出版は持参金が9割(笑)
商業出版というのは、出版社が原価を出し、本を売ってその原価を回収し、損益分岐点を越えたらそこからは利益となります。
つまり、皆さんの企画に問われているのは、本当に原価を回収し、利益を生むことができるのかってことです。
これって、起業と一緒です。
もし、あなたが「今度、会社作るから出資してよ」と言われたとして、「えぇ〜、会社潰れたら出資したお金どうなるの?」と聞き返して、「いや、資本金だし、有限責任でもあるし、潰れたら戻ってこないよね」って言われて、あなたは出資しますか?
私なら、「自信があるから大丈夫! でも、万が一、潰れたとしても、働いて返すから安心して」って言い返す人に出資したいです。
これを出版に置き換えるとどうでしょう?
出版社の編集者は、あなたが出版したいテーマの専門家ではありません。
なので、その企画の価値は何となくしか分からないし、類書の売れ行きとかで予測するぐらいしかできないわけです。
そして、「この企画、本当に売れるの?」と聞かれた時に何と答えますか?
「さぁ〜、どうでしょう。商業出版ですから、売れなかった場合はそちらで…」と言う人の企画と「絶対売れます!売れなかったら損益分岐点までは私が買い取ってもいいですよ。だって自信ありますもん」という人の企画、どっちが採用されるでしょう。
これは、お金を出せと言っているわけではありません。
自分で立てた企画なわけですし、人のお金で本にするわけですから、それぐらいの覚悟をもって提案して欲しいということです。
じゃあ、それだけの覚悟をもって提案するなら、どんな企画を立てますか?っていう内容を書いたのが、この本なんですね。
ここに書いたようなことを書いたつもりなのですが、読み手はいろいろいるものです。
自分の本に対し、「最低3000部は売ってみせます」と言えるかどうか、という記述が出てきます。
挙句の果てには「最低400部担保の買い取り」なら本が出せるような書き方も。
この本のタイトルは『出版は企画が9割』でしょうが。金を積まなければ本を出せない仕組みなら、こんな大風呂敷広げずに、「出版は持参金が9割」にしたほうがいい。
なるほど。
こういう風に読み取る人がいるんですね。
勉強になります。
出資とかの話だと当たり前に理解できる話しが、出版だと理解できなくなるというのは、よくある話しです。
でも、出版もビジネスですからね。
普通のビジネスと同じ考え方をすればいいということを伝えたいだけなのですが…。