いつから放置してるんだかもう記憶にない、ブログ開設3日目に仕掛けた罠への自爆ドボン作。読み直すだけでは書けない気がしてきたので、修正しながら1話から順にアップしていきます。
素敵な獲物さん作でなくて、ほんと申し訳ないです。(´・ω・`)
魔人の駄作なんて、興味ないし!という99パーの方はバックプリーズ。
暇つぶしのために読んでやるぜ!という勇者さんのみ読んでくださいね。(;´▽`A``
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逃げる彼女をつかまえろ!<1><2><3><4><5><6><7><8>
逃げる彼女をつかまえろ!第9話<実録 社は見た!ツッコミ編>
蓮の奴、またアレを観る気か。
毎日毎日、ちょっと観過ぎだと思うけど?
まぁ……それでキョーコちゃん不足を補えているならいいけどな。
刺激されて益々餓えが増してるように見えるのは……気のせいだと……思いたい。
(ほんとに!)
撮影中に休憩が入ると必ずと言っていいほどの率で控え室に戻り、キョーコの隠し撮り映像を眺める社の担当俳優、敦賀蓮。
今もたった10分の休憩時間に控え室でそれを観ようとしている。
(ん?なんだ、そのデカいノートパソコンは!!昨日まではコンパクトなポータブルプレーヤーだっただろ!?)
最低限必要なものしか持ち歩かない蓮が数日前から愛用している、大きな鞄。持ち歩きたいものが増えただけで余計なものは入っていないらしいが、小振りだった鞄が、数日毎に大きくなっていくのは不気味としか言い様がない。
現在愛用中なのは二泊三日の旅行に耐え得るサイズのそれ。業界の人間は大体において荷物が多いから、端からみれば不自然でもなんでもない大きさではあるが……。
(中身は大いに問題なんだけどな)
本日初の……いや、仕事場では第一回目のキョーコ補給タイム。そこから取り出されたものは、社の予想していたものとは違うものだった。そして、それはどう見ても持ち歩き用のサイズではなかった。
「蓮、そのノートどうした?」
「ああ、ポータブルDVDプレーヤーは画面が小さいから、ノートパソコンで観ようと思って。で、家にあるのより大きいのが欲しくて注文していたのが、今朝やっと届いたんですよ」
(わざわざ買ったのか!)
「へ、へぇ。で、でも……それちょっと……持ち歩くには、デカすぎないか?」
「最近のは軽いから大丈夫です。車でしか移動しませんしね。それに、これだと、顔のサイズがちょうどいいんですよ!!」
電源を入れると最新パソコンだけあって、あっと言う間に立ち上がり、その大きな画面にキョーコの映像を映し始めた。
「ほら、ね?」
(何が、ほら、ね?だ!!)
ドヤ顔の蓮に促され、画面を確認する。
「確かに……リアルサイズに近い大きさだな……キョーコちゃんの顔が……」
(でも、そこにリアリティを求めないでくれ!)
画面を観ながらどんどん崩れていく担当俳優の顔と脳味噌に不安を感じ、一応話しかけてみる。
「おーい、れんく~ん?顔が崩壊してるぞー!」
しかし、社の存在など忘れて、リアルサイズのキョーコをウットリと見つめる蓮にはもうその声は聞こえない。
(キョーコちゃんが琴南さんに抱きついたときの映像は、このサイズだと……自分に……抱きついてもらってるみたいに……見えないこともない、な。うん)
だが、しかし。
「蓮く~ん、デレデレしすぎだから」
「……」
「それ、映像だけだぞ?」
「……」
(わかってるのか?この妄想男!)
「リアルサイズでも本物じゃないし、抱きついたのはお前じゃなくて、琴南さんにだぞ?」
「……今いいところなんだから、邪魔しないでください」
やっと声が届いたが、まだ妄想世界から戻る気はないらしい。
キョーコが親友である琴南奏江に抱きついたときの映像は、角度といいその表情といい、男心を掴むには最高のものではあった。
しかし。
毎日毎日飽きもせずに映像に向かって破顔している蓮を見てると、マネージャーとしてはイロイロ不安になってくるし、ちょっと怖かったりする。
(そもそも、これは盗撮だから!)
(芸能界人気No.1俳優の蓮が見ちゃいけないものだから!)
