移動中の車内は、

ニュースを聞く場でもあります。

往路か帰路か覚えていないのですが、

「洗脳」ということばを聞きました。



たいそうな怒りをもって、

世界選手権金メダリストのことばを非難する中に用いられていました。

つまり、ロシアが悪いと洗脳されていると。




表現者のことばは、

大きく伝わります。

それが英雄的存在であれば、

なおのこと、

場合によっては宣伝塔ともなる。



 わが詩をよみて人死に就けり


高村光太郎さんのことばが思い浮かびます。

朝ドラの「エール」で戦時歌謡を作ったことに苦悩する作曲家、古関さんの姿が浮かびます。




洗脳、

それは日本にあっても、

もちろん心しなくてはなりません。



でも、

現在、

蹂躙されているウクライナでの映像も、

そこから非難してきた方々のことばも、

死と破壊に満ちています。

その事実の認識については、

洗脳とは遠いものと思っています。



それらの映像やことばを承知してのことばとは思えない。

情報統制が徹底されているということばのだ。

そう思いながらも、

フィギュアスケート世界選手権に言及する姿勢には、

「強い国」への誇りを感じ、

心が沈みます。



軍事力の強大さ、

それも強さ。

フィギュアスケートの戦績、

それも強さ。



戦いにおける強さだけが褒め称えられ、

勝者だけが勝ち誇る世界。

そこに「美」に対する感動など入る余地がない。

それを悲しく思います。

かつて、

その人の演技はそれは見事なものでした。



画像はお借りしました。

ありがとうございます。