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愛の言葉は難しい 1 / 2 / 3 / 4 / 5 / 6 / 7 / 8 / 9 / 10 / 11 / 12 / 13 / 14 / 15 / 16
「愛の言葉は難しい 17-side Kyoko-」
「橘先生、おはようございます!ご無沙汰しております!」
「あら、京子ちゃん、久し振りね。おはよう」
ここ1週間程、早朝の番組にタレントとして出演している他は、ドラマなど女優としての仕事を中心にこなしていたタレントで女優の京子、本名最上キョーコは、久し振りとなる料理番組の撮影の為、衣装の上にエプロンをつけながらスタジオ入りした。
先にスタジオ入りし、準備を進めていた料理研究家の橘とは様々な番組で共演しており、双方打ち解けた様子で挨拶をかわす。
「今日もどうぞよろしくお願いいたします」
「こちらこそ。あ、今日のこのシチュー美味しいわよ。味見してみる?」
「わぁ、秋の味覚が沢山入ってますね!美味しそう!いただきます!」
橘から小さな味見皿に入れられたシチューを受け取り、一口飲んだキョーコは首をかしげながら、残りを慎重に味わうようにして飲み干した。
そして、空になった皿をしばらく見つめたあと、自身の口元に手をもっていき、再び首をかしげた。
「?京子ちゃん、どうかした?美味しくなかった?」
「いえ……あの……」
「なあに?どうしたの?」
常日頃から京子のことを可愛がっていた橘は、困ったような顔をして自分を見つめかえしてきた京子の様子に、幼子のような頼りなさを感じた。
会話中も準備を進めるために動かし続けていた手を休め、京子に向き直り、再度尋ねる。
「どうしたの?京子ちゃん……」
慈愛溢れる笑顔で、優しく尋ねてもらったキョーコはそこでやっと返事を返すことができた。
「あの……味が……」
「うん、味が?」
「……し……ないんです。塩味だけじゃなく……お野菜の味も……何も……」
18に続く
キョコさんピンチ!?
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そして、空になった皿をしばらく見つめたあと、自身の口元に手をもっていき、再び首をかしげた。
「?京子ちゃん、どうかした?美味しくなかった?」
「いえ……あの……」
「なあに?どうしたの?」
常日頃から京子のことを可愛がっていた橘は、困ったような顔をして自分を見つめかえしてきた京子の様子に、幼子のような頼りなさを感じた。
会話中も準備を進めるために動かし続けていた手を休め、京子に向き直り、再度尋ねる。
「どうしたの?京子ちゃん……」
慈愛溢れる笑顔で、優しく尋ねてもらったキョーコはそこでやっと返事を返すことができた。
「あの……味が……」
「うん、味が?」
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