実行犯じゃないことだけは救いだが、琴南奏江が引き受けてくれなかったら、自分で撮っちゃいそうなとこが怖い。
「ねぇ、社さん。最上さんはどんなとこに住んでるんでしょうねぇ。琴南さんは遊びに行けていいですね」
リアルサイズキョーコを満喫したらしい蓮は、パソコンを仕舞い、代わりに今朝購入した雑誌を取り出した。……表紙のキョーコを愛でる気らしい。
「お前、その発想はこの前キョーコちゃんが怯えていたファンと同じだぞ。それと、また琴南さんにカメラ渡して撮ってきてもらおうなんて考えるなよ」
「俺をあいつらと一緒にしないでください。それにどうして駄目なんですか?着替えるとこを撮ってきてもらうわけじゃないのに。親友が撮るなら問題ないでしょ?」
「想像だけならいいけど、実際に映像をほしがるなら同じだ!そして、親友が撮ろうと、本人に許可なく撮れば、それは盗撮だ!頭冷やせ、馬鹿!」
「馬鹿って……」
「馬鹿だろ?」
「……最上さんは、ずっとその寮に住む気なんでしょうか?」
「そうだな。やっぱり安心感があるんじゃないか?同世代の、それも強い女子達と一緒に暮らすっていうのは」
「女性に守ってもらわなくても、俺が守るのに……」
「それはキッチリ告白してから言え!」
(っていうか、お兄ちゃんから見て、今のお前は危険人物だぞ!)
「俺があのレディースマンションへの引っ越し案をつぶさなければ良かったんでしょうか」
「そうだな。あそこは安全でよかったと思うよ。セキュリティーは業界のお墨付きだし、男を近づけたくない女性アイドル用だからり男性の入室は絶対禁止だったし」
「……」
「でもお前、仕事以外の外泊も禁止ってんで反対しまくったんだよな」
(ゴネまくりやがったもんな)
「だって、あそこに越されたら、もう最上さんは俺のマンションには泊まれなくなるんですよ?」
「だからそれも、キッチリ告白してから言え!」
(マジで!!)
「しばらく様子見で、臨時マネージャーをつけるっていうのを断ったのも悪かったんでしょうか」
(悪かったに決まってるだろぉがーー!)
ちゃぶ台があったら、ひっくり返していたかもしれないが、危険思考の男の前では、冷静に振る舞わねばならない。
(落ち着け、俺!)
「お前には無理だよな。男がキョーコちゃんと一緒に行動するのを認めるなんてことは。でも、マネージャーがいたら何かと安心だぞ、女の子だし」
1ヶ月半ほど前に、一人でタクシーに乗って帰宅しようとしたキョーコは、偶然ではあるが、自分の熱心なファンである運転手に当たってしまった。
興奮した運転手から行き過ぎた反応を示され、身の危険を感じたそうだが、そのときには会社に用事がある振りをすることで、上手く逃げることができた。
が、その後に何故かファンの間で、キョーコにはマネージャーがついていないことや、いつでも一人で移動しているらしいという噂が広まってしまった。
どこからバレたのかは不明だが、簡単に接触できると思われだしたのは危険なことで、会社からはいろいろな対応策が提案されていた。
その提案は蓮により、キョーコに聞かせる前に……全部握りつぶされてしまったが。
(何かあってからじゃ遅いっていうのに、こいつは!)
キョーコは自分が守る!という意気込みだけは人一倍だが、告白すらできないヘタレの行動は、空回りなんて可愛いものではなく、暴走であった。
(ま、キョーコちゃんが自分で安全策をとってくれてよかったよ)
社長のバックアップを受け、安全な住居と、ついでに頼りになるボディーガード達も確保。最早、蓮の継続出来る筈もない送り迎えも不要になったと言える。
「契約タクシーでの送迎……あれを認めればよかったんでしょうか」
「身元が確かな運転手でも、男との密室移動は許せないんだろ?」
「当たり前です!」
「お前……認める気なんかないじゃないか……」
(48時間不眠不休で働いたときよりも疲れた気がするぅーー!)
「護身術なんか習わなくも俺が守ってあげるのに。俺のマンションに住んでくれれば……」
「だからそれは、キッチリ告白してみせてから言えってば!」
あの最高に安全なマンションにいるときには蓮の守りなど不要。
蓮が守る気満々でも、外では仕事で別行動。
告白に成功し、役者をやめてキョーコのマネージャーにでもなれば、守れるかもしれないが、それは出来ない相談。
なので、この会話からは何も生まれない。
キョーコの映像を観たあとの蓮と必ず交わされる不毛な会話というか、愚痴。
それを毎日どころか、一日数回は聞かされる社。
(もう嫌だーー!胃が痛いよぉ!キョーコちゃん、お願い、なんとかしてぇ!)
