大切な母を悪性脳腫瘍、膠芽腫で亡くしました。


在宅介護も経験し、安易に在宅介護を勧めるのは問題である、患者さんを預けることも選択肢として考えるべきであると、前回のブログで書きました。


それでは、脳腫瘍患者はどこで、過ごせばよいのか?簡単には解決しないかなりの難問です。前回のブログを読んで、在宅介護は限界だし、どこかに預けよう、と思った方は、行き先探しのための労力と、お金がかかることの覚悟が必要です。



悪性脳腫瘍の患者、びっくりするぐらい預かってくれるところがなくて驚きます。



まず、リハビリ病院は、膠芽腫と診断がついてる時点でお断りでした。リハビリ病院は混み合っているので、長く生きられる方を優先するため、膠芽腫の患者が受け入れてもらうことは難しいそうです。(母は脳腫瘍のせいで骨折して歩けなくなり、整形外科医にリハビリ病院を勧められていました)


次に、抗がん剤治療を続けたい場合、老健や療養型病院には入れません。抗がん剤治療をやめるといっても、悪性脳腫瘍ということで、余命が短いこと、また予測がつかない、異変時に対応できないという理由に病院のソーシャルワーカーからの照会の時点でバツとなり、家族面談にも進めませんでした。病院が作った母の資料を字面だけ読むとたしかに今すぐ死にそうな人にしか読めません。母がOKをもらった施設には母が風船バレーをしたり、笑顔でしゃべっている写真を送り、再審査をなんとかお願いしたという経緯がありました。



最期を過ごす療養型であったら難易度が低いと思われますか?いえいえ、母の場合は5件申し込んでOKがでたのは2件、、、。5件のうちもっともいいと思っていた病院からOKが出たのでラッキーでした。脳の病気の患者さんは難しいということで、断られるそうです。


また、向こうも選んできますが、こちらも選択しなければなりません。施設や病院の質は驚くほどにピンキリです。見学をして申し込まないところも多数でした。こういってはなんですが、自分が入ると考えたときに、ここに入って数ヶ月生き延びるぐらいなら、明日死にたい。と思うくらい、不衛生で恐ろしい雰囲気の療養型もありました。別に費用が激安なわけではありません。母を預かってもらった場合、月40万円かかるところでしたが、かりに10万円と言われても母を預けることは出来ない場所でした。ホームページだけではわかりません!必ず見学にいって、ここで亡くなったとして後悔しないか、考えてから申し込まれることをオススメします。


ちなみに、母は入ることはありませんでしたが特養であれば抗がん剤治療は続けられるそうです。特養といえば、環境が悪いイメージがありましたが、これもピンキリでした。きれいなところあれば、昔ながらのところも。とにかく見学が大事ですね。あらゆるカテゴリを合わせると、50件くらい、わたしは見に行きました。


母の場合、病状の変化に合わせて、病院の脳外科、有料老人ホーム、老健、療養型を経験することになりました。


このなかで最も費用が高かったのは、有料老人ホームですが、残念なことに最も評価が低いです。看護師、介護士の質も低く、契約時に約束していただいていたさまざまなことが守られていませんでした。色々経験した結果、医療施設に近いところがモラルも高く、安心できるというのが現実でした。できるだけ病院から出ないほうがいい、と言った話はよく聞きますが、あれは本当ですね。


とはいえ、ずっと病院にいられるわけでありませんので、しっかり見学して、自分が納得して預けられるところ、そして向こうが預かってくれるという場所を根気よく探してみてください。



これは2016年から2018年の首都圏での経験談です。



★詳しい病気の経過と現状はこちらの記事をご覧ください★