ふにゃっと目覚めてふんわり明るい

午後3時。

まだいいやと思うや入眠し、

次に目覚めてふと朝かと寝惚けた頭は迷います。

薄明かりが低くただよう午後5時は、

朝だ朝だよの午前5時にさも似たり。


指先に開いたまま落ちている歳時記。

お昼寝してたんだったー、

ふにゃっと起き上がります。

活動開始した脳はお題も思い出します。



ずれていく季語多い……と思いながら天文、

消えていくなぁ……と生活を眺めていたんですが、

「逃げ水」

うーん 言葉は聞いたことあるけど、

実体は知らんなぁ、

消えたというより実体験がないやと思ったんです。



NHK 「FOR YOU静かな夜のSongbook」録画流しながら、

ささっと夕食を作ってー食べてー、

んじゃ書き出そうの今でございます。



まずは検索。

ウィキペディアによると、

“風がなく晴れた日にアスファルトの道路などで遠くに水があるように見える現象。夏の風物詩”だそうです。



春の季語であることは間違いない。

晩春?

ある程度気温高い頃?

うーん 見たことない。


でも 聞き覚えはあるんだよ。

近づくと遠ざかる…。

イメージが浮かぶというか、

物語が浮かぶことばです。

それも 何となく岸裕子さんの絵が浮かびます。

ということは…と、

“栗本薫 逃げ水”で検索してみました。


おおっ 正解!!

ただし、

岸裕子さんの絵というのは間違ったようです。

栗本薫さんによる木原敏江さんの摩利と新吾シリーズのスピンオフ作品でした。

JUNEで読んだんだと思います。


☆小説JUNE1989年6月号より
 栗本薫作「紫音と綺羅」第13回表紙絵



木原さんの挿絵だったかな

どうだろうと思いながら、

電子書籍で購入の「栗本薫・中島梓 傑作電子全集」を開きます。

こちらにはもちろん挿絵はありませんから掲載時のことはわかりません。


栗本薫作「逃げ水」

昭和57年1月JUNE

壮年となった春日夢殿が主人公。

かつての二人に重なる少年たちが現れます。

そして失う。




ふしぎな五日あまりの夢の中にいたのだと彼は思った。

もう二度とはないと思っていた少年の摩利のうつし身を、

抱きしめ、

自由にし、

それを自分のものとしていた何日か、

それは摩利のいたずらで、

彼に与えられた幻だったのだろうか。

(消えてゆく 逃げ水がとおくへ………)

夢殿はいつまでも動かず、

重なりあった亡骸のかたわらに立ち尽くしていた。



近づくと遠ざかるもの。

なるほど確かに読んだ覚えあることばだったはず。


逃げ水→知ってることばなんだけどな→でも知らないぞ→何を知ってたんだろ???

何か絵が浮かぶ???

記憶って面白いなと思いました。



画像はお借りしました。

ありがとうございます。