勇気爆発バーンブレイバーン


第9話

巷では、

伏線回収回!
神回!

と言われているが、
一応、毎クール30本以上アニメをチェックしつつ、一度も外さない、伏線グリグリの舞台脚本を書いている僕の印象ですが。

勇気爆発バーンブレイバーンは、第9話で得点下がったな。

マジで良くなかった。

という印象。

第9話が悪かった、という訳では無い。

第9話をそうするなら、もっと前のシーンでやるべき事があっただろ!

という意味。

スミス = ブレイバーン(実は)

という流れはまぁ良い。


そうした流れにした以上、タイムパラドックスがある程度生じるのは仕方ない。

しかし、何が問題かと言うと、

スミスがブレイバーンになるまでの流れの起点

ここに圧倒的に納得がいかない。


①スミスはヒーローになりたかった。
②でも俺じゃ無かった。
③ヒーローはイサミだった
④でも、ヒーローの側で戦えればそれでもいい
⑤ああ、ブレイバーンは俺だった。俺はずっと、イサミと一緒に戦っていた

この流れはプロットとしては問題ないわけ。

では、どこに問題があるかと言うと、

③ヒーローはイサミだった

ここ。

ヒーローはイサミだった、

と、思うきっかけが、

「イサミはブレイバーンに選ばれたから」

という流れで描かれている。

鶏が先か卵が先か、の問題で、

明らかに鶏が先になってしまっている、というか、

ブレイバーンに選ばれなければ、イサミはヒーローじゃない。

でも、ブレイバーンはスミス。

スミスはヒーローになりたい。

イサミのようになりたい。

なぜならイサミは、ブレイバーンに選ばれたから。

ここのループが気持ち悪いのだ。


ここで、アオイサミというかキャラクターの設定に問題が出てくる。

一話でダイダラを先行させて活躍したのは、確かにヒーローっぽい演出だった。

これを継続させれば良かったのに、
2話以降、

いつもイライラ、カリカリしているイサミ。
軍人なのに小さな私情を優先する小物感。
ルルがただならぬ存在だと解ってもまだスミスにイライラする男。

なんというか、全くヒーローでは無いよね。

でも、ブレイバーンに乗って、ブレイバーンの性能だけで敵を倒す事が出来るのは確かにはたからみたらヒーロー。

スミスはそこだけで、
つまり

「ブレイバーンに選ばれた」というだけでしか、イサミをヒーローとして見ていない。

でも、ブレイバーンはお前なわけで、、、


って事。


ここに、


「ブレイバーンがいようといまいと、俺の憧れるヒーローは、アオイサミだ」

と言わせる人としての大きさというか、
男としての強さと言うか、

そう言うのが全く無い。

ブレイバーンが居なければ、イサミはヒーローでもなんでもない。

管制官が、「アオ三尉、カッコいい」って言うけど、全然男としてはカッコよくない。



●ヒーローになりたかったスミス
●アオイサミという、スミスが描いていたMARVEL的なヒーローとは違うが、確かにヒーローな男に出会う。
●その男が、ブレイバーンに選ばれる
●アオイサミという男のカッコ良さに惚れるが、それでもヒーローになりたかった心と葛藤する
●でも、ヒーローであるアオイサミの側で戦うことを自分の役割と考える(成長)
●ブレイバーンになって、自分を成長させてくれたアオイサミを助けに行く。
●「俺は、憧れるヒーローとずっと一緒に戦っていたのか」
「やはり俺はヒーローじゃなかった! ヒーローの側でヒーローを支える! そのために俺はブレイバーンになったんだ!」


この流れになれば、拍手喝采だった。


アオイサミをヒーローにしたのはブレイバーン

ではなく、

アオイサミというヒーローに憧れたからブレイバーンになった

にしないと、

ヒーローを自分で作って、
その自分で作ったヒーローに憧れて、

というタイムパラドックスマッチポンプ
になってしまう。

ここが、めちゃ気持ち悪い


第9話は、

ネタバラシにより、イサミのキャラクターメイクは失敗していたんだ

と確信した回になってしまった。

だから得点は大幅ダウン。


あの、ぶっ飛んだ1話を作ったスタッフだから、わからないことも、謎も、キレイに回収してくれるんだろうな、と安心していたけど、、、。

ギミックはうまかったけど、

キャラクターのココロの繋ぎ目を描くには、足りなかったようだ。


不貞腐れているイサミを、バーに連れて行くシーン。

あんなの、僕なら100%スミスに連れて行かせる。

ヒーローになりたかった男が、
本当のヒーローをバーに連れて行って、
「ありがとうヒーロー! 酒を奢らせてくれ!」
とみんなに言われるのを見て、
微笑みを浮かべながらも、悲しそうにそっとその場を去る。

これでいいじゃん!

これで、全てが上手くいく。


まぁ、他にも言いたいことはあるけど、、、。


スミスが主人公だったわけよね。

FFVIIの、
「俺はソルジャーかと思いきやただのモブだった」
演出と同じというか。


イサミ = 真のヒーロー
スミス = イサミを見て、ヒーローへの憧れを抑え込み、イサミの側で戦う決意をする

この構図をもっとしっかりやれれば、最高のアニメになったと思う。

実際は

イサミ = ブレイバーンがいなければ、ただのカリカリした小物
スミス = ブレイバーンに乗るのがヒーロー。だからイサミはヒーロー

これ。


そこまで詰める気がないから、

コックピットの歌とか、
性格が違い過ぎる件とか、

都合の悪いところは回収しない。

いいじゃん、

1話のシーンを繰り返す9話のシーンで、

「共に戦うこの喜びが、抑えられない!!!」
「さっきから何なんだこの歌は!!」

とか言わせれば。

この一言で、「あ、気持ちの高ぶりで勝手に流れてしまっていたのね」と思う。


クーヌスと合体したせいで気持ち悪い性格になっちゃったのかな?

と、いろんな人が予想してるけど、にしても。だと思う。


総括


伏線回収回、神回!
と言われてるけど、
伏線回収してみたら、なんか色々繋がっていないのがあきらかになっちゃった、残念回。

って感じですな。


シリアス半分、コメディー半分で観ていた、8話までのワクワクを返してほしい


はぁ、、、。


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勇気爆発バーンブレイバーン



第9話にして、あえなくトップ10落ちです。