2009年9月の日記


摂食障害とは、当たり前のことが当たり前にできなくなる病気だと思う。
 拒食になると、精神はハイになる。
 なぜだか異様に調子が良い。この調子を崩したくない。
 だから、食べない。

 食べたくない
 食べない
 食べない
 食べたくない
 食べない
 食べない

 ・
 ・
 ・

 食べる。

 食べる
 食べる
 食べる

 食べ始めたら、止まらない。
 
 胃袋どころか食道まではちきれそうに膨らむ。
 限界なんてとうに超えている。こんな風になってまでなぜ食べ続けるのか、伸ばす手が止まらないのか、自分でもわからない。
 
 ばりぼりと音を立てて咀嚼する姿は、さながら獣のようだ。人間から足を踏み外しちゃってる。

 スプーンを握りしめて、泣く。ばりぼりと咀嚼しながら、哭く。

 それでもね、食べ物を口に放り込んで飲み込むまでは楽園なの。一瞬だけの極楽浄土。

 そして。
 
 ふっ、と正気に戻る。

 服をめくって、胎児の代わりに食物のなれの果ての詰まった腹部を見る。
妊って何年ですか?
慈しみの代わりに、自己嫌悪を育ててるんですか?

 こんなのは私じゃない、と考える。

 やりたくてやったんじゃない私じゃない私の中にいる誰かのせいだ私のせいじゃない私じゃない私じゃないあたしじゃない

 で、リセットしたい、と考える。

 とりあえず、喉に指を突っ込む。

 うめき声だけが出てくる。

 突っ込む。

 えづく。

 突っ込む。

 えづく。

 白く揺れる胃液とひりつく喉の粘膜だけが、私のリアル。

 一度だけ、本当に戻してしまったことがある。

 ほんの少しだけの、浄化行為。

 血の気と一緒に、一気に醒めた。

 リセットなんて、出来やしない。


***


2008年初頭から始めたダイエットが加速して拒食になり、身長170cmで体重が47kgまで減った。

このころは、ホルモンバランスが崩れ、生理が不順になると同時に精神的にも非常に不安定になった。


そして、6月。それまでの反動のように、私は過食症になった---。


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