<10>に続く
突然メモ情報をいれてみたりw
作文などでは入れる会話文の最後に入れる「。」という句点。
これは入れても入れなくてもどちらでもいい様ですが、現代小説のほとんどは、会話文の最後につける句点は省略しています。ということで、魔人は入れない派です。
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逃げる彼女をつかまえろ!<1><2><3><4><5><6><7><8>
逃げる彼女をつかまえろ!第9話<実録 社は見た!ツッコミ編>
蓮の奴、またアレを観る気か。
毎日毎日、ちょっと観過ぎだと思うけど?
まぁ……それでキョーコちゃん不足を補えているならいいけどな。
刺激されて益々餓えが増してるように見えるのは……気のせいだと……思いたい。
(ほんとに!)
撮影中に休憩が入ると必ずと言っていいほどの率で控え室に戻り、キョーコの隠し撮り映像を眺める社の担当俳優、敦賀蓮。
今もたった10分の休憩時間に控え室でそれを観ようとしている。
(ん?なんだ、そのデカいノートパソコンは!!昨日まではコンパクトなポータブルプレーヤーだっただろ!?)
最低限必要なものしか持ち歩かない蓮が数日前から愛用している、大きな鞄。持ち歩きたいものが増えただけで余計なものは入っていないらしいが、小振りだった鞄が、数日毎に大きくなっていくのは不気味としか言い様がない。
現在愛用中なのは二泊三日の旅行に耐え得るサイズのそれ。業界の人間は大体において荷物が多いから、端からみれば不自然でもなんでもない大きさではあるが……。
(中身は大いに問題なんだけどな)
本日初の……いや、仕事場では第一回目のキョーコ補給タイム。そこから取り出されたものは、社の予想していたものとは違うものだった。そして、それはどう見ても持ち歩き用のサイズではなかった。
「蓮、そのノートどうした?」
「ああ、ポータブルDVDプレーヤーは画面が小さいから、ノートパソコンで観ようと思って。で、家にあるのより大きいのが欲しくて注文していたのが、今朝やっと届いたんですよ」
(わざわざ買ったのか!)
「へ、へぇ。で、でも……それちょっと……持ち歩くには、デカすぎないか?」
「最近のは軽いから大丈夫です。車でしか移動しませんしね。それに、これだと、顔のサイズがちょうどいいんですよ!!」
電源を入れると最新パソコンだけあって、あっと言う間に立ち上がり、その大きな画面にキョーコの映像を映し始めた。
「ほら、ね?」
(何が、ほら、ね?だ!!)
ドヤ顔の蓮に促され、画面を確認する。
「確かに……リアルサイズに近い大きさだな……キョーコちゃんの顔が……」
(でも、そこにリアリティを求めないでくれ!)
画面を観ながらどんどん崩れていく担当俳優の顔と脳味噌に不安を感じ、一応話しかけてみる。
「おーい、れんく~ん?顔が崩壊してるぞー!」
しかし、社の存在など忘れて、リアルサイズのキョーコをウットリと見つめる蓮にはもうその声は聞こえない。
(キョーコちゃんが琴南さんに抱きついたときの映像は、このサイズだと……自分に……抱きついてもらってるみたいに……見えないこともない、な。うん)
だが、しかし。
「蓮く~ん、デレデレしすぎだから」
「……」
「それ、映像だけだぞ?」
「……」
(わかってるのか?この妄想男!)
「リアルサイズでも本物じゃないし、抱きついたのはお前じゃなくて、琴南さんにだぞ?」
「……今いいところなんだから、邪魔しないでください」
やっと声が届いたが、まだ妄想世界から戻る気はないらしい。
キョーコが親友である琴南奏江に抱きついたときの映像は、角度といいその表情といい、男心を掴むには最高のものではあった。
しかし。
毎日毎日飽きもせずに映像に向かって破顔している蓮を見てると、マネージャーとしてはイロイロ不安になってくるし、ちょっと怖かったりする。
(そもそも、これは盗撮だから!)
(芸能界人気No.1俳優の蓮が見ちゃいけないものだから!)
