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泰葉は会館を後にする前にその月の対戦予定表を貰って、帰路の電車の中でそれを眺めていた。
「う~ん・・・新人戦初戦が犬川荘助君かぁ~・・・・・。」
【ん?犬川荘助?誰だそれ?・・・・ああ・・なるほど・・・三段の時負けた相手か。】
「ちょっと・・・また人の記憶勝手に・・・。一体どうやって覗いているの?」
【お前・・・独り言を言っているって周りから白い目で見られているぞ。クククッ・・・。】
【あ・・・お外だった・・・】
【お外・・・う~む・・・ガキか!・・・あ、記憶だったな。それはだな、う~んと・・・何か映像みたいなものが見える感じかな・・・古い映写機を見ているみたいな・・・。】
【ふ~ん・・・・んで、映写機ってな~に?】
【うぅ・・・映写機も知らんのか?はぁ~・・・一般常識をもうちょっと勉強したほうが良いなお前は。】
【・・・・どうせ常識ないですよ~だ。ふん、おすぎのくせに。】
【な、何だそりゃ!】
【ふんだ!知らないわよ。】
【すぐにはぶてるから始末に負えんわ。それより犬川荘助くらいにはもうあっさり勝てよ。それだけの事はちゃんと教えているんだから、下手に負けたりしたらもう教えてやらんからな。】
【う・・・うん。・・・・でも、そんなに強くなっているのか、自分ではよく分からないのよねぇ・・・。】
【・・・・はぁ・・・まあ良い。帰ったら勉強だ。それまで寝てろ。日本の電車は女が寝ていても誰も襲わんから安心だろ。】
【あ、うん。そうね・・・ちょっと疲れたかも・・・着いたら起こしてね。】
【おい、勘違いするなよ。お前が寝たら俺も寝ているんだ・・・ここもよく分からん仕組みだな・・・何で俺まで寝るんだろな・・・。】
【そうなんだ・・・まあ、終点だから車掌さんが起こしてくれるわよね。】
【・・・熟睡するつもりか、コイツは・・・度胸があるのか・・・馬鹿なのか・・・あ、馬鹿だったな。】
【うぐぅ~・・・また馬鹿扱いして・・・・おすぎのくせにぃ~。】
【だから、おすぎじゃない!俺は天才名人だっつぅの!】
【くぅ~すぅ~・・・・】
【あ、寝たフリしやがった!・・・もう良い、ちょっとでも寝とけ。勉強するんだから、その分睡眠時間削ってやる。ふふふ・・・・。】
【うっ・・・あ、・・・くぅ~すぅ~・・・・】
そうこうしながら家に着いたら夕食を済ませてすぐに勉強に取り掛かる。
「ねぇ~、犬川荘助君用の対策は今度はやらなくて良いの?」
【はぁ?オイオイ、もうお前は四段くらい相手への特別な研究無しでも勝てる様になっていなくちゃいかんだろう。】
「・・・だから、その感覚がよく分からない・・・のよ。だって三段戦では一方的に負けちゃったのよ」
【ああ、知ってる。ありゃ~酷い将棋だわ。アハハ・・・】
「ううぅ・・・」
【じゃあ、こう考えろ。あの将棋、今だったらどう指す?あんな悪手指すか?凡ミス連発するか?】
「えっ?あ、ああ・・。いや・・・大丈夫かも・・・。今ならあの悪手、ダメなの分かる。」
【そう、強くなるって言うのはそういう事だよ。手が見えるって言うのもそれと同じ事だ。だからお前みたいな弱い奴が指す手は俺には全部わかるんだ。】
「うぐぅ~。もう!どうして良い事を言ってるのに、最後に必ず悪態つくのよ!もう!」
【アハハ・・・ストレス発散しないとな。自分の身になって考えてみろよ。ず~っと閉じ込められているんだぞ。】
「あ・・・うん・・・それはそうね・・・辛いかもね・・・・。」
【そうだ、辛いんだよ・・・じゃあ、今日の風呂はしっかり目を開けてサービスショット満載で頼むわ~。】
「な、何言っているのよ!絶対ヤダ!目隠しして入るもん!おすぎの変態!」
【チッ・・・ケチ。】
「ケ、ケチって・・・もう、本当に升鍵名人なの?あの紳士な名人と同じ人とは思えないわ・・・。」
【ん?だって・・・事実がそれを証明してるだろう。この短期間に誰がお前をこれほど強くなれるような指導を出来るって言うんだ?】
「あ・・・うん・・・まあ・・・確かにそれはそうだけど・・・でも、名人がこんな変態だとは思わなかった・・。」
【こ、この!さっきから変態、変態って・・・おれは変態じゃねぇ。普通の男の反応だよ。お前が・・・経験・・・えっ?無いのか!!】
「あっ!!やだ!!!そんな事迄・・・・ヤダ・・・おすぎの馬鹿ぁ~!」
【あ・・やっぱり、はぶてた。アハハ・・・】
