※異様に長い夏の話シリーズ。

 ちなみに、もう大分後半戦なので、あとちょっとで終わります。

 三月から、連載してたんだ。すごいな。 

 次回、長いです。後、来週アクア編休み。


 大人びているのに、時折見せる子供っぽさ。
 何もかもを包み込むような笑顔。
 時折見せる無邪気な笑顔。
 それら全てに惹かれていた。
 王子ではなく、エリックとして扱ってくれた彼女。
 彼女となら、結婚するのも悪くない。
 今は、そう思う。

 祭の日当日。
 俺とダイアは、城の玄関でアクアを待っていた。
 祭は六時から開催される。
 今は、六時半。
 三十分ほど待っていたが、アクアは来ない。
「エリック、何をしているのだ?」
 ふいに声をかけられた。
 父上だった。
「いえ、その……」
 正直に話していいものかと言いよどんでいると、俺の答えを待たずに父上は早く祭りに行くよう促した。
「この祭は、毎年王家の人間も参加する仕来りになっている。 早く行って、国民にその姿を見せて来い。ダイアンサスさんもだ」
「しかし……」
「私に意見するつもりか? エリック」
 真っ直ぐ見据えてくるその瞳は、反論を許してはくれなかった。
「いえ。行って参ります」
 俺は淡々とそう答えて、祭へと向かった。
 結局、どこまでも俺はこの人の言いなりだった。