※次回感動の最終回!

無駄に感動とか言ってみるさ。感動する保障はしない。


 しばらく歩くと、人ごみが途絶えた。
 海岸沿いの通りに出てしまった。
 出店も出し物も何もない為、自然と人通りがなくなる場所。
 もう一度、人ごみの中へ戻ろうとした時、視界の片隅に彼女
が映る。
 海のような綺麗な色の髪をした女性が、膝を抱えていた。
 私は、そっと彼女に近づき声をかける。
「アクアさん?」
 彼女は、顔を上げる。
 その目から涙が溢れていた。
 なんだかその姿は、昔の私のようだった。
 一人で悩んで、膝を抱えて泣いている。
 ひとりぼっちだとそう嘆いて。
「皆さん心配してますよ。エリックもカイトさんも」
 私はそう言いながら、手を差し伸べた。
 そう、皆貴方のことを心配してくれている。
 だから、一人で悩んだりしないで。
 貴方は独りではないのだから。
 そして、きっと私も。