「はぶてとらんもん!おすぎの馬鹿ぁ~!」
続く
泰葉は会館を後にする前にその月の対戦予定表を貰って、帰路の電車の中でそれを眺めていた。
「う~ん・・・新人戦初戦が犬川荘助君かぁ~・・・・・。」
【ん?犬川荘助?誰だそれ?・・・・ああ・・なるほど・・・三段の時負けた相手か。】
「ちょっと・・・また人の記憶勝手に・・・。一体どうやって覗いているの?」
【お前・・・独り言を言っているって周りから白い目で見られているぞ。クククッ・・・。】
【あ・・・お外だった・・・】
【お外・・・う~む・・・ガキか!・・・あ、記憶だったな。それはだな、う~んと・・・何か映像みたいなものが見える感じかな・・・古い映写機を見ているみたいな・・・。】
【ふ~ん・・・・んで、映写機ってな~に?】
【うぅ・・・映写機も知らんのか?はぁ~・・・一般常識をもうちょっと勉強したほうが良いなお前は。】
【・・・・どうせ常識ないですよ~だ。ふん、おすぎのくせに。】
【な、何だそりゃ!】
【ふんだ!知らないわよ。】
【すぐにはぶてるから始末に負えんわ。それより犬川荘助くらいにはもうあっさり勝てよ。それだけの事はちゃんと教えているんだから、下手に負けたりしたらもう教えてやらんからな。】
【う・・・うん。・・・・でも、そんなに強くなっているのか、自分ではよく分からないのよねぇ・・・。】
【・・・・はぁ・・・まあ良い。帰ったら勉強だ。それまで寝てろ。日本の電車は女が寝ていても誰も襲わんから安心だろ。】
【あ、うん。そうね・・・ちょっと疲れたかも・・・着いたら起こしてね。】
【おい、勘違いするなよ。お前が寝たら俺も寝ているんだ・・・ここもよく分からん仕組みだな・・・何で俺まで寝るんだろな・・・。】
【そうなんだ・・・まあ、終点だから車掌さんが起こしてくれるわよね。】
【・・・熟睡するつもりか、コイツは・・・度胸があるのか・・・馬鹿なのか・・・あ、馬鹿だったな。】
【うぐぅ~・・・また馬鹿扱いして・・・・おすぎのくせにぃ~。】
【だから、おすぎじゃない!俺は天才名人だっつぅの!】
【くぅ~すぅ~・・・・】
【あ、寝たフリしやがった!・・・もう良い、ちょっとでも寝とけ。勉強するんだから、その分睡眠時間削ってやる。ふふふ・・・・。】
【うっ・・・あ、・・・くぅ~すぅ~・・・・】
そうこうしながら家に着いたら夕食を済ませてすぐに勉強に取り掛かる。
「ねぇ~、犬川荘助君用の対策は今度はやらなくて良いの?」
【はぁ?オイオイ、もうお前は四段くらい相手への特別な研究無しでも勝てる様になっていなくちゃいかんだろう。】
「・・・だから、その感覚がよく分からない・・・のよ。だって三段戦では一方的に負けちゃったのよ」
【ああ、知ってる。ありゃ~酷い将棋だわ。アハハ・・・】
「ううぅ・・・」
【じゃあ、こう考えろ。あの将棋、今だったらどう指す?あんな悪手指すか?凡ミス連発するか?】
「えっ?あ、ああ・・。いや・・・大丈夫かも・・・。今ならあの悪手、ダメなの分かる。」
【そう、強くなるって言うのはそういう事だよ。手が見えるって言うのもそれと同じ事だ。だからお前みたいな弱い奴が指す手は俺には全部わかるんだ。】
「うぐぅ~。もう!どうして良い事を言ってるのに、最後に必ず悪態つくのよ!もう!」
【アハハ・・・ストレス発散しないとな。自分の身になって考えてみろよ。ず~っと閉じ込められているんだぞ。】
「あ・・・うん・・・それはそうね・・・辛いかもね・・・・。」
【そうだ、辛いんだよ・・・じゃあ、今日の風呂はしっかり目を開けてサービスショット満載で頼むわ~。】
「な、何言っているのよ!絶対ヤダ!目隠しして入るもん!おすぎの変態!」
【チッ・・・ケチ。】
「ケ、ケチって・・・もう、本当に升鍵名人なの?あの紳士な名人と同じ人とは思えないわ・・・。」
【ん?だって・・・事実がそれを証明してるだろう。この短期間に誰がお前をこれほど強くなれるような指導を出来るって言うんだ?】
「あ・・・うん・・・まあ・・・確かにそれはそうだけど・・・でも、名人がこんな変態だとは思わなかった・・。」
【こ、この!さっきから変態、変態って・・・おれは変態じゃねぇ。普通の男の反応だよ。お前が・・・経験・・・えっ?無いのか!!】
「あっ!!やだ!!!そんな事迄・・・・ヤダ・・・おすぎの馬鹿ぁ~!」
【あ・・やっぱり、はぶてた。アハハ・・・】
「はぶてとらんもん!おすぎの馬鹿ぁ~!」
続く