ドゴンッ!
突然の大きな音に驚いて、音のした方を見る。
音のしたほうにはドアがあり、私が見たときにはドアが壁に当たって、反動で戻ろうとしているところだった。
今のはどうやら、ドアが開けられた音らしい。
ドアを開けた人物は、自分にドアがぶつかる前に右手でそれを抑えて、
「よぉ、嬢ちゃん! 元気か!?」
近くで喋られたら耳が壊れてしまうのではないか、と思うぐらいの大声言う。
ドアを開けたのは、私の頭三つ分ぐらいは大きい男の人。
筋肉がついていて、なんだか強そう。
私は彼に見覚えがあったのだけど、思い出せない。
誰だっけ?
「あっ、俺が誰だかわかんねぇって顔してるな!? 俺は、カイト=フォース! 親衛隊隊長だ!」
そこまで言われてようやく思い出した。
この間、エリックと出かけた時に外出許可を彼に貰いに行った時に会ったんだ。
「嬢ちゃんにちょっと礼を言っておこうと思ってよ! 朝食にはまだ早いだろ! とりあえず中入っていいか!?」
私が頷くより速く、彼は部屋の中に入って来て、部屋にあるソファに座る。
私が座って厚さが半分ぐらいになるソファが、その倍は沈む。
「礼っていうのは、エリックの事だ」
彼の声の調子が少し下がり、同時に大きさも小さくなる。
その声と瞳から、真剣な様子が伝わってくる。
私は、その向かいの同じソファに座る。
「……あいつは、誰に対しても距離をとってる感じがしてたんだ。
初めて会った時……二十年前だから、あいつが五歳の時。
その頃から、あいつは感情をあまり表にだそうとしなかった。
笑う事があっても、そいつはどこか事務的というか、心がこもってない感じがしてた。
実の両親の前ですら笑おうとしない。
俺は、ずっとそれが気がかりだった。けどな、お前さんが来てからすごく楽しそうに見えるんだ」
そこでカイトさんは、一呼吸置く。
「だから、ありがとう。
どうしても、譲ちゃんにそう言いたくてな」
そして彼はもう一度、ありがとうとそう言った。
なんだか、嬉しかった。
突然の大きな音に驚いて、音のした方を見る。
音のしたほうにはドアがあり、私が見たときにはドアが壁に当たって、反動で戻ろうとしているところだった。
今のはどうやら、ドアが開けられた音らしい。
ドアを開けた人物は、自分にドアがぶつかる前に右手でそれを抑えて、
「よぉ、嬢ちゃん! 元気か!?」
近くで喋られたら耳が壊れてしまうのではないか、と思うぐらいの大声言う。
ドアを開けたのは、私の頭三つ分ぐらいは大きい男の人。
筋肉がついていて、なんだか強そう。
私は彼に見覚えがあったのだけど、思い出せない。
誰だっけ?
「あっ、俺が誰だかわかんねぇって顔してるな!? 俺は、カイト=フォース! 親衛隊隊長だ!」
そこまで言われてようやく思い出した。
この間、エリックと出かけた時に外出許可を彼に貰いに行った時に会ったんだ。
「嬢ちゃんにちょっと礼を言っておこうと思ってよ! 朝食にはまだ早いだろ! とりあえず中入っていいか!?」
私が頷くより速く、彼は部屋の中に入って来て、部屋にあるソファに座る。
私が座って厚さが半分ぐらいになるソファが、その倍は沈む。
「礼っていうのは、エリックの事だ」
彼の声の調子が少し下がり、同時に大きさも小さくなる。
その声と瞳から、真剣な様子が伝わってくる。
私は、その向かいの同じソファに座る。
「……あいつは、誰に対しても距離をとってる感じがしてたんだ。
初めて会った時……二十年前だから、あいつが五歳の時。
その頃から、あいつは感情をあまり表にだそうとしなかった。
笑う事があっても、そいつはどこか事務的というか、心がこもってない感じがしてた。
実の両親の前ですら笑おうとしない。
俺は、ずっとそれが気がかりだった。けどな、お前さんが来てからすごく楽しそうに見えるんだ」
そこでカイトさんは、一呼吸置く。
「だから、ありがとう。
どうしても、譲ちゃんにそう言いたくてな」
そして彼はもう一度、ありがとうとそう言った。
なんだか、嬉しかった。