※基本的に水曜日更新。今日金曜日って言うか、もう土曜だけどね!


 私が地上に来てからもう一週間が過ぎた。
 地上は、私にとって初めてだらけ。
 ナイフやフォークの使い方、服の着方だって思ってたより簡単じゃない。
 それでも私がわからないことをエリックやお城の人たちは事細かに丁寧に教えてくれるから、生活に不便はしてない。
 なんどか街にも出かけた。
 残念だけど、エリックは仕事が忙しくてなかなか出かけられないから、その時はお城の人と一緒に。
 新しいお洋服やアクセサリーを買ってもらったり、広場でやっていた人形劇をみたり。
 毎日が楽しくて、しかたがない。
 でも、なによりエリックが傍に置いておいてくれるのが嬉しい。
 今日は、外に出ないでエリックの部屋のソファに座ってる。
 机の上では、エリックがお仕事をしている。
 今日は、お城の人達も皆お仕事で、私は出かけられない。
 私は喋れないのと、この辺に詳しくないのとで、誰か一緒に行ってくれる人が居ないと出かけられない。
「今日の午後は空いてるから、一緒にどこか行くか」
 エリックが仕事をしながら言った。
 私は彼の部屋のソファの上に座りながら勢いよく頷いた。
「じゃあ、決まりだな。俺の取って置きの場所を案内してやる
よ」
 エリックはそう言った後、また仕事に戻った。
 私はその様子を眺めながら、それが終わるのを待つ。