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Mr.Children I'm sorry
樫村医師と目を覚ました有人を見送って、奈緒は寝室へ向かった。
しばらく眠るためだ。
目を覚ました時、それがナオであれば世界はナオの物である。
3時間後、角田奈緒は目覚める。
奈緒にとっては幼少以来初めての朝を迎える事になる。
ゆっくりと廻りを見回し、そこが公邸の寝室である事、今が朝である事を確認して起き上がった。
いつものルーティンを熟し、コーヒーの香りを楽しんで一息つく。
その後、デスクにある自衛隊の禁秘の書類と、新防衛システムの書類を確認してしばらく今後の事を考え込んでいた。
状況の把握を終えた後は何時ものようにシャワーを浴びて身支度を整え階下へ降りた。
そこには有人が待っていた。
「有人さん・・・・。」
「奈緒・・・ちゃん・・・?」
「ええ・・・私よ・・・・。」
奈緒は有人へ近づき有人に口づける。
まったりとしたキスに有人は奈緒を感じる。
「ああ・・・奈緒ちゃん・・・・奈緒ちゃんなんだね・・・・。」
「そうよ、有人さん・・・・。もう、ナオは居ないわ。残念でしょうけど・・・・。」
そう言いながら笑顔で奈緒は有人の脛を蹴る。
「イタタタ・・・・いや、もう、勘弁してよ・・・。僕は奈緒ちゃんだけだから・・・。生涯・・・。」
そう言いながら有人は再び奈緒とまったりとしたキスをする。
しばらく二人でお互いを確認しながら過ごす。
「有人さん・・・いえ、補佐官。午後一でマスコミ全局の放送枠を抑えて下さい。」
「えっと・・・全部?」
「そう、全部。大事な発表をしなければならないので・・・。」
「ああ・・・そうだったね。そう、この国の未来が掛かった発表だ。スグに手配する。」
「あ・・・でも、それは極秘でやって。絶対に誰にも知られないように。」
「えぇ?どうして?」
「・・・・どうしても。何も聞かないで・・・お願い。」
国家にとって最大限に有益な発表なのに何故極秘なのか?
不可解な思いもあったが奈緒のたっての願いであったので、有人は誰にも気付かれないように細心の注意を払いながら準備を整えた。
その日は奈緒達が政権を獲得した日と同じく東京の空に虹が掛かっていた。
奈緒の新たなる門出を祝う虹だと感じる有人であった。
午後0時に全ての放送局で一斉に総理の緊急会見が始まる。
国中の人々が何事かと驚いた。
街頭のビジョンを通行人も注目する。
画面一杯に映る奈緒の姿に視線が集中していた。
「国民の皆様こんにちは。内閣総理大臣、角田奈緒でございます。」
いつもより幾分表情が硬いし、改まって内閣総理大臣を名乗る奈緒に更に注目が集まった。
「本日は国民の皆様にご報告しなければならない事がございます。」
この放送に先立って奈緒は幹事長の山根を官邸へ呼び出した。
「総理、お呼びだと云う事ですが・・・どうされました?」
「ええ・・・これはまだ極秘でお願いしたいのですが・・・。」
「はあ・・・何でしょうか?」
「・・・衆議院を解散しますので、その準備を早急に整えて下さい。」
「えぇ?か、解散・・・ですか・・・?」
「はい。近日中に解散しますので、候補者の選定を早急にお願いします。」
「あ、あの・・・理由をお伺いしてもよろしいですか?」
「・・・・申し訳有りませんけど・・・それは秘密です。ふふふ・・・。」
「・・・・私が信用出来ないと云う事でしょうか?」
「何を言っているんですか?この話をしているのは山根さんだけですよ。信用しているからお願いしてるんじゃないですか。
理由は・・・個人的な事なので・・・今は秘密です、と云う感じなだけですよ。」
「あ、はあ・・・分かりました。とにかく、準備万端整えます。野党には絶対漏れない様にします。」
「ええ、よろしくお願いします。あ、後、官房長官と副総理にも絶対漏れないように。」
「えっ?」
「理由は聞かないで下さいね。ふふふ・・・。」
「あ・・・はい。承知しました。その様に注意します。」
「では・・・午後にまた党本部でお会いしましょう。」
