いつから放置してるんだかもう記憶にない、ブログ開設3日目に仕掛けた罠への自爆ドボン作。読み直すだけでは書けない気がしてきたので、修正しながら1話から順にアップしていきます。
素敵な獲物さん作でなくて、ほんと申し訳ないです。(´・ω・`)
魔人の駄作なんて、興味ないし!という99パーの方はバックプリーズ。
暇つぶしのために読んでやるぜ!という勇者さんのみ読んでくださいね。(;´▽`A``
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逃げる彼女をつかまえろ!<1><2><3><4><5><6><7><8><9><10><11><12><13><14>
逃げる彼女をつかまえろ!第15話
「敦賀さん?」
蓮と社、キョーコの3人が、緊急避難的に閉じこもった「京子」の控え室。その中に入ってからも、蓮の視線は小さな子供の様にキョーコだけを追いかけていた。
同じ部屋の中にいる社の存在など忘れたかの様に、只々、目の前のキョーコにだけに注がれている。
捨てられた仔犬、いや、捨てられそうだと怯え、縋る、仔犬の様な、情けない事この上ない状態の超絶美形の大男の姿。
社としては、この「危険物と化した敦賀蓮」が「俳優敦賀蓮」の仮面を付け終えるまでは部屋から出したくないが、とにかく今は時間がない。
このある意味シュールな敦賀蓮を先程の部屋にいた方々にお披露目せずとも済むように……マネージャーとしての手腕を発揮しなくてはならない。今すぐに。
しかし、残念なことに、実際に社に出来ることは、心の中でキョーコを応援することくらいであった。
(俺には無理~!!ごめんね、キョーコちゃん!なんとか蓮を見られる状態に戻してやってください。お願い!!)
社の熱心な応援が通じたかどうかは不明だが、避難部屋でのキョーコの仔犬カウンセリングが始まった。
「敦賀さん?」
「……さっき……」
「はい?なんですか、敦賀さん」
(お、蓮がしゃべることを思い出したぞ!)
自分の担当俳優の会話能力復活に、喜ぶマネージャー。しかし、今の蓮とキョーコにはすぐ側にいる彼の姿は見えないようである。
手に汗握る感じで、応援体勢に入っている社をチラリとも見ずに、カウンセリングは続く。
「呼んだんだ……」
「はい?」
「階段に向う君が見えたから……追いかけて……」
「はい」
「上がって行く君を呼んだ……のに……」
「え?」
「振り返っても……くれなかった……」
そういって、情けない顔のまま、キョーコを見つめる蓮。
(おいおい……訳はわかったけど、お前は子供か!?)
担当俳優の落ち込みの理由に、ずっこけそうになるマネージャー。
「ああ、イヤホンをしていたので……すみませんでした。それで聞こえなかったのかもしれません」
「……最後は……大声で呼んだ……」
「すみません、集中してたので。身体を動かしながらのほうが効率がいいので、階段を使って……暗記してたんです」
「……」
キョーコが蓮の呼び声に振り返らなかった理由はわかった。
なのに、解消しないキョーコ曰く捨てられそうな仔犬モード、マネージャー的には「危険物と化した敦賀蓮」モード。カウンセリングはまだ終われそうにない様子。
(問題は解決したじゃないか!どうしてまだその顔な訳?ああ、10分しかないのにーーー!いや、もうそんなに残ってないか。ヤバイよ、キョーコちゃん、急いでぇ!)
「敦賀さん?……ハァ~……それで、拗ねてるんですか?」
「……拗ねてない……」
(いや、どうみても、拗ねてるだろ!!二十歳越えた大人が!このヘタレ馬鹿野郎ぉおお!)
時間がないことに焦りだした社のツッコミは少々荒めになっていく。
しかし、そんなことはお構いなしに、キョーコ母さん(?)の優しいカウンセリングは続く。
「じゃあ、怒って……?」
「……怒ってない」
「どうしたら……ご機嫌が治るんですか?」
蓮の頭をやさしく撫でながら、キョーコが問えば、蓮は黙って目の前の華奢な腰に腕を回し、そのお腹のあたりに顔をくっつけた。
(きゃーー!何それ!!君たちカップルになってないよね?
蓮くん、告白してないよね?
それなのに、そんなことしちゃうわけ?
きっとキョーコちゃんは悲鳴をあげて逃げ……ないね?アレ?)
いきなりの衝撃的な展開に、時間がないことを忘れた社が、只の先輩後輩にしては濃厚なスキンシップに悶えている間にも、二人の親子なのか、バカップルなのかわからないふれ合いは続く。
「これで、治るんですか?」
「……治らない。足りない」
「何がですか?」
「最上さんが」
「ふぅー。困りましたね。敦賀さんが駄目っこ兄さんから戻れなくなっちゃうなんて」
「……兄じゃない……」
「ん?」
「……」
「で?どーしたら、いつもの敦賀さんに戻ってくださるんですか?」
「……と……ても……いい?」
「はい?」
社には蓮が何を言ったのか聞こえなかった。多分、キョーコにも。
だから、蓮の次の行動には驚かされた。
「え?……つ、敦賀さん?」
(れ、蓮くん?何してるのーー!?きゃーー!
俺がドキドキしてきちゃったじゃないか!
っていうか、ついさっきまで子供みたいだったくせに、
急に狼に変身だなんて、蓮くん、変わり身早すぎですからー!)
先程まで、蓮の足の間に立ち、腰の当たりに縋り付かれていたキョーコだったが、いつのまにか、その体勢は違うものになっていた。
立っていたのが、座っている。
縋り付かれていたのが、丸ごと抱きしめられている。
大した変更点はないように思えるが、座っている場所と抱きしめられ方が、なんだかイヤラシイ感じになっている。
更に、蓮の視線と手つきが、イヤラシさを倍増させていた。
しかし何故か、ソファーに腰掛けた蓮の片足に座らされ、抱きしめられている天然記念物的純情乙女な筈のキョーコが全く動揺していない。
(なにこれーーー!!)
