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「不安な夜13」


朝日が眩しかった。
疲れた身体に。疲労しきった心に。ショボショボする目に・・・痛かった。

結局、昨夜の仕事を夜のうちに終わらせることが出来ず、大勢の仕事仲間を道連れに朝日を拝むコースを歩んだ俺は、そのまま事務所に連行され、そこで仮眠するように言い渡された。

俺を連行した社さんは、夜中に少し仮眠したからと、事務所内の早朝会議に出席中だ。それを思うと仮眠室で横になっていることに罪悪感を覚えるが、今日の仕事の為には今のうちに少しでも寝ておかねばならない。

「あと2時間・・・・か。眠れないな」

昨日の俺を薙ぎ倒した上に踏みつぶした最上さんは、一夜明けた今も俺をあの衝撃から立ち直らせないだけのインパクトを持ち続けていた。俺の中で。

「でも、今日は徹夜でよかったのかも」

以前に味わったような不安な夜を再び味わうよりは、ボロ雑巾の様になろうとも、朝まで仕事をしていたほうがいいに違いない。

幸いにも今日の仕事は打ち合わせや雑誌の取材が中心で、気を遣うものは入っていない。寝不足だから今日の移動は会社が手配した車かタクシーになるはずで、乗車中にも少しは眠れると思う。

本当は、仮眠時間なんてほしくない。僅かな休憩時間でも、愛車で最上さんの下に走りたかった。残念ながら車は、夕べ置き去りにしたTBKにも事務所にもなく、手際の良すぎる社さんの指示により自宅の駐車場に収まっているのだが。

でも、それなら、走ってでも駆けつけたい。彼女のいる場所に。
そんなことを思いながらも心身共に疲労しきっていた俺は、僅かばかりの睡眠を取る事ができたようだ。

眠りの淵に辿り着き、そこで浅い眠りに身を委ね・・・・



飛び起きた。


だって、聞こえたんだ。


彼女の声が。




続く。→「不安な夜14」


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