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将棋会館から家に戻って一息つく。
「はぁ~・・・藪先生と対局・・・ちょっと怖いなぁ・・・・。」
【はあ?何が怖いんだ?】
「だって・・・どんな負け方しちゃうかって想像しちゃうと・・・・。」
【お前さ、やっぱり棋士には向いてねぇよ。負けることしか考えないって勝負師として有りえんわ。】
「だって!相手はあの藪先生なのよ!」
【だから?お前だって・・・まあ、俺が棋士にしてやった様なものだが、一応同じ棋士じゃないか?】
「それはそうだけど・・・格が違いすぎて・・・。」
【はあ?アホらしい。そんな事言われなくても誰でもわかるわ。】
「だから・・・怖いのよ。」
【ふん・・・俺もあの副会長に意地悪されて同じく初戦は藪先生だったぞ。ま、勝ったけどな。】
「えっ?えっ?・・・藪先生と初対局で勝った天才四段って・・・今の升鍵名人しか居ないんだけど・・・」
【ん?そうなのか?・・・・すると俺は升鍵名人なのか?】
「いや・・・・でも・・・升鍵名人・・・今日も対局とかしてるよ・・・・どうなっているの?」
【それは俺が聞きたい事だよ。何がどうなってこんな所に閉じ込められて居るのか知りたいわい!】
「・・・本当に升鍵名人なの?・・・升鍵名人とは何回か会った事あるけど・・・こんなに性格悪くないわ。」
【ふん・・・それはお前だって人前でこんなに性格悪いの見せないだろうが。同じ事だ。】
「うっ・・・・そんなに性格悪くないもん!」
【まあなんだ、この謎は少しづつ解いていくしか無さそうだな。とりあえずは目先の藪先生との対局だな。】
「・・・そんな事言ったって・・・どうすれば良いのか全然分かんないわよ。」
【はぁ~・・・本当に世話の焼ける奴だわぁ・・・とりあえず、藪先生のここ1年位の棋譜を覚えろ。】
「また・・・・覚えるの・・・・。」
【何だ?昼間会館で事務員さんに言った言葉は嘘か?努力しないのか?】
「うっ・・・・す、するわよ・・・。」
【じゃあ、さっさと始めろよ。2週間しか無いんだぞ。】
言われるままにネットで会館のPCから藪元七冠の過去1年の棋譜をプリントアウトして、何時ものように棋譜の勉強を始めた。
過去の栄光があまりに凄すぎて現在の藪元七冠は衰えたと思われがちだが、それは勘違いだ。
未だにA級棋士で有り続け、年間勝率でも7割近い。
タイトル戦の挑戦者決定戦にもちょくちょく顔を出す。
普通なら超強豪棋士である。
A級棋士は全棋士の中でたった10人しかいないのだ。
「・・・・凄い・・・なんで、どんな戦法でも同じ様な勝率で勝ち続けられるの・・・。」
【ふん・・・そういやお前、居飛車だとメチャ弱いよな。】
「うっ・・・・そんな・・・弱いって言わなくても・・・グスン・・・」
【ああ・・・・もう・・・泣け、泣け・・・勝手に泣いてろ。】
「うわ~ん・・・・・!」
【げっ!マジで泣いてやがんの・・・】
「うわ~ん・・・・・!!!!」
【ま、泣くのはいいが、勉強は続けろ。】
「うわ~ん・・・・・!!鬼!悪魔!おすぎ~~~!」
【な、何だ?おすぎって?】
「だって・・・あなた升鍵名人なんでしょ?だったら名前は杉太じゃない。だから・・・おすぎよ!」
【ま、待て!こら、かりにも名人に向かっておすぎとは何だ!お、おれは・・・違うぞ!女が好きだ!】
「そんな事知らないわよ!うわ~ん・・・・・!おすぎのばかぁ~~!!」
【ちょ、ちょっと待て!おすぎって呼ぶな!それだけはやめろ!】
「やだ!おすぎのばかぁ~~!!」