社氏はキッチリ絶賛大パニック中であったが。
<16>に続く
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「敦賀さん?」
蓮と社、キョーコの3人が、緊急避難的に閉じこもった「京子」の控え室。その中に入ってからも、蓮の視線は小さな子供の様にキョーコだけを追いかけていた。
同じ部屋の中にいる社の存在など忘れたかの様に、只々、目の前のキョーコにだけに注がれている。
捨てられた仔犬、いや、捨てられそうだと怯え、縋る、仔犬の様な、情けない事この上ない状態の超絶美形の大男の姿。
社としては、この「危険物と化した敦賀蓮」が「俳優敦賀蓮」の仮面を付け終えるまでは部屋から出したくないが、とにかく今は時間がない。
このある意味シュールな敦賀蓮を先程の部屋にいた方々にお披露目せずとも済むように……マネージャーとしての手腕を発揮しなくてはならない。今すぐに。
しかし、残念なことに、実際に社に出来ることは、心の中でキョーコを応援することくらいであった。
(俺には無理~!!ごめんね、キョーコちゃん!なんとか蓮を見られる状態に戻してやってください。お願い!!)
社の熱心な応援が通じたかどうかは不明だが、避難部屋でのキョーコの仔犬カウンセリングが始まった。
「敦賀さん?」
「……さっき……」
「はい?なんですか、敦賀さん」
(お、蓮がしゃべることを思い出したぞ!)
自分の担当俳優の会話能力復活に、喜ぶマネージャー。しかし、今の蓮とキョーコにはすぐ側にいる彼の姿は見えないようである。
手に汗握る感じで、応援体勢に入っている社をチラリとも見ずに、カウンセリングは続く。
「呼んだんだ……」
「はい?」
「階段に向う君が見えたから……追いかけて……」
「はい」
「上がって行く君を呼んだ……のに……」
「え?」
「振り返っても……くれなかった……」
そういって、情けない顔のまま、キョーコを見つめる蓮。
(おいおい……訳はわかったけど、お前は子供か!?)
担当俳優の落ち込みの理由に、ずっこけそうになるマネージャー。
「ああ、イヤホンをしていたので……すみませんでした。それで聞こえなかったのかもしれません」
「……最後は……大声で呼んだ……」
「すみません、集中してたので。身体を動かしながらのほうが効率がいいので、階段を使って……暗記してたんです」
「……」
キョーコが蓮の呼び声に振り返らなかった理由はわかった。
なのに、解消しないキョーコ曰く捨てられそうな仔犬モード、マネージャー的には「危険物と化した敦賀蓮」モード。カウンセリングはまだ終われそうにない様子。
(問題は解決したじゃないか!どうしてまだその顔な訳?ああ、10分しかないのにーーー!いや、もうそんなに残ってないか。ヤバイよ、キョーコちゃん、急いでぇ!)
「敦賀さん?……ハァ~……それで、拗ねてるんですか?」
「……拗ねてない……」
(いや、どうみても、拗ねてるだろ!!二十歳越えた大人が!このヘタレ馬鹿野郎ぉおお!)
時間がないことに焦りだした社のツッコミは少々荒めになっていく。
しかし、そんなことはお構いなしに、キョーコ母さん(?)の優しいカウンセリングは続く。
「じゃあ、怒って……?」
「……怒ってない」
「どうしたら……ご機嫌が治るんですか?」
蓮の頭をやさしく撫でながら、キョーコが問えば、蓮は黙って目の前の華奢な腰に腕を回し、そのお腹のあたりに顔をくっつけた。
(きゃーー!何それ!!君たちカップルになってないよね?
蓮くん、告白してないよね?
それなのに、そんなことしちゃうわけ?
きっとキョーコちゃんは悲鳴をあげて逃げ……ないね?アレ?)
いきなりの衝撃的な展開に、時間がないことを忘れた社が、只の先輩後輩にしては濃厚なスキンシップに悶えている間にも、二人の親子なのか、バカップルなのかわからないふれ合いは続く。
「これで、治るんですか?」
「……治らない。足りない」
「何がですか?」
「最上さんが」
「ふぅー。困りましたね。敦賀さんが駄目っこ兄さんから戻れなくなっちゃうなんて」
「……兄じゃない……」
「ん?」
「……」
「で?どーしたら、いつもの敦賀さんに戻ってくださるんですか?」
「……と……ても……いい?」
「はい?」
社には蓮が何を言ったのか聞こえなかった。多分、キョーコにも。
だから、蓮の次の行動には驚かされた。
「え?……つ、敦賀さん?」
(れ、蓮くん?何してるのーー!?きゃーー!
俺がドキドキしてきちゃったじゃないか!
っていうか、ついさっきまで子供みたいだったくせに、
急に狼に変身だなんて、蓮くん、変わり身早すぎですからー!)
先程まで、蓮の足の間に立ち、腰の当たりに縋り付かれていたキョーコだったが、いつのまにか、その体勢は違うものになっていた。
立っていたのが、座っている。
縋り付かれていたのが、丸ごと抱きしめられている。
大した変更点はないように思えるが、座っている場所と抱きしめられ方が、なんだかイヤラシイ感じになっている。
更に、蓮の視線と手つきが、イヤラシさを倍増させていた。
しかし何故か、ソファーに腰掛けた蓮の片足に座らされ、抱きしめられている天然記念物的純情乙女な筈のキョーコが全く動揺していない。
(なにこれーーー!!)
社氏はキッチリ絶賛大パニック中であったが。
<16>に続く
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