ある日の朝、私は寝坊をした。
私は、いつものようにドタバタしていた。
「お母さん、なんでおこしてくれなかったのさ」
とプンプン怒る私。
食パンを口にくわえて、地下鉄まで走っていると・・・一人の男性とすれ違う。
なんか見た事あるようなと思いつつ、走る私。
すると、さっきすれちがっていた男性が私を追っかけてきた。
おどいた私は、食パンをおとしてしまった。その男性が、声をかけてきた。
「小学校の時の菜摘じゃん」と。
私は、こくりと首で頷いた。
男性はよろこんでいた。
「オレ、今日菜摘(なつみ)のガッコーに、転校するから」と言って、走って地下鉄へ行ってしまった。
ボー然とした私は、あわててケータイを見た。「えーーーーー8時ぃぃぃぃぃ」と
走り始め、どうにか電車に乗り込んだ。しかし、やっかいに通勤ラッシュとかさなった私。
またしても、女の敵痴漢が私のお尻を触りに来るのだ。
またかよっと思いつつ、毎日繰り返す。
今日で、痴漢はおさらばするとは知る由も無かった。
サラリーマンのおやじがニヤついて私のお尻を触ると、
「おじさーーん、犯罪ですよ。犯罪」とおやじの手首をつかむ男性。
私は、なんだと降り返ると朝会った男性だった。
電車が止まると、男性とおやじが電車から降りた。
私は、慌てて一緒におりた。
「ちょっと来い!菜摘!」と怒り気味の男性が私を呼んだ。
後をつけると、交番だった。
私は、警察に事情を話した。
サラリーマンのおやじは、何回も痴漢をしていて多数の女性から言われていて有名だったらしいのだ。
安心した私は、朝会った男性にお礼を言った。
しかし、男性がいなかった。
再びケータイを見ると・・・
「9時ぃぃぃぃぃぃ」
呆れた私は、学校をサボることに決定し、ゲーセンに行った。
一人で寂しく太鼓の達人をやっていて、今日の一日は終わった。
帰り道、朝落とした食パンがのらねこが食べていた。
それを見ていると・・・男性が叫んでいる。
「おーーーい!おーーーいってば!」
降り返ると、朝痴漢を退治した男性だった。
「菜摘!今日、太鼓の達人やってたろ?」
と言われ、「えーみてたわけ?」と驚く私。
実は、その男性はずっと一日中私の隣に居たとは・・・知る由も無かった。
end