【こ、この!俺が、はぶてるぞ~!!】
続く
将棋会館から家に戻って一息つく。
「はぁ~・・・藪先生と対局・・・ちょっと怖いなぁ・・・・。」
【はあ?何が怖いんだ?】
「だって・・・どんな負け方しちゃうかって想像しちゃうと・・・・。」
【お前さ、やっぱり棋士には向いてねぇよ。負けることしか考えないって勝負師として有りえんわ。】
「だって!相手はあの藪先生なのよ!」
【だから?お前だって・・・まあ、俺が棋士にしてやった様なものだが、一応同じ棋士じゃないか?】
「それはそうだけど・・・格が違いすぎて・・・。」
【はあ?アホらしい。そんな事言われなくても誰でもわかるわ。】
「だから・・・怖いのよ。」
【ふん・・・俺もあの副会長に意地悪されて同じく初戦は藪先生だったぞ。ま、勝ったけどな。】
「えっ?えっ?・・・藪先生と初対局で勝った天才四段って・・・今の升鍵名人しか居ないんだけど・・・」
【ん?そうなのか?・・・・すると俺は升鍵名人なのか?】
「いや・・・・でも・・・升鍵名人・・・今日も対局とかしてるよ・・・・どうなっているの?」
【それは俺が聞きたい事だよ。何がどうなってこんな所に閉じ込められて居るのか知りたいわい!】
「・・・本当に升鍵名人なの?・・・升鍵名人とは何回か会った事あるけど・・・こんなに性格悪くないわ。」
【ふん・・・それはお前だって人前でこんなに性格悪いの見せないだろうが。同じ事だ。】
「うっ・・・・そんなに性格悪くないもん!」
【まあなんだ、この謎は少しづつ解いていくしか無さそうだな。とりあえずは目先の藪先生との対局だな。】
「・・・そんな事言ったって・・・どうすれば良いのか全然分かんないわよ。」
【はぁ~・・・本当に世話の焼ける奴だわぁ・・・とりあえず、藪先生のここ1年位の棋譜を覚えろ。】
「また・・・・覚えるの・・・・。」
【何だ?昼間会館で事務員さんに言った言葉は嘘か?努力しないのか?】
「うっ・・・・す、するわよ・・・。」
【じゃあ、さっさと始めろよ。2週間しか無いんだぞ。】
言われるままにネットで会館のPCから藪元七冠の過去1年の棋譜をプリントアウトして、何時ものように棋譜の勉強を始めた。
過去の栄光があまりに凄すぎて現在の藪元七冠は衰えたと思われがちだが、それは勘違いだ。
未だにA級棋士で有り続け、年間勝率でも7割近い。
タイトル戦の挑戦者決定戦にもちょくちょく顔を出す。
普通なら超強豪棋士である。
A級棋士は全棋士の中でたった10人しかいないのだ。
「・・・・凄い・・・なんで、どんな戦法でも同じ様な勝率で勝ち続けられるの・・・。」
【ふん・・・そういやお前、居飛車だとメチャ弱いよな。】
「うっ・・・・そんな・・・弱いって言わなくても・・・グスン・・・」
【ああ・・・・もう・・・泣け、泣け・・・勝手に泣いてろ。】
「うわ~ん・・・・・!」
【げっ!マジで泣いてやがんの・・・】
「うわ~ん・・・・・!!!!」
【ま、泣くのはいいが、勉強は続けろ。】
「うわ~ん・・・・・!!鬼!悪魔!おすぎ~~~!」
【な、何だ?おすぎって?】
「だって・・・あなた升鍵名人なんでしょ?だったら名前は杉太じゃない。だから・・・おすぎよ!」
【ま、待て!こら、かりにも名人に向かっておすぎとは何だ!お、おれは・・・違うぞ!女が好きだ!】
「そんな事知らないわよ!うわ~ん・・・・・!おすぎのばかぁ~~!!」
【ちょ、ちょっと待て!おすぎって呼ぶな!それだけはやめろ!】
「やだ!おすぎのばかぁ~~!!」
【こ、この!俺が、はぶてるぞ~!!】
続く