その昔、街道沿いには良く「松」が植えられていた。
「東海道53次」にも、良くこの「松並木」が登場して来る。
なぜか、日本の「街道」には「松」が良く似合う。
この街にも旧街道に沿うように保存された「松」が
一本いっぽんそれぞれに小さな識別のNoプレートを
付けられて残っている。
「松」の幹は新道からの勾配の坂に跨ってその根を半分
露わにしながら、ひび割れた甲羅のような硬い「樹皮」に守られて
排気ガスと電線の合間にその身をくねらせながら立ち上がっている。
街道が幾筋も交わるこの街は、
その「名前の由来」からも、かつて、この県の陸路の
要衝であったことがうかがえる。
街道筋の「松」は幾世代を超えて、人々の往来と、
この街の変遷を見届けてきたことだろう・・・