「あなただけに意地悪ー元ラブミー部員達からの鉄槌3ー」
「おかえりなさいませ、旦那様。先ほど琴南様からご連絡が入りました。明日から例の作戦を実行に移したいとのことです」
ローリーが出先から戻ると、執事のセバスチャンから会社の決済書の類いと共に気の重いニュースがもたらされた。琴南奏江を含む元ラブミー部員による敦賀蓮への作戦の決行宣言が。
「つーことは、蓮の馬鹿野郎にはまったく反省の色がみられなかったってことか？」
「私も確認いたしましたが、本日は社様からの態度を改め反省しろとのお言葉に（蓮マネ）『俺のどこが悪かったのか、さっぱりわからないのに？』と答えられてました」
無表情のまま、敦賀蓮の声音を再現した優秀な執事はどこから取り出したのか、ローリーに1枚の書類を差し出しながら報告を続けた。
「これがその部分の会話を抜き出して記録したものですが、この9日間の録音記録内容も似たようなものでございました」
手渡された録音記録内容に目を走らせたローリーの眉間に皺ができる。
「あ？最上くんが家出してから10日も経つのに、原因の理解も反省も、態度を改める気もなしだと？で、連れ戻したら、離さねぇって、あの馬鹿は最上君をどこかに閉じ込める気か？まったく！」
「ああ、嫌だ嫌だ！愛という素晴らしい感情をこんな風にしか表現できんとは、情けないにもほどがあるぞ。少しは反省の色でもみせていれば、多少はお仕置きの度合いも緩んだろうに。10日目ですらこれじゃ話にもならん！」
「それでは？」
ローリーは盛大にため息をつきながら、セバスチャンに応じた。
「ああ。仕方ねぇ、元ラブミー部から応援要請にはすべて応えてかまわん。この際、彼女らに蓮の奴の歪んだ愛情を徹底的に叩き直してもらおう」
9日前から手元にある100ページはあると思われる分厚い報告書兼被害届を叩きながら、ローリーは作戦への協力を了解したのだった。
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最上キョーコが恋人敦賀蓮と同棲中のマンションから家出した日。家出の駆け込み先である親友琴南奏江と、奏江に招集された同じ元ラブミー部仲間である雨宮千織は、キョーコの家出理由を聞いて大激怒した。
我慢強い筈のキョーコが家出してしまう程に酷い敦賀蓮のその暴走っぷりに、友として、同じ女優として切れまくった。
「「キョーコ（さん）になんてことしてくれやがったのよ！」」
「「「ぜぇっ～たいに、許さないんだから！！」」」
そうして怒りに駆られた彼女らにより、その怒りのボルテージの割に冷静に、綿密に、敦賀蓮へのお仕置きと復讐の為のプランが練られていった。
主に琴南奏江と雨宮千織によって。
人が良すぎるキョーコの怒りのボルテージを下げないための方策も含めて。
映画撮影を終え、しばらくスケジュールに余裕がある雨宮千織も当分の間奏江宅に泊まることを決め、その部屋は「敦賀蓮により大きなダメージを与えるための大作戦本部」と化し、敦賀蓮以外の男が聞いても恐ろしくて眠れなくなるような･･･････男心など全否定の真っ黒な内容の話し合いが毎夜繰り返されたのだった。
続く
「おかえりなさいませ、旦那様。先ほど琴南様からご連絡が入りました。明日から例の作戦を実行に移したいとのことです」
ローリーが出先から戻ると、執事のセバスチャンから会社の決済書の類いと共に気の重いニュースがもたらされた。琴南奏江を含む元ラブミー部員による敦賀蓮への作戦の決行宣言が。
「つーことは、蓮の馬鹿野郎にはまったく反省の色がみられなかったってことか？」
「私も確認いたしましたが、本日は社様からの態度を改め反省しろとのお言葉に（蓮マネ）『俺のどこが悪かったのか、さっぱりわからないのに？』と答えられてました」
無表情のまま、敦賀蓮の声音を再現した優秀な執事はどこから取り出したのか、ローリーに1枚の書類を差し出しながら報告を続けた。
「これがその部分の会話を抜き出して記録したものですが、この9日間の録音記録内容も似たようなものでございました」
手渡された録音記録内容に目を走らせたローリーの眉間に皺ができる。
「あ？最上くんが家出してから10日も経つのに、原因の理解も反省も、態度を改める気もなしだと？で、連れ戻したら、離さねぇって、あの馬鹿は最上君をどこかに閉じ込める気か？まったく！」
「ああ、嫌だ嫌だ！愛という素晴らしい感情をこんな風にしか表現できんとは、情けないにもほどがあるぞ。少しは反省の色でもみせていれば、多少はお仕置きの度合いも緩んだろうに。10日目ですらこれじゃ話にもならん！」
「それでは？」
ローリーは盛大にため息をつきながら、セバスチャンに応じた。
「ああ。仕方ねぇ、元ラブミー部から応援要請にはすべて応えてかまわん。この際、彼女らに蓮の奴の歪んだ愛情を徹底的に叩き直してもらおう」
9日前から手元にある100ページはあると思われる分厚い報告書兼被害届を叩きながら、ローリーは作戦への協力を了解したのだった。
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最上キョーコが恋人敦賀蓮と同棲中のマンションから家出した日。家出の駆け込み先である親友琴南奏江と、奏江に招集された同じ元ラブミー部仲間である雨宮千織は、キョーコの家出理由を聞いて大激怒した。
我慢強い筈のキョーコが家出してしまう程に酷い敦賀蓮のその暴走っぷりに、友として、同じ女優として切れまくった。
「「キョーコ（さん）になんてことしてくれやがったのよ！」」
「「「ぜぇっ～たいに、許さないんだから！！」」」
そうして怒りに駆られた彼女らにより、その怒りのボルテージの割に冷静に、綿密に、敦賀蓮へのお仕置きと復讐の為のプランが練られていった。
主に琴南奏江と雨宮千織によって。
人が良すぎるキョーコの怒りのボルテージを下げないための方策も含めて。
映画撮影を終え、しばらくスケジュールに余裕がある雨宮千織も当分の間奏江宅に泊まることを決め、その部屋は「敦賀蓮により大きなダメージを与えるための大作戦本部」と化し、敦賀蓮以外の男が聞いても恐ろしくて眠れなくなるような･･･････男心など全否定の真っ黒な内容の話し合いが毎夜繰り返されたのだった。
続く