※明日、テストだよ。しんでくる。

 後、一話で終わる予定。


 その場所は、とても静かで、波の音と微かな祭の賑やかな声が聞こえる。
 あれから、私はただがむしゃらに走り続けた。
 あの場所から逃げ出したくて。
 泣き出してしまいそうで。
 そして、この場所についた。祭の喧騒から逃れた、町の一角に。

 私は、その場所に蹲って、声も出さずに泣いた。
 エリックが見せた、笑顔。
 エリックが笑っていてくれるのが嬉しいと思えた。
 死ぬのが怖い思い以上に、笑っていて欲しいと言う思いの方が強いのに気づいた。
 だから――。
「アクアさん?」
 頭の上から声が降ってきた。
 初めて聞く声、でもどこかで聞いた事のある声。
 顔を上げると、そこにはあの人が居た。
 エリックと一緒に居た女の人。
「皆さん、心配しますよ。エリックもカイトさんも」
 彼女は優しくそう言って、手を差し伸べる。
 私は、涙を拭いその手を受け取る。
 エリックに笑っていて欲しい。
 だから、私は――。