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「愛の言葉は難しい 28-side R&Y-」

───最上さんと会うのを禁じる!?さっき会わせてくれって言ったときには、自分は関係ないみたいに、私に言われても!とか言ってたじゃないか!

「……何の権利があって、貴女にそんなことを言われ」「ちょっと待ってください!!」

加藤による残酷な宣言を受け入れられない蓮は、温厚紳士の仮面を自ら外しかけたが、それはまたしても自身のマネージャーによって止められた。

怒りにより前のめりになった蓮の身体を伸ばした腕により後方に押しやり、変わりに半歩程前に出た社が加藤に向け、抗議の声を上げたのだ。

「キョーコちゃんの不調に蓮が関係しているってことですよね?先ずはそこんとこを詳しく聞かせていただかないことには、こちらとしても、はいわかりましたとは言えないのですが」

「そんなに聞きたいのなら聞かせてあげるわ。その馬鹿余ったれ男の我が儘のせいで、睡眠その他を削りまくった京子は無意識のまま疲労困憊状態になり、その馬鹿最低男の所業により心に傷を負ったせいで、元々持っていた自己否定が前面に出てしまい、心身共にボロボロな京子は自分卑下が極限まで酷くなって仕事どころか社会生活を送るのにも支障をきたしているの!だから大事なことは何ひとつ言えない馬鹿ヘタレ男と会わしたらストレスが溜まって、病状悪化の恐れありな訳!ということで接触禁止!ほら、全部聞かせてあげたわよ?納得できた?」

合間にちょこちょこ蓮への罵詈雑言を混ぜながら、キョーコの現状をノンブレスでぶちまけた加藤は、極限まで冷たいと思われていた視線を更に冷やして、蓮と社を見つめていた。

「……!」
「……っ!」

それに晒された二人の男達は動揺するしかなく、加藤に対し今何と言えばいいのかも、瞬時には判断できずにいた。

蓮と社が上げた反撃の狼煙はあっさりと消えた。


聞かされたキョーコの現状は蓮と社の予想より遥かに酷かった。

(具体的にどんな様子なのかはわからないけど、社会生活に支障をきたしているなら、現在のキョーコちゃんは精神病患者と呼んでもおかしくない状態な訳か。間に投げつけられた刃が鋭過ぎてなんか心が痛いけど、キョーコちゃんの現状を思えばこれぐらいのこと言われて当然なのかもしれないよな)

冷たい視線を浴びすぎて凍ってしまったかの様に動かない担当俳優の様子を横目で確認しつつ、社は必死に今からどう動くべきかを考えていた。

(確かに、キョーコちゃんが身体を休めるべきだった時間を蓮の為にと奪い続けてきた自覚はあるけど……それだけなら休息すれば治る……筈……だよな。なら、どうしてキョーコちゃんがそんな状態に?馬鹿最低男の所業により心に傷って何だ?)

だが、考えるだけではどうにもならないこともわかっていた。

最も大事な情報が抜けているのだから、それは当然であり、加藤が待っているであろう問いを重ねることだけが今できることなのだ。

必然であろう質問を。

「……俺達がキョーコちゃんに無理をさせていたことは謝ります。それで、こいつがこんな見た目なくせに、キョーコちゃんに対して、馬鹿でどヘタレなのも、認識していることだったので納得できるんですけど……」

加藤の言葉に絶句するしかなかった蓮だったが、先に立ち直ってフォローしてくれている筈の社もまた蓮の心にグッサリと言葉の刃を突き刺してくれていた。

だがそんなものに傷ついている場合ではないことは、加藤の表情を見ればわかる。

だから、蓮は黙って社が話を進めてくれるのを待っていた。自分が口出しすれば、状況が悪化するだけだと漸く理解できたから……。

───謝罪ぐらい幾らでもする!だから、今はもっと……彼女の情報が欲しい。……彼女に会いたい……。

29に続く

ぎゃーー!いつのまに30話近くまで!早く終わりたーーい!

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