「あなただけに意地悪ー元ラブミー部員達からの鉄槌7ー」



琴南奏江と天宮千織の作戦により、敦賀蓮に向って、他の人には危険物としか思えない、彼にとってだけ「愛の特製ドリンク」というアメを撒き終えた夜のこと。

ロケ先から帰宅したキョーコは2人から熱烈な勧誘を受けていた。



「これを3人で共同購入したいと思うんだけど、キョーコは反対?」
「キョーコともっと一緒にいたいし・・・・・ここで一緒に女優として磨き合えたら嬉しいんだけど」

親友琴南奏江の(狙いまくった)可愛らしいおねだりにキョーコが逆らえる筈もないことは明白。なので、勧誘というカタチは取られてはいたが、すでに前金は払い済みであり、購入は決定していたのだが。

そんなことは知らない最上キョーコは元ラブミー部員仲間の思惑に見事に嵌りまくっていた。

琴南奏江と天宮千織が今回の作戦の為だけでなく、キョーコと自分達の将来をも考えて提案したものを。とってもお高いその提案品を、キョーコとしては珍しく、即決で購入に賛同していたというか、させられていた。


「キョーコにアレ見せて夢中にさせるわよ!ま、現実になれば私達にもメリットがあるしね」
「ふふ。楽しみです。絶対に夢中にさせてみせます!」

という午前中の決意をしっかり行動に移した2人のチームワークは完璧で。
自らの好みにドンピシャな内装と、将来の不安を払拭させる購入への理由付けに食いつきまくっていたところに、奏江からの甘い囁き。女友達からの甘い言葉に弱いキョーコは、彼女らの本気の誘惑にあっけなく陥落。




最上キョーコ的には「元ラブミー部員3人の素敵すぎる愛のお城」が。

天宮千織的には「女優としての京子さんを守れて、自分にもメリットがある一石二鳥な物件」が。

琴南奏江的には「キョーコがいつでも逃げ込める場所を、帰れる場所を用意できる上に、自分が万が一結婚などをしてしまったときに理想の女優を目指し続ける為に必要な場所」が、購入の運びとなった。



購入手続きは千織の事務所と奏江の姉に任せ、ローリーにも敦賀蓮にもコトを悟らせないまま、「元ラブミー部により愛のムチ作戦」に隠された裏作戦「元ラブミー部による愛と戦う為の拠点確保」が無事遂行されたのだった。



最上キョーコがあっさり落とされた夜。その友情という蜜にウットリと溺れていたキョーコは策士2人から翌日のミッションも受け取っていた、いつのまにか、極自然に。何の恐れもなく。




続く



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