アはアメリカのア*オレンジの移住日記 -256ページ目

ばらの花、百合の花



昨日は頭に血が上りっぱなしで、日記もかっかしたものだったが、本当言うとちょっと気の晴れることもあった。夫が花を持って帰って来た。ピンクのばらの花だ。


彼の仕事場に、花屋がバレンタイン、クリスマスなど折々に来るそうで、野郎皆でぞろぞろ買いに行くらしい。「いろんな色を入れる人もいたけど、ピンクが一番人気があったんだ。Gは最後だったから黄色しかなかったんだ。」
喜んで話すところは、4歳の太郎が学校の話をする様子とまったく変らないではないか。男っていうのはねぇ。


バラといっても気の利いた花屋さんで見かけるような、おしゃれにラップされた「わたくし、ばらですの。」というものではない。油紙でぐるぐるまかれた、葉もとげも持って生まれたまま、茎太くたくましい、いかにも「ばらでごわす!」という、男らしい風情が12本だ。


しかし、これが開くと本当にみごとなので、けっこう気に入っている。年に数回の、結婚以来何となく続いてる恒例のおみやげである。


夫からの花の贈り物といえば、ひとつとても申し訳ない話がある。


結婚式の朝、支度でばたばたしていた私の控え室に、会場の職員さんが「For you!」と、綺麗な大輪の百合の生けられた花瓶を置いていったのだ。会場からのサービスかなぁと、頭の隅で考えながら忙しくてそのことは忘れてしまった。


式の後、落ち着いてから、夫が「あの花どうだった、メッセージ読んだ?」と聞くではないか。メッセージ??花だって式場に置いてきちゃったよ、だ。


その花の行方は結局わからずじまいで、そのメッセージも夫にいくら聞いても教えてくれない、今だに謎のままだ。
私の好きな花は、百合の花。しかし懲りたのか、結婚してから夫はばらの花ばかり持ってくる。