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【ところで、お前、普通にしゃべる時は標準語使えるのに、どうして急に「はぶてる」になるんだ?】

「えっ?ああ・・・解って無いのねぇ。あのね、関西弁とか京都弁とか言うけど、あれは本当は関西訛りと京都訛りなのよ。長崎弁は方言なの。」

【ん?どういう事だ?】

「あら?なんだ偉そうにしている割には・・・ばっかじゃないの?」

【な、なんだと!俺は馬鹿じゃないぞ、俺は天才棋士なんだ。】

「ふ~ん・・・まあ、天才棋士でも常識は分からないかもね。」

【くっ!急に偉そうにしやがって・・・。】

「良い?訛りはイントネーションが違うのよ。だから・・・他にも東北訛りとか色々イントネーションが違う地域があるでしょ?」

【あ、ああ・・・。】

「で、方言というのはイントネーションでは無く、言語なのよ。だから私は方言は出るけど、普段はちゃんと標準語なのよ。

九州出身者って関東にたくさん居るはずだけど、多分話していて九州出身かどうかなんて分かんないと思うわよ。」

【ふ・・・ふ~ん、そうなのか・・・。】

「そうよ。だから標準語を使えるかなんて馬鹿な質問しないでくれる。ば~か!」

【あ、この野郎、調子に乗りやがって。俺を馬鹿呼ばわりしやがって・・・。】

「あら、この野郎なんて・・・私は野郎じゃないわよ。淑女なんだから、そんな汚い言葉で呼ばないでくださるかしら?オホホ・・・。」

【このっ!くっ!・・・まあ、良い。とりあえず、さっさとゲームやらマンガ本やら捨てちまえ。それからだ勉強始めるのは。】

「・・・・やっぱり・・・ねぇ・・・本は置いておいても良いんじゃない?遊ばないし・・・。」

【ダメだ。良いか?目に入るものは全部将棋に関する物だけにするんだ。今までの甘えた生活はもはやお前には無いと思え。そうじゃなければお前に棋士の資格は無い。】

「・・・・甘えた生活って・・・・。」

【まあな、お前たち女流棋士だけの責任だとは思わない。連盟が甘やかし過ぎているんだ。】

「甘やかされてるとは思わないけど・・・。」

【いや、完全に甘やかしだ。いいか?男は三段でも将棋の仕事なんか記録係程度しか無いんだぞ。

それなのに、女流棋士は奨励会退会になっても・・・と言うか研修会止まりでも女流棋士戦とかに参加資格があるだろ?それで稼いで食える。男は食えんぞ。】

「それは・・・確かに・・・解説の聞き手とかのお仕事もあるから・・・収入はあるかも知れない。」

【そうだ。だから・・・お前みたいにテレビの前にゲーム機だの漫画本だの部屋中に将棋に関係無い物が溢れかえっているんだ。】

「・・・・それは・・・・。」

【しかし、それは・・・連盟の中に女が棋士になることを嫌がる勢力があるのも関係しているかも知れない・・・だから全部女流棋士が悪いとは思わん。

しかしだ、お前は今日から女流棋士じゃないんだ。ただの棋士になったんだ。だからもう、女流の甘えは全て捨てろ。そして棋士として生きていくしか無いんだ。解ったか?】

「・・・・うん・・・。」

【うんって・・あのなぁ~。お前さ、俺が天才棋士の大先生だってまだ解ってないだろ?うんって・・】

「えっ?・・・だって・・・名前も知らないし・・・だって・・・本当は幻聴かも知れないし・・幽霊かも」

【ああもう!何度言えば解るんだよ。幻聴でも幽霊でもない。俺は生きている・・・なんでこんな事になっているのか・・・それだけが分からないだけだ。】

「それは・・・・。」

【大体幻聴が本人より将棋が強い訳がないだろ?幽霊が将棋指してるところ見たことあるか?】

「それは・・・・。」

【いい加減これが現実だって分かれよ。じゃあないと教えてやらないぞ。良いのか?天才にタダで教えてもらえるチャンスを棒に振っても。】

「う~ん・・・」

【あ~もう、めんどくせー。良いよ、勝手にしな。俺は自分がどうしてこうなったのかだけ考えるよ。凡人は勝手にボロボロ負けてろ。】

「わ、解ったわよ!捨てれば良いんでしょ!捨てるわよ!将棋だけやるわよ!これで良い!!」

【だから、いちいち切れて、はぶてるなって!】

「はぶてとらんもん!」


続く

☆実際は将棋連盟と女流棋士の連盟は別です。また女流棋士の連盟は分裂して2つありますが・・・お話の都合上、そう云う事は無いと言うことでw☆