透が家に帰ると、送り主不明の一通の手紙が届いていた。

それは、こんな内容だった。


一枚目。


やぁ、オレ。オレだって、博だよ。

はっ?知らない?お前の友達の友達の友達の母親の従弟の息子なんだけど。

えっ?知る分けない?おかしいなぁ。

ところでさ、俺今大変なんだよ。

何が大変ってさぁ~例の祝いの手紙。俺読んじゃったんだよ。

そう、あの手紙が届いた人間は、3日以内に身内全員がすんげー不幸になって。

その封筒を開けてしまうと、五日以内友達も全員ものすんげー不幸になって。

その手紙の内容を読んでしまうと、一週間以内に自分がありえない不幸に陥る、アレ。

俺さぁ、それ届いちまったんだよ。

しかも封を開けちまったんだよ。

さらに読んじまったんだよ。

でもな、これには対処法が一つだけあるんだ。お前も知っているだろう。

そう、二十二人にコレと同じものを送ればいいんだ。いいか?二十二人。少ないと駄目だぞ。

すると、その祝いは手紙を送った二十二の人間の所にいくらしい。

で、その手紙を受け取った人間は、また二十二人に送らなきゃいけないんだ。コレ。

じゃなきゃ、3日以内に身内全員がすんげー不幸になって。

その封筒を開けてしまうと、五日以内友達も全員ものすんげー不幸になって。

その手紙の内容を読んでしまうと、一週間以内に自分がありえない不幸に陥るから。

だからさ、俺今必死に二十二人にその内容の手紙を送ろうと思う。つーか、すでに送った。

次の紙から、その祝いの手紙の内容だ。お前も二十二人書けよ。じゃなきゃ、呪われるからな。

あっ、グラデは大事だからやるの忘れるなよ。忘れると、不幸になるぞVv☆


二枚目。


祝ってやる。祝ってやる。祝ってやる。祝ってやる。祝ってやる。祝ってやる。


次の日の午後、透は喫茶店に居た。

透の眉間には、皺がよっており、かなり怒っている様子だった。マジギレ寸前とも言う。

透が座っているテーブルには、水だけが二つのあった。

透の向かいには、不幸の手紙の送り主正が座っている。

「何だこれ」

冷ややかで殺気の篭った声で、透は正に言いながら、手紙を投げつけた。

手紙は、正の腕をかすめ、床に落ちた。

「なんか不意に郵便局経由の手紙を懸賞以外で出したくなったんだ」

「それでこれか、不幸の手紙か、俺はあと22人に同じモノ書かなきゃ不幸になるのか、殺すぞ糞が」

「ってか、なんでバレたんだろ?おかしいなぁ。住所書いてないのに」

「呪うを祝うと間違えるのは、お前しか居ねーんだよ。ばぁか」


お題提供元 207β

http://sanko.nobody.jp/index.htm

お題内容

「何か不意に郵便局経由の手紙を懸賞以外で出したくなったんだ」
「それでこれか、不幸の手紙か、俺はあと22人に同じモノ書かなきゃ不幸になるのか、殺すぞ糞が 」