ちょっと、批評的なな話をしますけど。

別に叩いている訳ではなく、

どうしても書いておきたかったので。


今更な話だけど、

今更だからこそ書ける、というか。



僕の中では、アニメランキングにもあるように、

1位 ヴァイオレット・エヴァーガーデン

2位 宇宙よりも遠い場所

3位 推しの子

となっている。


推しの子が出てくるまでは、エイティシックスが3位だったが。


まぁ、ソレでも、トップワン・ツーは、なかなか動かない。


その、殿堂入りとも言える、

宇宙よりも遠い場所

(以下 よりもい)

は、素晴らしい作品だ。


伏線も、テーマも、演出も、

もうね。完璧。


だから、何回観ても泣くわけよ。


んで、その監督が、監督・脚本で手掛けた作品、


「グッバイ・ドン・グリーズ!」





をね、

先日ね、

WOWOWで放送されてたのをPが撮ってくれてたので、一緒に観たのですよ。



今更。



まぁ、ぶっちゃけ、

評判は良くない。


あんだけ宣伝やってたのだ。

よりもい効果で、初動は絶対に良かったと思う。


僕だって舞台が忙しく無ければ行っていた。


でも、興行成績は、かなりキツいらしい。


初動で、色んな人が観て、

感想で、「良くなかった事」を呟き、

レビュー待ちしていた、第二次能動視聴者が、こぞって行かなかった。


そんなところだろう。



僕の中では、

最高傑作を生み出せる監督は、

何を作っても面白い。


少なくとも、及第点には届くものだと、そう考えている。


演劇だって、映画だって、

誰が出ているから

ではなく、

誰が書いてるから

で観に行った方が、格段に外れに当たりにくい。


例外は、ラブライブ初代と、ラブライブ・スーパースターの京極監督くらいだろう。



だから、つまんない作品に出て、チケットを売らされている俳優は、馬鹿だとさんざん言ってるわけで。


まぁ、その話は良いか。


そう、だから、

グッバイ・ドン・グリーズが、

そんなに外れるとは思わなかった。


脚本もうまくて、

演出もうまくて、

伏線も巧みで、

実績もある。


そんな監督が、満を持して創った、今作。


何故コケたのか

何故評判が悪かったのか。


それを、紐解いておく必要があった。



で、観ました。



なるほど。


うん。


面白くは無い。

が、この作品がつまらない理由が良く分からなかった。



ストーリーが悪い訳では無い。

テーマも別に悪く無い。

伏線だって巧みに張られている。

そもそも、よりもいを作った監督が、杜撰な脚本、演出をするはずが無いのだ。


ちょいちょい、ご都合主義な設定や展開もあるが、ぶっちゃけそういうのって、作品がつまらないから、気になってしまう点であり、

作品が圧倒的に面白かったら、そんなご都合主義って実は気にならないのだ。


だから、何が駄目だったのか。


これを、分析してみて、


とある一点。


「グッバイ・ドン・グリーズ!」が売れなかった原因


にたどり着いた。


一点である。



これを観た時。

僕は、1つ、普段はあんまり湧き上がらない感情を感じた。



気持ち悪い


である。







登場人物、特に主人公の二人が、


気持ち悪かったのだ。



そして、何が気持ち悪いかを紐解いて行くうちに、ふと思った。



ロウマ、トト、ドロップの三人の会話。


これ、

キマリ、報瀬ちゃん、日向ちゃん


の3人なら、完璧に成立するのだ。



感情豊かな表情も、反応も

共感力強めの会話も、

お互いへの言葉も、


全てが成立する。



でも、ロウマ、トト、ドロップにすると、

気持ち悪い。



総じて、


「男の子」の行動ではないのだ。

「男の子」の感情ではないのだ。


もちろん、男の子はこう、女の子はこう、と決めている訳では無い。

女の子っぽい感性の男の子もいるし、男の子っぽい女子もいる。


しかし、あくまでも、男の子を主人公にして、その友情を描くのだから、全員が、三人共が、「たまたま全員そういう感じの男の子なんです」

では、共感は薄い。


ドローンを無くして走り回る姿も


花火への感想や興味も


空に浮かぶ星1つに、ほら見て!

