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統幕議長の興奮を感じながら奈緒は静かに口を開いた。
「ありがとう、皆さん。良くこんなに早く成し遂げて頂けました。心から感謝します。」
ほっとした様子の総理の姿に統幕議長が感無量といった感じで返事を返す。
「とんでもない。総理のお力が無ければこの様な防衛手段を手にする事等出来ませんでした。
我々こそ心から感謝致しております。」
その言葉に奈緒が釘を刺すように告げる。
「皆さん。この防衛兵器は平和の為だけに使って頂きます。決してこれで覇権を狙うようなお考えだけは持たないようにして下さい。
人は弱い者です。誘惑に抗する事はとても難しい事であります。
この兵器があればハッキリ申し上げれば世界の覇権を麦国から奪う事など造作も無い事でしょう。
しかし私はそれを望みません。それを皆さんに共有して頂きたいのです。」
その場に居た一同が不思議な顔をしてその言葉を聞いていた。
そう、皆ナオの独裁的な政権運営を見て、この兵器で世界の覇権を狙っているとばかり思っていたのである。
「はあ・・・それが総理の本心であられるならば、私達は総理に従います。」
統幕議長が幾分残念そうな顔で答える。
「議長、覇権とはいつか奪われるものです。それがいつかは分かりませんが・・・。
私は覇権よりもこの国の永遠の平和を望みます。それが国を存続させる為に一番良い事だと考えているのです。」
「・・・総理のお気持ちを確かにお受けしました。決して覇権を狙う様な事は致しません。どうぞご安心下さい。」
「良かった・・・。これで安心して発表出来ますね。皆さん、本当にご苦労様でした。」
奈緒は集まった皆それぞれに握手を求めその労をねぎらった。
最後に統幕議長が帰る間際、奈緒に対して約束の禁秘文書を手渡した。
「ありがとう、統幕議長。これで政界の最後のお掃除が出来ます。」
「いえ。ただし・・・出どころは・・・。」
「心配しないで。そんな事は絶対に漏らさないわ。」
「分かりました。では、これで失礼します。」
「ええ、本当にお疲れ様でした。」
全員が帰った後、奈緒は有人に樫村医師を呼ぶように伝えた。
有人は不思議そうに問い返す。
「総理・・・何故父をここに?」
「有人さん、この2年一緒にいて解っていないの?この兵器の事をナオが知ったらどうなるか分からない?」
「えっ・・・あ・・・。」
「そうよ、ナオは絶対に世界の独裁者を目指すわよ。それも人命などお構い無しに自らの欲望のままに・・・・。」
「いや・・・しかし・・・今までのナオくんの政策には決して国民を脅かす物は無かったけど・・・。」
「有人さん、全然解って無いのね・・・。あれは全部私が考えた政策よ。ナオは権力を弄んでいただけ・・・。」
「・・・・まさか・・・・」
「だから樫村先生と私は、私とナオの人格統合を急いでい来たのよ。有人さんがナオとしていた浮気だって知っていたけど・・・泣く泣くそれには目を瞑っていたのよ。」
奈緒が浮気を責めるキツイ調子の言葉に有人は震え上がった。
「あ・・・う・・・ご・・・ごめんなさい・・・。」
「良いわ・・・許してあげる。もうこれでオシマイだから・・・。」
「えっ?どういう事?」
「だから・・・樫村先生を呼んでって言っているのよ。今日、ナオを統合してしまわないと大変な事になるから。」
「・・・あ・・・分かりました。すぐ父に連絡を取ります。」
「お願い。私はちょっとシャワーでも浴びて来るから・・・・。」
そう言って奈緒が自室へと向かう。
有人は父に連絡を取るが、その心根は少々複雑であった。
ナオへの想いも有人には残っているのだ。
これだから二股男は始末に負えない。
続く
統幕議長の興奮を感じながら奈緒は静かに口を開いた。
「ありがとう、皆さん。良くこんなに早く成し遂げて頂けました。心から感謝します。」
ほっとした様子の総理の姿に統幕議長が感無量といった感じで返事を返す。
「とんでもない。総理のお力が無ければこの様な防衛手段を手にする事等出来ませんでした。
我々こそ心から感謝致しております。」
その言葉に奈緒が釘を刺すように告げる。
「皆さん。この防衛兵器は平和の為だけに使って頂きます。決してこれで覇権を狙うようなお考えだけは持たないようにして下さい。
人は弱い者です。誘惑に抗する事はとても難しい事であります。
この兵器があればハッキリ申し上げれば世界の覇権を麦国から奪う事など造作も無い事でしょう。
しかし私はそれを望みません。それを皆さんに共有して頂きたいのです。」
その場に居た一同が不思議な顔をしてその言葉を聞いていた。
そう、皆ナオの独裁的な政権運営を見て、この兵器で世界の覇権を狙っているとばかり思っていたのである。
「はあ・・・それが総理の本心であられるならば、私達は総理に従います。」
統幕議長が幾分残念そうな顔で答える。
「議長、覇権とはいつか奪われるものです。それがいつかは分かりませんが・・・。
私は覇権よりもこの国の永遠の平和を望みます。それが国を存続させる為に一番良い事だと考えているのです。」
「・・・総理のお気持ちを確かにお受けしました。決して覇権を狙う様な事は致しません。どうぞご安心下さい。」
「良かった・・・。これで安心して発表出来ますね。皆さん、本当にご苦労様でした。」
奈緒は集まった皆それぞれに握手を求めその労をねぎらった。
最後に統幕議長が帰る間際、奈緒に対して約束の禁秘文書を手渡した。
「ありがとう、統幕議長。これで政界の最後のお掃除が出来ます。」
「いえ。ただし・・・出どころは・・・。」
「心配しないで。そんな事は絶対に漏らさないわ。」
「分かりました。では、これで失礼します。」
「ええ、本当にお疲れ様でした。」
全員が帰った後、奈緒は有人に樫村医師を呼ぶように伝えた。
有人は不思議そうに問い返す。
「総理・・・何故父をここに?」
「有人さん、この2年一緒にいて解っていないの?この兵器の事をナオが知ったらどうなるか分からない?」
「えっ・・・あ・・・。」
「そうよ、ナオは絶対に世界の独裁者を目指すわよ。それも人命などお構い無しに自らの欲望のままに・・・・。」
「いや・・・しかし・・・今までのナオくんの政策には決して国民を脅かす物は無かったけど・・・。」
「有人さん、全然解って無いのね・・・。あれは全部私が考えた政策よ。ナオは権力を弄んでいただけ・・・。」
「・・・・まさか・・・・」
「だから樫村先生と私は、私とナオの人格統合を急いでい来たのよ。有人さんがナオとしていた浮気だって知っていたけど・・・泣く泣くそれには目を瞑っていたのよ。」
奈緒が浮気を責めるキツイ調子の言葉に有人は震え上がった。
「あ・・・う・・・ご・・・ごめんなさい・・・。」
「良いわ・・・許してあげる。もうこれでオシマイだから・・・。」
「えっ?どういう事?」
「だから・・・樫村先生を呼んでって言っているのよ。今日、ナオを統合してしまわないと大変な事になるから。」
「・・・あ・・・分かりました。すぐ父に連絡を取ります。」
「お願い。私はちょっとシャワーでも浴びて来るから・・・・。」
そう言って奈緒が自室へと向かう。
有人は父に連絡を取るが、その心根は少々複雑であった。
ナオへの想いも有人には残っているのだ。
これだから二股男は始末に負えない。
続く