いつから放置してるんだかもう記憶にない、ブログ開設3日目に仕掛けた罠への自爆ドボン作。読み直すだけでは書けない気がしてきたので、修正しながら1話から順にアップしていきます。
素敵な獲物さん作でなくて、ほんと申し訳ないです。(´・ω・`)
魔人の駄作なんて、興味ないし!という99パーの方はバックプリーズ。
暇つぶしのために読んでやるぜ!という勇者さんのみ読んでくださいね。(;´▽`A``
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逃げる彼女をつかまえろ!<1><2><3><4><5><6><7><8><9><10><11><12>
逃げる彼女をつかまえろ!第13話
(蓮はまだみたいだな。まぁ、階段だし、久し振りにキョーコちゃんと話せてるんだから、急いで上ってくる筈ないか)
目的のフロアに一足先に到着した社は、エレベーターホールで蓮を待っていた。すると、蓮と一緒に階段で上がってくるものだと思っていたキョーコが、番組スタッフと並んで歩いてくる姿が目に入った。
「あれ……?キョーコちゃん、おはよー!」
「社さん!おはようございます」
久々に会ったキョーコから、相変わらずの奇麗な挨拶を、可愛らしい笑顔付きで受けた社は、自身の担当俳優に睨まれそうなテレ笑いを浮かべかけ、慌てて顔を引き締めた。
(蓮が居なくてヨカッタ!じゃなかった、居ないと駄目だろう!蓮はどうしたんだ?)
不思議なことに、キョーコの横に並んでいる筈の彼の待ち人の姿がない。
「ねぇ、キョーコちゃん、蓮に会わなかった?」
「いいえ?敦賀さん、どうかされたんですか?そういえばお姿が見えませんけど」
通常の移動では蓮の横には社あり。なのに、目の前の社の横にはその先輩の姿が見えない。キョーコは不思議そうに社に問う。
「さっき、1階のロビーで別れたんだ……キョーコちゃんを見つけて、追いかけて行ったみたいだったんだけど……あれ?」
「1階なら、私もさっき一度降りて、そこの非常階段で上がってきましたけど?」
「うん、蓮もその階段の方に向ってたよ。おかしいね……」
そこでキョーコは先程から一緒に歩いてきていたスタッフに即され、これから顔合わせと読み合わせをする少し広めの会議室に入っていった。
社はその場に残り、念のため、蓮の携帯に電話を入れてみることにしたのだが、その為の手袋をポケットから出した瞬間、それは必要がなくなった。(←クラッシャー社氏が携帯電話を壊さずに使用するには、手袋が必要なのです)
目の前のエレベーターから到着音が鳴り響き、扉が開く。
そこには、彼の待ち人である担当俳優敦賀蓮の姿があった。アイドルグループの女の子3人にベッタリ張り付かれた状態の。
「蓮!」
「……社さん、お待たせしました」
社の一睨みで、名残惜しそうにしながらも、アイドル達は蓮から離れた。
「それじゃあ、敦賀さん、またお会いしましょうねぇ~!」
「・……ああ、また……ね」
下で別れたときには元気だったのに、たった数分でその顔色を蒼白にさせて上ってきた蓮の様子に社は驚いた。
女の子たちに振る舞ったお得意の爽やかスマイルも精彩にかけ、3人は少し不思議そうな顔をしながら去っていった。
「さっき、キョーコちゃんに会ったぞ?お前、追いかけたんじゃなかったのか?」
「……最上さんは?」
「ああ、一緒にいたスタッフに急かされて、もう部屋に入ってるよ」
「そうですか……」
「おまえ、大丈夫か?体調が悪いのなら言えよ?」
「だい……丈夫……です」
(うん、大丈夫じゃないのはわかったよ)
「そうか。それじゃあ、俺たちも中に入ろう。キョーコちゃんの顔みたら、元気になるだろ」
社がそう告げると、蓮の身体がビクッと震えた。
目に怯えのようなものまで浮かべた蓮の様子に、ある意味彼は安心した。
(蓮くんは、また勝手にヘタレて、勝手に落ち込んでるわけ?ふぅーー、世話が焼けるよ、まったく)
「行くぞ!」
内心溜め息をつきながら、少し強めに声をかけ、蓮の背中を押す様にして、関係者の待つ会議室に入る。
入り口で挨拶をして、部屋の中を見回すと、扉から一番遠いとこにある窓際で、監督とスタッフらしき男と3人で話し込んでいるキョーコの姿が見えた。
監督に挨拶するついでに、蓮を連れ、キョーコの側に行こうとしたところで、別のスタッフに呼び止められた社は、指定の席に座る様にと言われてしまう。
四角く並べられた会議テーブル沿いに、役者用の椅子が並べられ、その後ろにマネージャーやスタッフの席はあった。
席についた蓮は俯きがちで、その姿は仕事モードにはほど遠い様に見えた。
自分の前の席に座る担当俳優の様子に少しばかり危機感を持った社は、救い手に念を送る。
(キョーコちゃん……少しでいいから蓮の相手をしてあげてーー!)
念と共に縋るような視線も向ける。
それが通じたのか、監督達との話が終わったらしいキョーコが社の視線に気付き、軽く微笑んでくれた。
(いや、俺じゃなく、その微笑みを蓮に!!っていうか、キョーコちゃん、ちょっとでいいから、こっちに来てあげてーー!)
監督は用意された席についたが、キョーコはなぜか、男性スタッフと一緒に、入り口の方に向かっていった。キョーコと挨拶らしきものを交わしたあと、そのスタッフはどこかに行ってしまったが、キョーコはその場に残っていた。
(ん?キョーコちゃん、あの彼を見送ってたの?どうして?)
