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オレ様の名は、パケット。

本名を、ディープインパケットと云う。

あの有名な、そして偉大な

【ディープインパクト】

様は、俺様のちょっと年上のお兄様にあたる。

俺様の母さまは、その名を、ウインドインハーヘアーと云う。
なんとなく、色っぽい聞こえのする艶やかな名だ。

俺様は、そんな名牝と呼ばれる母さんの最後の子供なのだ。

世間では、最後の大物と大評判だった。

あの、屈辱の日までは…。


オレ様は、次の日から特別に3ヶ月の休みを貰った。

出走停止とか云う賞を貰ったらしい。

ふん、流石はオレ様だ。

誰からも、チヤホヤされてしまう。



牧場で休暇を満喫していたオレ様だが、流石に二度と負ける訳には行かなかったので、レースと呼ばれるものの勝ち方を学んだ。

たったの3ヶ月で、王者の風格を手に入れてしまった。
流石、オレ様だ。

此処から、新たなる不敗神話の誕生である。


厩舎に戻って約ひと月、みっちり走り込んだオレ様は悠々とリベンジのレースへと向かった。


ふん!!
もうあの頃のオレ様じゃーないのだ。

どんなに、沢山の人間どもがいようと興奮などしない。

落ち着き払った王者の貫禄である。
ふん!!


【ガッシャーン】

ゲートがあいた。

いつもの様に、オレ様は最高のスタートダッシュを決める。

「ふふふ…。やっぱりオレ様の相手など、この世に存在しないのだ。」

分かっている、タケ、手綱をしっかり持っていろ。ペース配分は分かったから大丈夫だ。

ふん!!

そら、最後の直線だ。

それ、いくぞ!

しっかり追え!

ん?左から駄馬がオレ様を抜こうとしてやがる。

ふん!!こうしてやる。
【ドン!】

アハハ! カツハルめ、おっこちてやんの。

おっ…!今度は右か…。
ふん!!オレ様を抜こうするなど百万年早いわ~!!
邪魔してやる。
ちょっと右へっと。

コラ!!タケ、手綱を左へ向けるな、走り難い!

それ、それ!右手へ~。

アハハ!行く手を塞いでやった。

オッ!!ゴール板だ。!
アハハ!
どんなもんだ!

オレ様の勝ちだ~。


【只今のレースは、□ばん…号、及び◇ばん…号の進路が狭くなった事について審議致します。…】

ん?審議ってなんだ?
早く、オレ様の表彰式を始めろ!


【ディープインパケット 進路妨害の為失格 最下位降着 タケ騎手 騎乗停止】

戦績 2戦0勝 最下位 2回