「はい、では、失礼します。」
続く
Mr.Children I'm sorry
樫村医師と目を覚ました有人を見送って、奈緒は寝室へ向かった。
しばらく眠るためだ。
目を覚ました時、それがナオであれば世界はナオの物である。
3時間後、角田奈緒は目覚める。
奈緒にとっては幼少以来初めての朝を迎える事になる。
ゆっくりと廻りを見回し、そこが公邸の寝室である事、今が朝である事を確認して起き上がった。
いつものルーティンを熟し、コーヒーの香りを楽しんで一息つく。
その後、デスクにある自衛隊の禁秘の書類と、新防衛システムの書類を確認してしばらく今後の事を考え込んでいた。
状況の把握を終えた後は何時ものようにシャワーを浴びて身支度を整え階下へ降りた。
そこには有人が待っていた。
「有人さん・・・・。」
「奈緒・・・ちゃん・・・?」
「ええ・・・私よ・・・・。」
奈緒は有人へ近づき有人に口づける。
まったりとしたキスに有人は奈緒を感じる。
「ああ・・・奈緒ちゃん・・・・奈緒ちゃんなんだね・・・・。」
「そうよ、有人さん・・・・。もう、ナオは居ないわ。残念でしょうけど・・・・。」
そう言いながら笑顔で奈緒は有人の脛を蹴る。
「イタタタ・・・・いや、もう、勘弁してよ・・・。僕は奈緒ちゃんだけだから・・・。生涯・・・。」
そう言いながら有人は再び奈緒とまったりとしたキスをする。
しばらく二人でお互いを確認しながら過ごす。
「有人さん・・・いえ、補佐官。午後一でマスコミ全局の放送枠を抑えて下さい。」
「えっと・・・全部?」
「そう、全部。大事な発表をしなければならないので・・・。」
「ああ・・・そうだったね。そう、この国の未来が掛かった発表だ。スグに手配する。」
「あ・・・でも、それは極秘でやって。絶対に誰にも知られないように。」
「えぇ?どうして?」
「・・・・どうしても。何も聞かないで・・・お願い。」
国家にとって最大限に有益な発表なのに何故極秘なのか?
不可解な思いもあったが奈緒のたっての願いであったので、有人は誰にも気付かれないように細心の注意を払いながら準備を整えた。
その日は奈緒達が政権を獲得した日と同じく東京の空に虹が掛かっていた。
奈緒の新たなる門出を祝う虹だと感じる有人であった。
午後0時に全ての放送局で一斉に総理の緊急会見が始まる。
国中の人々が何事かと驚いた。
街頭のビジョンを通行人も注目する。
画面一杯に映る奈緒の姿に視線が集中していた。
「国民の皆様こんにちは。内閣総理大臣、角田奈緒でございます。」
いつもより幾分表情が硬いし、改まって内閣総理大臣を名乗る奈緒に更に注目が集まった。
「本日は国民の皆様にご報告しなければならない事がございます。」
この放送に先立って奈緒は幹事長の山根を官邸へ呼び出した。
「総理、お呼びだと云う事ですが・・・どうされました?」
「ええ・・・これはまだ極秘でお願いしたいのですが・・・。」
「はあ・・・何でしょうか?」
「・・・衆議院を解散しますので、その準備を早急に整えて下さい。」
「えぇ?か、解散・・・ですか・・・?」
「はい。近日中に解散しますので、候補者の選定を早急にお願いします。」
「あ、あの・・・理由をお伺いしてもよろしいですか?」
「・・・・申し訳有りませんけど・・・それは秘密です。ふふふ・・・。」
「・・・・私が信用出来ないと云う事でしょうか?」
「何を言っているんですか?この話をしているのは山根さんだけですよ。信用しているからお願いしてるんじゃないですか。
理由は・・・個人的な事なので・・・今は秘密です、と云う感じなだけですよ。」
「あ、はあ・・・分かりました。とにかく、準備万端整えます。野党には絶対漏れない様にします。」
「ええ、よろしくお願いします。あ、後、官房長官と副総理にも絶対漏れないように。」
「えっ?」
「理由は聞かないで下さいね。ふふふ・・・。」
「あ・・・はい。承知しました。その様に注意します。」
「では・・・午後にまた党本部でお会いしましょう。」
「はい、では、失礼します。」
続く