Florsheimの隠れた名作 Penfield | shoesaddictのブログ

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今回は、前回に引き続き古靴好き受けしそうなペアのご紹介です。

ところで、Florsheimの有名モデルと言われて何を思い浮かべるでしょうか。
真っ先に挙がるのがKenmoor、続いてYUMA、Concord、Stratfordが来て、大きく水を開けられてGuardsmanあたりが妥当な線でしょうか。


こちら、Penfieldを上げるのはよほどの古靴好きかもしれません。
最初に挙げた5モデルはビジネスで履くのにを躊躇われる方もいらっしゃるのではないでしょうか。
そういった意味で、このPenfieldは古靴好きのビジネスマンがFlorsheimの代表作に挙げてもおかしくないモデルです。


ぱっと見は何の変哲もないパンチドキャップトゥですが、古靴好きの心をくすぐるディテール満載で、お探しの方も多いと勝手に思っています。


このモデルの特徴として真っ先に挙がるのは、古めかしい印象の7アイレット。
当人以外は誰も気には止めないのでしょうが、古靴好きには堪らない意匠です。


また、Florsheimには珍しく、コバの出し抜い糸が隠れているドレス仕様なのも特徴的です。
内羽根式のパンチドキャップトゥという比較的フォーマルなスタイルとも相俟って、ヴィンテージシューズにしては珍しくビジネスライクな印象です。


アッパーは、軽く磨くだけで艶が出るだけでなく、深い皺の入りにくい弾力のある皮革が用いられています。
他の古靴ブロガーさんも指摘されていらっしゃるように、履き心地が非常にソフトなのもビジネス使用には◎です。


スタイル的には、Allen EdmondsのPark AvenueやFifth Avenueと競合しますが、現行Allenと比べるとステッチの細やかさはPenfieldに軍配が上がりそうです。
革質もこちらの方が良い印象。


後ろ姿に目を移しますと、ヒールカップの丸みに目を奪われます。
ドッグテールで処理されているのもポイントが高いですね。
また、個体差があるようですが、こちらはヒールカップの直線状の縫い目の左右にもステッチが入る仕様です。
年代やファクトリーによって変わってくるのでしょうか。
こちらも傍目にはどうでも良いことなのでしょうが、左右のステッチが入っていると我々的には嬉しいですよね。


60年前後に見られる格子状のパターンの合成ヒールが用いられており、二桁アルファベットがAAですので、60年製を期待しております。


ところで、こちらのPenfieldは基本的にご覧の通りコンビネーションラスト表記なのですが、どういった理由なのか気になるところです。
(Comfort Cushionラインの30629なんかもコンビネーション表記ですね。)

こちらのPenfield、個人的には黒をよく見かけるのですが、茶はなかなか姿を現してくれません。
8D前後で出物がありましたらご一報いただけると幸いです。