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緊急事態宣言が出て、いつもの通勤電車はガラガラ。
残念ながらテレワークとか在宅勤務なんか出来る上等な仕事では無いから、何時ものように通勤電車に乗っている。
学生たちもお休みで静かで良いことだが、少し寂しい感じもしていた。
そんなある日、珍しく女子学生たちが数人乗り込んで来た。
どうやら何かの行事で呼び出された様だ。
数人の女子学生たちがひそひそ話をしていた。
ひそひそ話なのだが、いつもの満員電車では無いから丸聞こえだ。
「あのね。」
「うん、どうしたの?」
「昨日おばあちゃんがお留守番していたらしいの。」
「ふ~ん、あ、そうか、直子の家ってスーパーやっていたんだっけ?」
「そうなの。だから、両親共働いていて家にはおばあちゃんしか居ないの。」
「そうなんだ。」
「それでどうしたの?」
「うん、あのね、うちのおばあちゃん、何年か前迄叔父さんの家に居たんだけど・・。」
「あ、そうなんだ。」
「うん。」
「それで?」
「うん、その叔父さんが交通事故で亡くなってしまって、それから家で一緒に暮らすようになったの。」
「そうなんだ。」
「ふ~ん・・」
それからしばらく話が途切れる。
最近の女子学生は人の話を聞くより、手元のスマホのLINEに夢中だ。
「ねえ・・・ちょっと、話しきいてくんない?」
「あ、ごめんごめん。隆が明日デートしようって言うからちょっと相談してたんよ。」
「そう・・・・。」
「あ、それで、おばあちゃんがどうしたの?」
「うん、それでいつもおばあちゃんがお留守番なんだけど・・・。」
「そうなんだ。」
「それで、昨日、おばあちゃんが留守番していたときに電話が掛かって来たらしいの。」
「そうなんだ。」
「それでね。」
「うん。」
「その電話の相手が亡くなった叔父さんからだったって言うのよ。」
「うっそぉ~~!!」
「やだぁ~~~!!!」
「怖いでしょ~?」
「怖い、怖い、超怖い。」
「怖いよね~。」
聞いていた私は話が全く進まない事に少しイライラして来た。
「それで、叔父さん何をおばあちゃんに話したの?」
「それが・・・・すっごい怖いの。」
「え~~!私、怖い話苦手ぇ~。」
「でも、私聞きたい、聞きたい。」
「うん、じゃあ、話すね。」
「うん。」
「その叔父さんががね、おばあちゃんに交通事故を起こしちゃったって言ったらしいの。」
「きゃ~~!!!怖い~~~~!!!」
「でしょ?でしょ?」
「うん、亡くなったの交通事故だったんでしょ?」
「そうなの。」
「怖い~~~~!!!」
「それでおばあちゃんにね、交通事故の賠償金が必要なんだって・・・おばあちゃん、迷惑かけて申し訳無いって言ったらしいの。」
「わぁ~~~。怖い~~~~!!!」
「でしょ?でしょ?だからおばあちゃん、大丈夫だよ、もう保険で済ましたから成仏してって電話切ったんだって。」
「怖い~~~~!!!」
・・・・・そうなのか?
怖い話なのか?