って言うのも、その表情も


基地を壊す動機も、


歌を歌うところも、



男の子として、リアリティがないのだ。


キマリ、報瀬ちゃん、日向ちゃんだったら、ニコニコ観てたと思う。


彼らの言動の多くは、

「このセリフ(行動)、男の子と女の子と、言うとしたら(やるとしたら)どっちが多いかな?」

で、

「女の子の方が、こういう事言いそう」


なのだ。

男の子三人の友情ストーリーなのに。


しかも、一人の少年は、何故かめっちゃ中性的に描かれているから、もう、パニックである。





ちょっと分かりやすく言うと、



3人とも、


なんかずっとイチャイチャしてるのだ。


ロウマとトトの二人になっても、イチャイチャイチャイチャ



三人の男の子達の、短い間でも積み重ねた友情


が、最も大事な描かなくてはならないテーマなのだ。


それを、


三人がひたすら一緒にいて、共感して、笑い合って、馬鹿話して、笑い合って、笑い合って、イチャイチャして、笑い合って、笑い合って、笑い合って。


で、


うわぁ、仲良い〜


にはなるわけ無い。


同性愛者なのかな?

とさえ思える。



僕のあくまでも、予想だけどさ。


その女性監督は、


テーマが悪かったわけでもなく、

脚本が悪かったわけでもなく、

演出が悪かったわけでもなく、

伏線が機能しなかったわけでもなく、


ただ、


男の子を書くのが下手だった。


とまぁ、その一点だけだったのだなぁ、と。

思いましたね。


キツい言い方をするならば、


思春期の少年を舐め過ぎです




例えばさ、女装をするシーンが一番わかり易いかもしれない。

むしろ、一番、監督が、男の子を舐めてるシーン、と言っても良い。


男子高校生が、女装をして、大嫌いな学校の連中を騙す。


マジョリティな男子からしてみれば、嫌いなクラスメイト達(8人位居る)前で、スカートを穿いて歩くなんて、地球が滅ぶレベルの事件だろう。おっぱいの位置を固定するために、下手したら姉ちゃんのブラジャーとかつけてるかもしれないわけじゃん?

男子高校生が、悪ふざけのためとはいえ、ブラジャーまでつけるなんて、ビッグ・バンレベルの事件だ。

ドロップはめっちゃ可愛くなったわけで、

「ドロップ、ちょっとおっぱい揉ませてみ? いや、いいから。」

とかなっちゃうリアリティは、無いんだろうな


とかね。


その後、女装したままで花火で遊ぶのも、もう、男子目線はゼロ。


誰かに目撃されたら終わる

とか、思わない?

やる事やったんだから、


・直ぐに着替えたい。1秒たりとも着ていたくない

・なかなかこんな経験出来ないし、満更でもないので、もう少しこのままいようかな。


のどちらかだと思う。


でも、どちらでもない。


もう、ジャージでも着てるかのごとく、そこへの男の子としての、羞恥や背徳、興奮などの描写は無い。


そう、彼らは、着慣れているかの様なのだ。

スカートやワンピースを、まるで着慣れているかの様な描写。



スカートやワンピースを着慣れている。

つまり、性別は???

と、

そういう事です。 



「ヤッベ、(姉ちゃんの服)汚れちまった、絶対にドヤサれる」


の前に、


「姉ちゃんの服をパクって、外で着た事自体、バレたら終わる」


なんだよ。と。


そこで、もはや、男子の常識からかけ離れている。


それが、ずっと続くから、

共感出来ない。


で、多くの人は色んな指摘をするわけだよね。





多分、まぁ、本質の、失敗の原因は、

そういう事だろね。多分。





男心は単純と思われるかもしれないが、


僕の物語を描く上での持論ですが、



女子は異性を前に複雑な女心を持ち、

男子は同性を前に複雑な男心を持つ。


男の子三人の友情なんて、超複雑な男心の機微を描かなくては、そりゃあ、共感なんて無理ですよ。







そんな、意外な結果にたどり着いたレビューでしたとさ。