韓国 の話。

最終日編。


入隊日の10月18日は、家族全員で朝食を取ることになっていました。

朝食スタートは6時。

家を出発するのは、6時半。

それからわたしを仁川空港へ送って、そのまま訓練所へ入所。

というながれ。


わたしは4時半に目覚ましをかけて、うすぼんやり。

あんまり寝てないからでしょうね。

5時にSクンが目覚ましをかけてたので、起こしました。

「もうちょっと」

とか言って少しぐずってました。


わたしが顔を作っている間にSクンはシャワー。

ママはごはんを作ってくれてました。


前日にハンバーグを作った時にも思っていたんだけど、変な話「最後の晩餐」ってお母さんが腕をふるいたかったんだろうなって。

わたし横取りみたいになっちゃって申し訳ないなって。

ママはあんまり気にしてないみたいでしたけども。


朝ごはん。

いつものメニューより、やっぱりちょっと豪華。

カルビチムとかもあったし。


みんなでけっこう和やかな雰囲気で食べました。

その後、Sクンは一服し、パパはそそくさとスーツに着替えました。

ママは少しさびしそうでした。


6時半。

パパがわたしのスーツケースを持って、クルマに向かいました。

わたしのボストンをSクンが持ち、その後ろをわたしとママがついて行きました。


マンションの前、車寄せ。

ママとはここでお別れです。

ママは今日もお店に立たなくてはならないので。。


このときにふと、ママがわたしを抱きしめてくれました。

ことばが通じないながらも、すごいいろいろなことを感じました。

そして、ちょっと泣きそうになりました。


その次にSクンとママが抱き合ってあいさつ。

Sクンは軽く、

じゃあ、行ってくるから!

って言ってました。


早く車に乗りなさいと促されて、出発。


車中。

ふとSクンが言いました。

「渚を送って行っている今になって、やっと入隊する実感がわいてきた…」

ちょっと落ち込んでた。


仁川空港着。

パパがクルマを停めに行っている間に、搭乗手続き。

間もなく完了し、パパと合流。


「俺は車で待ってるよ」

というパパと、あいさつ。


何も言えなくて、頭を下げることしか出来なかった。

顔を上げると、パパが

「またね」

といって、わたしのほっぺたを触りました。


…びっくりした。

そして、Sクンもかなりびっくりしてた。

普段、そういうことをするイメージのない方なので。


それから、ほんとにほんとに、最後の時間。

座ってた席の前はなぜか修学旅行生でいっぱい。

ムードない中、いろいろ話しまして。


そして目の前のおばさんの携帯からDJDOCのあの曲 が…

♪な いろんさらみや~


ここへ来て、これ?


とか思いつつもやっぱりさみしさはまぎれませんでした。

笑っているけど、笑いきれてない。


続・きょうのできごと 韓国の軍隊にいる彼とのいろいろも交えて。


時間が迫り、わたしの出国審査の時間。

ゲートの前まで、列の外で一緒に並んでくれて。


ギリギリのところで、ぽぽ。

これが最後。

次は何日先かなんてわからない状況で、すっごいたくさん人がいる前で。


気にならなかった。

人に見られるとか、全然気にならなかったです。

そんなことより、欲しかったです。


泣くまいと思っていたけど、ちょっと涙が出ました。


そんな涙を持って、ひとりでゲートに入りました。

そんなこんなのわかれでした。