※毎週金曜日予定。

 最近、アクア編とエリック編同時更新してる。反省。

 来週エリック編休みなので、なんか好き勝手にキャラ語りする。

 エリック好きは要注意です。悪い意味で。


「あれ? 居ない?」
 食堂に、アクアの姿がなかった。
 部屋に迎えに行った時、居なかったからてっきり先に来ていたものだとばかり思っていた。
 他の皆が食べているの見ながら、三十分ほど待ってみたがアクアは食堂には結局来なかった。
 料理を食べずに食堂を出て、城中を探し周ってみたが、アクアの姿は見つからない。
「どこへ行ったんだ?」
 外にいるのだろうか。
 俺は、親衛隊隊長のカイトに許可を貰うと、城の外へと出た。

 外に出るとすぐに、アクアを見つけることが出来た。
 彼女は、月光草が咲く洞窟の前の砂浜に立っていた。
 俺からは背中しか見えなく、その表情は伺えない。
 俺は走って彼女の元へと駈け寄り、少し距離を置いて、立ち止まった。
「アクア!」
 彼女の名前を呼んだが、彼女は振り返らなかった。
「こんな所にいたのか、どうかしたのか?」
 彼女は、なんでもないと言うように首を振った。
 だけど、俺には彼女の背中から悲しみ、いや、絶望感の方が正しいだろうか、そういうものが感じられた。
「……とにかく、城に戻ろう。朝食が冷めてしまうぞ」
 彼女の反応はない。
「……わかった。しばらく、ここに居よう」
 アクアが振り返った。
 相変わらず下を向いたままで、表情は見えない。
 彼女は右手をあげ城のある方角、つまり正面、俺を指差した。
 帰れ、という意味なのは、すぐに理解できた。
「…………ッ! 今の君を放って、帰れるわけないだろう!」
 彼女からの反応は返ってこなかった。
 息の詰まるような、重たい静寂。
 それを破るように、俺は口を開く。
「せめて……傍にいるくらいはさせてくれ」
 俺は、今まで彼女に救われてきた。
 今まで人など信じられなかったけれど、彼女なら信じられた。
 今まで心の底から楽しいとか、嬉しいとか感じた事はなかったのに、彼女と入る間はずっと楽しかった。
 彼女は、初めてできた親友だ。
 なのに、今の彼女にどうしてあげることも出来ない自分が情けなかった。