不思議に思う社の前を、今度は監督に呼び戻されたキョーコが通り過ぎる。
いや、通りすぎようとしたのだが……
ぐんっ!
「きゃっ!」
蓮と社の間を軽く頭を下げながら急ぎ足で通り抜けようとしたキョーコは、背後から上着の裾を強く掴まれ、少しよろけた。
「蓮!!おまえ何してるんだ!」
<14>に続く
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目的のフロアに一足先に到着した社は、エレベーターホールで蓮を待っていた。すると、蓮と一緒に階段で上がってくるものだと思っていたキョーコが、番組スタッフと並んで歩いてくる姿が目に入った。
「あれ……?キョーコちゃん、おはよー!」
「社さん!おはようございます」
久々に会ったキョーコから、相変わらずの奇麗な挨拶を、可愛らしい笑顔付きで受けた社は、自身の担当俳優に睨まれそうなテレ笑いを浮かべかけ、慌てて顔を引き締めた。
(蓮が居なくてヨカッタ!じゃなかった、居ないと駄目だろう!蓮はどうしたんだ?)
不思議なことに、キョーコの横に並んでいる筈の彼の待ち人の姿がない。
「ねぇ、キョーコちゃん、蓮に会わなかった?」
「いいえ?敦賀さん、どうかされたんですか?そういえばお姿が見えませんけど」
通常の移動では蓮の横には社あり。なのに、目の前の社の横にはその先輩の姿が見えない。キョーコは不思議そうに社に問う。
「さっき、1階のロビーで別れたんだ……キョーコちゃんを見つけて、追いかけて行ったみたいだったんだけど……あれ?」
「1階なら、私もさっき一度降りて、そこの非常階段で上がってきましたけど?」
「うん、蓮もその階段の方に向ってたよ。おかしいね……」
そこでキョーコは先程から一緒に歩いてきていたスタッフに即され、これから顔合わせと読み合わせをする少し広めの会議室に入っていった。
社はその場に残り、念のため、蓮の携帯に電話を入れてみることにしたのだが、その為の手袋をポケットから出した瞬間、それは必要がなくなった。(←クラッシャー社氏が携帯電話を壊さずに使用するには、手袋が必要なのです)
目の前のエレベーターから到着音が鳴り響き、扉が開く。
そこには、彼の待ち人である担当俳優敦賀蓮の姿があった。アイドルグループの女の子3人にベッタリ張り付かれた状態の。
「蓮!」
「……社さん、お待たせしました」
社の一睨みで、名残惜しそうにしながらも、アイドル達は蓮から離れた。
「それじゃあ、敦賀さん、またお会いしましょうねぇ~!」
「・……ああ、また……ね」
下で別れたときには元気だったのに、たった数分でその顔色を蒼白にさせて上ってきた蓮の様子に社は驚いた。
女の子たちに振る舞ったお得意の爽やかスマイルも精彩にかけ、3人は少し不思議そうな顔をしながら去っていった。
「さっき、キョーコちゃんに会ったぞ?お前、追いかけたんじゃなかったのか?」
「……最上さんは?」
「ああ、一緒にいたスタッフに急かされて、もう部屋に入ってるよ」
「そうですか……」
「おまえ、大丈夫か?体調が悪いのなら言えよ?」
「だい……丈夫……です」
(うん、大丈夫じゃないのはわかったよ)
「そうか。それじゃあ、俺たちも中に入ろう。キョーコちゃんの顔みたら、元気になるだろ」
社がそう告げると、蓮の身体がビクッと震えた。
目に怯えのようなものまで浮かべた蓮の様子に、ある意味彼は安心した。
(蓮くんは、また勝手にヘタレて、勝手に落ち込んでるわけ?ふぅーー、世話が焼けるよ、まったく)
「行くぞ!」
内心溜め息をつきながら、少し強めに声をかけ、蓮の背中を押す様にして、関係者の待つ会議室に入る。
入り口で挨拶をして、部屋の中を見回すと、扉から一番遠いとこにある窓際で、監督とスタッフらしき男と3人で話し込んでいるキョーコの姿が見えた。
監督に挨拶するついでに、蓮を連れ、キョーコの側に行こうとしたところで、別のスタッフに呼び止められた社は、指定の席に座る様にと言われてしまう。
四角く並べられた会議テーブル沿いに、役者用の椅子が並べられ、その後ろにマネージャーやスタッフの席はあった。
席についた蓮は俯きがちで、その姿は仕事モードにはほど遠い様に見えた。
自分の前の席に座る担当俳優の様子に少しばかり危機感を持った社は、救い手に念を送る。
(キョーコちゃん……少しでいいから蓮の相手をしてあげてーー!)
念と共に縋るような視線も向ける。
それが通じたのか、監督達との話が終わったらしいキョーコが社の視線に気付き、軽く微笑んでくれた。
(いや、俺じゃなく、その微笑みを蓮に!!っていうか、キョーコちゃん、ちょっとでいいから、こっちに来てあげてーー!)
監督は用意された席についたが、キョーコはなぜか、男性スタッフと一緒に、入り口の方に向かっていった。キョーコと挨拶らしきものを交わしたあと、そのスタッフはどこかに行ってしまったが、キョーコはその場に残っていた。
(ん?キョーコちゃん、あの彼を見送ってたの?どうして?)
不思議に思う社の前を、今度は監督に呼び戻されたキョーコが通り過ぎる。
いや、通りすぎようとしたのだが……
ぐんっ!
「きゃっ!」
蓮と社の間を軽く頭を下げながら急ぎ足で通り抜けようとしたキョーコは、背後から上着の裾を強く掴まれ、少しよろけた。
「蓮!!おまえ何してるんだ!」
<14>に続く
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