どう聞いても「オレオレ詐欺」だとしか思えないのだが・・・・・
その時私の電話に着信が。
私は声をひそめて出た。
「もしもし。」
「あ、社長だけど・・・。」
「あ、はい、お疲れ様です。」
「うむ・・・それでだな。」
「あ、はい。」
「その、今交通事故を起こしてしまってだな・・・。」
「えっ?本当ですか?」
「ああ・・・それで申し訳ないが賠償金をだな・・・。」
「怖い~~~~!!!社長、去年死にましたよね?」
「えっ?えっ?えっ?」
「だから~!社長、去年交通事故で死んだじゃないですか?」
「嘘?いや、まさか!そんな・・・・。」
「いや、だって私と一緒に乗っていた車で、私と一緒に死んだじゃないですか。」
「・・・・そうだったっけ?」
オシマイ
緊急事態宣言が出て、いつもの通勤電車はガラガラ。
残念ながらテレワークとか在宅勤務なんか出来る上等な仕事では無いから、何時ものように通勤電車に乗っている。
学生たちもお休みで静かで良いことだが、少し寂しい感じもしていた。
そんなある日、珍しく女子学生たちが数人乗り込んで来た。
どうやら何かの行事で呼び出された様だ。
数人の女子学生たちがひそひそ話をしていた。
ひそひそ話なのだが、いつもの満員電車では無いから丸聞こえだ。
「あのね。」
「うん、どうしたの?」
「昨日おばあちゃんがお留守番していたらしいの。」
「ふ~ん、あ、そうか、直子の家ってスーパーやっていたんだっけ?」
「そうなの。だから、両親共働いていて家にはおばあちゃんしか居ないの。」
「そうなんだ。」
「それでどうしたの?」
「うん、あのね、うちのおばあちゃん、何年か前迄叔父さんの家に居たんだけど・・。」
「あ、そうなんだ。」
「うん。」
「それで?」
「うん、その叔父さんが交通事故で亡くなってしまって、それから家で一緒に暮らすようになったの。」
「そうなんだ。」
「ふ~ん・・」
それからしばらく話が途切れる。
最近の女子学生は人の話を聞くより、手元のスマホのLINEに夢中だ。
「ねえ・・・ちょっと、話しきいてくんない?」
「あ、ごめんごめん。隆が明日デートしようって言うからちょっと相談してたんよ。」
「そう・・・・。」
「あ、それで、おばあちゃんがどうしたの?」
「うん、それでいつもおばあちゃんがお留守番なんだけど・・・。」
「そうなんだ。」
「それで、昨日、おばあちゃんが留守番していたときに電話が掛かって来たらしいの。」
「そうなんだ。」
「それでね。」
「うん。」
「その電話の相手が亡くなった叔父さんからだったって言うのよ。」
「うっそぉ~~!!」
「やだぁ~~~!!!」
「怖いでしょ~?」
「怖い、怖い、超怖い。」
「怖いよね~。」
聞いていた私は話が全く進まない事に少しイライラして来た。
「それで、叔父さん何をおばあちゃんに話したの?」
「それが・・・・すっごい怖いの。」
「え~~!私、怖い話苦手ぇ~。」
「でも、私聞きたい、聞きたい。」
「うん、じゃあ、話すね。」
「うん。」
「その叔父さんががね、おばあちゃんに交通事故を起こしちゃったって言ったらしいの。」
「きゃ~~!!!怖い~~~~!!!」
「でしょ?でしょ?」
「うん、亡くなったの交通事故だったんでしょ?」
「そうなの。」
「怖い~~~~!!!」
「それでおばあちゃんにね、交通事故の賠償金が必要なんだって・・・おばあちゃん、迷惑かけて申し訳無いって言ったらしいの。」
「わぁ~~~。怖い~~~~!!!」
「でしょ?でしょ?だからおばあちゃん、大丈夫だよ、もう保険で済ましたから成仏してって電話切ったんだって。」
「怖い~~~~!!!」
・・・・・そうなのか?
怖い話なのか?
どう聞いても「オレオレ詐欺」だとしか思えないのだが・・・・・
その時私の電話に着信が。
私は声をひそめて出た。
「もしもし。」
「あ、社長だけど・・・。」
「あ、はい、お疲れ様です。」
「うむ・・・それでだな。」
「あ、はい。」
「その、今交通事故を起こしてしまってだな・・・。」
「えっ?本当ですか?」
「ああ・・・それで申し訳ないが賠償金をだな・・・。」
「怖い~~~~!!!社長、去年死にましたよね?」
「えっ?えっ?えっ?」
「だから~!社長、去年交通事故で死んだじゃないですか?」
「嘘?いや、まさか!そんな・・・・。」
「いや、だって私と一緒に乗っていた車で、私と一緒に死んだじゃないですか。」
「・・・・そうだったっけ?」
オシマイ