あの自分の服しか買わんかった母は、

「振袖なんか無駄!」と言ってたんですが、

一時期どうした弾みか姉を連れて呉服屋に通っていたんだそうです。


で、

姉の着物三着を娘が試着する。

帯を合わせる。

半衿を合わせる。


母はきっと店員さんが繰り広げる語りを「母」として聞くスタンスが気に入ったんだろうと姉が言います。

母とは気に入るポイントが違うと思いますが、

うっわー魔法みたいー

と店主も気に入りました。




江戸小紋。

色無地と同じ扱い。

三着の中では一番若向きだとか。

名入りです。
七人の方々が人間国宝とされたとかで、
そのお一人のお名。



ふにゃっ。
え?え?え?と思いました。


帯を替えることで、

わー可愛い!



おっ、豪奢!



とガラリと変わります。

それは半衿でも帯締めでも同じ。

同じ帯締めでも、

どこを覗かせるかでからりからりと軽やかに変わります。



こちらは手書き友禅。

作家ものだとか。




三着の中では、

姉の一推し。

一番豪奢な印象です。

姉は、

半衿を濃い色にして、

くっきりとした風合いを楽しんでいたそうで、

それも素敵。

娘は淡い色にして、

肩先にある一輪を愛しませる取り合わせが好み。

それも和みました。



こちらは加賀友禅。

最初に試着しました。



二つ驚きがありました。


畳まれている着物と身につけている着物では、

まるで違うこと。

そして、

娘がいきなり「女性」になったこと。

古来からの「女性美文化」が形になるのを見ました。




娘の立ち姿にドキドキしてしまいました。




娘は昨日の一日をたいそう楽しかったと言います。

店主も楽しみました。

姉も楽しんだそうです。

まだ終わっていません。

もう少し楽しんで帰ります。



ホテルの喫煙所、


目の前には

中庭が広がります。




喫煙所としては破格の居心地良さ。

ここで書きました。

では、

帰路は娘を乗せてのドライブ、

気をつけて帰ります。