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四段に昇段してから初対局までしばらく期間があった。
棋戦は約17棋戦(新設・廃止があるので定まっていない)あるが、後期から始まる予選はそれほど多くない。
順位戦は春からになるためそれまでは、ほぼ棋戦の予選や、特別対局がその活躍の場になる。
連盟から連絡が来るまでの約2週間、泰葉は頭の中の悪魔にこってりと絞られていた。
毎日20時間、将棋漬けの日々を過ごした。
その日も朝からみっちり鍛えられていたが、連盟から呼び出しの連絡が来たので仕方ないでしょ?という感じでお出かけである。
久しぶりの外出に泰葉は一息ついた感じだ。
「ふ~・・・。気持ちいいー♪」
思い切り背伸びをして深呼吸する。
【ふん・・・時間がもったいない。何なんだいちいち呼び出さなくても電話で良いじゃないか。なあ?】
「・・・・ヤダ。たまには外出くらいしたい。言っとくけど私はあなたの奴隷じゃないんだからね。」
【失礼なやつだ。これだけ真剣に教えてやっている大先生に対する言葉とは思えん。どういう育ち方をしてきたんだ?】
「し、失礼な・・・。ちゃんと育ててもらったわよ!」
【ふん・・・それにしては恩義に感じるという大切な事がわかっていないがな。】
頭の中で悪態を付き合っているとあっという間に将棋会館は目の前だ。
「はあ・・・久しぶりだわ。・・・グスン・・・。」
【おい、なんだいきなり・・・何故泣く?】
「だって・・・ここに通い始めて12年よ・・・・・。12年も必死だったのよ・・・泣けてくるじゃない。」
【う~ん・・・俺は・・・4年位で抜けたから大して感慨は無いな。】
「くっ・・・こ、この・・・本当にムカつく。そうでしょうよ、あなたは天才ですぐにプロになったんでしょうよ!」
【・・・本当に短気なやつだ・・・。お前その性格直さないとマジでプロとして失敗するぞ。】
「・・・・それは・・・解ってるわよ。冷静沈着・・・座右の銘にする。」
【ぷぷぷ・・・冷静沈着が座右の銘って・・・くっ・・・アハハハ・・・・】
「な、何よ。笑わなくても・・・」
【アハハハ・・・いや、そうだな・・・まあ、頑張れ。おい、そう言えばもう時間じゃないか?】
「あっ!いけない、遅刻しちゃう。いきなり会長からの呼び出しに遅刻じゃまずいわ・・・。」
【そうだ、そうだ・・・走れ・・・メロス。】
「誰がメロスよ!」
と言いつつ泰葉は会館へと走る。
時間ギリギリに会長室へとたどり着いて、必死に息を整えてドアをノックする。
「どうぞ。」
そっとドアを開けると会長だけではなく、副会長や広報部長も同席していた。
【ん?こりゃ、何事だ?】
【わ、分かんないわよ。そんな事私に言われても・・・・。】
【いや・・・しかし・・・・この光景は何やら記憶にある・・・。】
【えぇ?どういう事?】
【う~ん・・・ああそうか。しかし、何故、お前に?】
【ちょっと、何よ?どういう事なの?】
【う~ん・・・まあ、会長の話があるだろ。聞けばいいさ。】
【ちょっとぉ~!そんな・・・】
その時会長が話しだした。
「やあ、重ねておめでとうを言っておくよ。良く昇段したね。立派だよ。」
「あ・・・いえ・・・ありがとうございます。みなさんのおかげです。」
深々と頭を下げる。
【ふん・・・おれのお陰だけどな。】
【う・・・煩い!!・・・黙ってて!】
【だからぁ~、いちいちはぶてんなって!】
【だから・・・はぶてとらんもん!】
続く
四段に昇段してから初対局までしばらく期間があった。
棋戦は約17棋戦(新設・廃止があるので定まっていない)あるが、後期から始まる予選はそれほど多くない。
順位戦は春からになるためそれまでは、ほぼ棋戦の予選や、特別対局がその活躍の場になる。
連盟から連絡が来るまでの約2週間、泰葉は頭の中の悪魔にこってりと絞られていた。
毎日20時間、将棋漬けの日々を過ごした。
その日も朝からみっちり鍛えられていたが、連盟から呼び出しの連絡が来たので仕方ないでしょ?という感じでお出かけである。
久しぶりの外出に泰葉は一息ついた感じだ。
「ふ~・・・。気持ちいいー♪」
思い切り背伸びをして深呼吸する。
【ふん・・・時間がもったいない。何なんだいちいち呼び出さなくても電話で良いじゃないか。なあ?】
「・・・・ヤダ。たまには外出くらいしたい。言っとくけど私はあなたの奴隷じゃないんだからね。」
【失礼なやつだ。これだけ真剣に教えてやっている大先生に対する言葉とは思えん。どういう育ち方をしてきたんだ?】
「し、失礼な・・・。ちゃんと育ててもらったわよ!」
【ふん・・・それにしては恩義に感じるという大切な事がわかっていないがな。】
頭の中で悪態を付き合っているとあっという間に将棋会館は目の前だ。
「はあ・・・久しぶりだわ。・・・グスン・・・。」
【おい、なんだいきなり・・・何故泣く?】
「だって・・・ここに通い始めて12年よ・・・・・。12年も必死だったのよ・・・泣けてくるじゃない。」
【う~ん・・・俺は・・・4年位で抜けたから大して感慨は無いな。】
「くっ・・・こ、この・・・本当にムカつく。そうでしょうよ、あなたは天才ですぐにプロになったんでしょうよ!」
【・・・本当に短気なやつだ・・・。お前その性格直さないとマジでプロとして失敗するぞ。】
「・・・・それは・・・解ってるわよ。冷静沈着・・・座右の銘にする。」
【ぷぷぷ・・・冷静沈着が座右の銘って・・・くっ・・・アハハハ・・・・】
「な、何よ。笑わなくても・・・」
【アハハハ・・・いや、そうだな・・・まあ、頑張れ。おい、そう言えばもう時間じゃないか?】
「あっ!いけない、遅刻しちゃう。いきなり会長からの呼び出しに遅刻じゃまずいわ・・・。」
【そうだ、そうだ・・・走れ・・・メロス。】
「誰がメロスよ!」
と言いつつ泰葉は会館へと走る。
時間ギリギリに会長室へとたどり着いて、必死に息を整えてドアをノックする。
「どうぞ。」
そっとドアを開けると会長だけではなく、副会長や広報部長も同席していた。
【ん?こりゃ、何事だ?】
【わ、分かんないわよ。そんな事私に言われても・・・・。】
【いや・・・しかし・・・・この光景は何やら記憶にある・・・。】
【えぇ?どういう事?】
【う~ん・・・ああそうか。しかし、何故、お前に?】
【ちょっと、何よ?どういう事なの?】
【う~ん・・・まあ、会長の話があるだろ。聞けばいいさ。】
【ちょっとぉ~!そんな・・・】
その時会長が話しだした。
「やあ、重ねておめでとうを言っておくよ。良く昇段したね。立派だよ。」
「あ・・・いえ・・・ありがとうございます。みなさんのおかげです。」
深々と頭を下げる。
【ふん・・・おれのお陰だけどな。】
【う・・・煩い!!・・・黙ってて!】
【だからぁ~、いちいちはぶてんなって!】
【だから・・・はぶてとらんもん!】
続く