね」



ドン!



女が俺にぶつかってきた。



その瞬間激痛が体を駆け巡った。

刺されたのだ。



「誰だ?クソ!…」



気が遠くなりかかっていた。どうやら、刺され所が悪かっ様だ。



気を失う寸前に、女の顔が目に映った。



ああ、あの女か!



確か昔、恋人といるところを、仲間三人で拉致って廻した女だった。



思えば、ロクデナシの人生だった。

有りとあらゆる悪事が俺の人生の全てだ。

悪い事は何でもやった。楽しくて仕様がなかった。

薬は飴玉の代わりで、女はただの人形だ。

ヤリタイ女は、さっさと犯した。

嫌いなヤツは殺した。

まあ、今死んだ所で後悔はない。

行き先は、どうせ地獄だろう。





【ブラックアウト】





いきなり目が覚めた。

だだっ広い部屋のド真ん中のソファーに座っていた。

目の前のテーブルには、あらゆる料理が並んでいる。

両隣には、絶品の女。

此処は何処だ?

…どういうことだ?俺は死んだんじゃ無いのか?

頭の中を、?がぐるぐる駆け巡った。



「ふぉっふぉっふぉっ…」



突然、目の前に白髪の爺様が現れた。



「ふぉっふぉっふぉっ… 頭は、悪くなさそうじゃの!その通り。貴様は、死んだのじゃ。」



何だこの爺!

ん?

どうして、俺の考えている事が解りやがるんだ?



「ふぉっふぉっふぉっ… 此処はあの世じゃ。言葉なぞいらぬ。どうじゃ、ワシじゃとて喋っておるわけじゃなかろう!」



確かにそうだ。爺はニヤニヤ笑っているだけだ。

だとしたら、此処は何処なんだ。

俺の行き先は、地獄以外に考えられないだが…。



「ふぉっふぉっふぉっ… 貴様でも、行き先が気になるのか?何処でも良かろう!今、此処におる事が替えられる訳でもないしの!」



まあそうだな。此処が何処だろうとかまやしねえや!



「ふぉっふぉっふぉっ… そうじゃそうじゃ、さ、好きにするがよい。」



最後の言葉が終わらない内に、爺の姿が消え失せた。



「あっ!おいっ爺!何処行きやがった。」



ふぉっふぉっふぉっ…用がある時は呼べ。ふぉっふぉっ…



頭の中で声が響いた。



「ハハハ、 ハハハ、アッハハハ!こりゃあいいや!アッハハハ!神さん、俺の行き先、間違えたんだな!アッハハハ!だったら好きにさせてもらうぜ!」



つづく