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「愛の言葉は難しい 32-side Yashiro--」

「すみません!俺の監督不行届です!」

深く下げた頭の向こうで、加藤が苦笑する気配を感じたが、声を掛けられるまでは頭を上げる訳にもいかず、それを待った。

「もういいわよ……なんて言えないけど、とりあえず頭は上げなさい」

「はい、申し訳ありませんでした」

前日の待ち伏せを受け、これからどう動くべきかと悩んでいたところにかかってきたタレント部の椹からの呼び出し。打つ手のなかった社は今はとにかく情報収集が先だとそれに飛びついた。(元々無視は出来ないものだが)

そして、指定された時間に事務所に戻ってみれば、案内された会議室で待っていたのは、加藤であった。

昨日程ではないが、あまり対峙していたくはない種類の笑顔を浮かべた加藤と二人っきりの密室。

社が出来ることは、謝罪だけだった。

───情報は欲しいけど、加藤さん相手だなんて!心の準備がぁああ!

背中を流れる滝汗がその緊張度合いを物語っていたが、表面はなんとか敏腕マネージャーの顔を保って促された席につく。

「で?謝ってきたってことは、社は把握できた訳ね?あの馬鹿俳優が仕出かしてくれちゃったことを」

「はい。ほんと、申し訳ないです……」

「ふん。その様子じゃわかったのは社だけな様ね」

「はぁ、お恥ずかしい話ですが、そうです」

視線を合わすのが怖くて、加藤の口元に視線を向けていた社だったが、その口元に浮かんだ笑みにビビリ、思わず目を見てしまった。

───ぎゃーーーーーー!!!怖いょおおおおおおお!!

敏腕マネージャーの顔の崩壊の危機はあっと言う間に訪れた。

それからビクビクと、怯えを隠すことさえ出来ない状態のまま聞かされたキョーコの現状。

今日も泣きながら逃亡しそうになった社であったが、どでかい馬鹿男のレッテルを貼られた担当俳優のフォローも一応しなくてはならない。それが例え全然フォローになっていなくても。

「蓮も蒼白な顔で自分が仕出かしたこと……無理難題を吹っかけて追い詰めたことは反省してたんです!でも、用意してもらった食事を、その場で食べないならともかく、保存食として渡されたものを食べないだけで今のキョーコちゃんの状態になるってことはどうにも結びつかないらしくて!」

昨日。自分の行動には反省はしながらも、社には不機嫌な様子を隠さなかった蓮は、今日も同じく不機嫌だった。

帰宅後もイロイロ思い返してみたらしいがそれでも答えには辿り着かなかったらしく、今日は朝から敦賀蓮にあるまじき負のオーラを背負っての現場入りとなってしまった。

そして、社はそれをどうすることもできないまま、蓮から離れ、今この場にいる。

───俺が戻るまでに敦賀蓮の仮面が全部剥がれませんように!

社に出来ることはそれを祈ることのみ。

あとは……

「キョーコちゃんのケアはどうなってるのですか?」

キョーコの状態とこれからのことをキチンと把握すること。それが彼が今出来ることのすべてだった。

33話に続く

進んでなーーーーい!!(-。-;)

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