スエードケアのお話 ―J.M.WESTONのGOLF― | shoesaddictのブログ

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米国古靴に関するブログです

今回はスエードケアのお話。

スエードというと、一部の革好きや靴好きの方を除いては、扱いづらい印象をお持ちかと思います。
しかし、その特性を知れば、意外にも雨にも強くケアも簡単な素材です。

履いた後には軽くブラッシングすればOKですし、防水スプレーを使用すれば軽い雨なんかはなんのそのです。
少し汚れが目立ってきたら消しゴム(専用のものもあります)でこすってやれば綺麗になります。
本格的な汚れに関しては、水洗いも可能です。
実は細かいことを気にせずガシガシ履ける素材なのです。

しかし、それもある程度のケアがあってこそ。
お手入れを怠れば、毛足が寝てしまいテカりが生じてみすぼらしくなってしまうのも事実。
そう、こちらのゴルフのように。




両足ともにつま先の毛足がガビガビになってしまっています。
全体的にも薄汚れていて、せっかくの良靴が台無しになっており、本格的なケアが必要な状態です。



先ずは豚毛ブラシで一心不乱にブラッシング。
ある程度改善が見られました。



それでも改善が見られないテカりには目の細かいサンドペーパーをかけます。
スエードはもともと、鞣した皮革の内側をやすりがけして起毛したもの。
寝てしまった毛足をもう一度起こしてやるわけです。
結果、そこそこの改善がみられました。



しかし、この後に大きな問題が発生しました。
スエードシャンプーを使って丸洗いをかけた際に、汚れの目立っていたトゥ部分を擦りすぎました。



上写真は乾燥後のものですが、ケア前より状態が悪化してしまいました。

これ以上やると取り返しがつかなそうだったことに加え、ヒールがかなり減っていたこともあり、お世話になっているBontaさんにスエードケアをお願いしました。


さて、本題のスエードケアの結果の前に、ヒールについて。
どうせなら、リッジウェイを使いたかったのですが、ビブラムのリッジウェイパターンでお願いしました。
リッジウェイは厚さ20mmのブロックヒールしかなく、積み上げを全て外す必要があるとのことで断念しました。
オリジナルに比べて、パターンがやや直線的で味気ない感じがしますが違和感のない仕上がりです。



ところで、ゴルフに採用されているオリジナルのソールはリッジウェイなのでしょうか?
パターンは似ていますが、さりげなくウェストンのWが隠されていたりと、リッジウェイソールそのものではありません。
ハルボロラバー社がウェストンに専用に製作しているのでしょうか



閑話休題。
スエードケアの結果はと言いますと、下写真の通りです。



若干名残はありますが、さすがプロと言わざるを得ない出来栄えです。
これで税抜き500円なのですから、最初からお願いしておけば良かったですね。

最後に全体がわかる写真も一枚。
シューレースも替えてもらい、どこに履いて行っても恥ずかしくない一足に戻りました。



ところで、ゴルフとスエードって相性が良いと思いませんか?
丸みの強いモカ抜いが施されたぽっこりトゥと柔らかな毛並みのスエードの組み合わせは、温かみがあって見ていてなんだか和みます。
冬場の足元には欠かせない一足で、娘とのお散歩靴として大活躍してくれています。

これからは日頃のケアをしっかりと行ない労ってやりたいと思った次第です。