実行犯じゃないことだけは救いだが、琴南奏江が引き受けてくれなかったら、自分で撮っちゃいそうなとこが怖い。
「ねぇ、社さん。最上さんはどんなとこに住んでるんでしょうねぇ。琴南さんは遊びに行けていいですね」
リアルサイズキョーコを満喫したらしい蓮は、パソコンを仕舞い、代わりに今朝購入した雑誌を取り出した。……表紙のキョーコを愛でる気らしい。
「お前、その発想はこの前キョーコちゃんが怯えていたファンと同じだぞ。それと、また琴南さんにカメラ渡して撮ってきてもらおうなんて考えるなよ」
「俺をあいつらと一緒にしないでください。それにどうして駄目なんですか?着替えるとこを撮ってきてもらうわけじゃないのに。親友が撮るなら問題ないでしょ?」
「想像だけならいいけど、実際に映像をほしがるなら同じだ!そして、親友が撮ろうと、本人に許可なく撮れば、それは盗撮だ!頭冷やせ、馬鹿!」
「馬鹿って……」
「馬鹿だろ?」
「……最上さんは、ずっとその寮に住む気なんでしょうか?」
「そうだな。やっぱり安心感があるんじゃないか?同世代の、それも強い女子達と一緒に暮らすっていうのは」
「女性に守ってもらわなくても、俺が守るのに……」
「それはキッチリ告白してから言え!」
(っていうか、お兄ちゃんから見て、今のお前は危険人物だぞ!)
「俺があのレディースマンションへの引っ越し案をつぶさなければ良かったんでしょうか」
「そうだな。あそこは安全でよかったと思うよ。セキュリティーは業界のお墨付きだし、男を近づけたくない女性アイドル用だからり男性の入室は絶対禁止だったし」
「……」
「でもお前、仕事以外の外泊も禁止ってんで反対しまくったんだよな」
(ゴネまくりやがったもんな)
「だって、あそこに越されたら、もう最上さんは俺のマンションには泊まれなくなるんですよ?」
「だからそれも、キッチリ告白してから言え!」
(マジで!!)
「しばらく様子見で、臨時マネージャーをつけるっていうのを断ったのも悪かったんでしょうか」
(悪かったに決まってるだろぉがーー!)
ちゃぶ台があったら、ひっくり返していたかもしれないが、危険思考の男の前では、冷静に振る舞わねばならない。
(落ち着け、俺!)
「お前には無理だよな。男がキョーコちゃんと一緒に行動するのを認めるなんてことは。でも、マネージャーがいたら何かと安心だぞ、女の子だし」
1ヶ月半ほど前に、一人でタクシーに乗って帰宅しようとしたキョーコは、偶然ではあるが、自分の熱心なファンである運転手に当たってしまった。
興奮した運転手から行き過ぎた反応を示され、身の危険を感じたそうだが、そのときには会社に用事がある振りをすることで、上手く逃げることができた。
が、その後に何故かファンの間で、キョーコにはマネージャーがついていないことや、いつでも一人で移動しているらしいという噂が広まってしまった。
どこからバレたのかは不明だが、簡単に接触できると思われだしたのは危険なことで、会社からはいろいろな対応策が提案されていた。
その提案は蓮により、キョーコに聞かせる前に……全部握りつぶされてしまったが。
(何かあってからじゃ遅いっていうのに、こいつは!)
キョーコは自分が守る!という意気込みだけは人一倍だが、告白すらできないヘタレの行動は、空回りなんて可愛いものではなく、暴走であった。
(ま、キョーコちゃんが自分で安全策をとってくれてよかったよ)
社長のバックアップを受け、安全な住居と、ついでに頼りになるボディーガード達も確保。最早、蓮の継続出来る筈もない送り迎えも不要になったと言える。
「契約タクシーでの送迎……あれを認めればよかったんでしょうか」
「身元が確かな運転手でも、男との密室移動は許せないんだろ?」
「当たり前です!」
「お前……認める気なんかないじゃないか……」
(48時間不眠不休で働いたときよりも疲れた気がするぅーー!)
「護身術なんか習わなくも俺が守ってあげるのに。俺のマンションに住んでくれれば……」
「だからそれは、キッチリ告白してみせてから言えってば!」
あの最高に安全なマンションにいるときには蓮の守りなど不要。
蓮が守る気満々でも、外では仕事で別行動。
告白に成功し、役者をやめてキョーコのマネージャーにでもなれば、守れるかもしれないが、それは出来ない相談。
なので、この会話からは何も生まれない。
キョーコの映像を観たあとの蓮と必ず交わされる不毛な会話というか、愚痴。
それを毎日どころか、一日数回は聞かされる社。
(もう嫌だーー!胃が痛いよぉ!キョーコちゃん、お願い、なんとかしてぇ!)
<10>に続く
突然メモ情報をいれてみたりw
作文などでは入れる会話文の最後に入れる「。」という句点。
これは入れても入れなくてもどちらでもいい様ですが、現代小説のほとんどは、会話文の最後につける句点は省略しています。ということで、魔人は入れない派です。
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